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ヒット曲分析#03 お洒落なメロディの音選び

AI作曲アプリAmadeus Codeを開発する時に過去60年分のヒット曲を学習データとして分析しました。その中で気づいた点をシリーズで公開していく「ヒット曲分析」。今回はメロディの音使いについて分析したいと思います。

「7 rings」 vs 「My Favorite Things」

2019年のヒット曲 、アリアナ・グランデの「7 rings」。みなさんもお気づきのとおり、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の「My Favarite Things(私のお気に入り)」のメロディが大胆に使われています。

元々3拍子のメロディを4拍子のトラップビートに乗せているあたりは、さすが!って感じなのですが、今回はメロディの音使いに注目してみたいと思います。

マイナーからメジャー

「7 rings」ではコード進行がC#m - Amaj7 - F#m - G#7という4小節パターンで構成されています。「My Favorite Things」も似たようなコード進行ですが大きな違いとして、途中からメジャーキーに変わります。分かりやすく打ち込んだ音源を用意したので、聞いてみて下さい。4小節毎に「7 rings」「My Favorite Things(マイナー)」「My Favorite Things(メジャー)」と続きます。

メロディに3rdを使わない

3つともメロディは全く同じです。同じメロディなのに、マイナーとメジャーという全く違うキーでも成立しているのには訳があります。マイナーかメジャーを決定づける音、コードの3rdをメロディに使用していないのです。

分かりやすくKey Cで考えるとマイナーのところはコードがCm、Fm。メジャーだとC、Fmaj7です。メロディはC音、D音、G音のみです。どちらのコードに対しても3rd(♭3rd)の音は使われていないのです。

メロディをコードの中に落ち着かせ過ぎない

メロディをコードの音ばかりで構成すると音が安定しすぎて、少し野暮ったい感じがしてしまいます。特にコードを弾きながら(聞きながら)メロディを考えるとどうしてもコードの音に落ち着きがちです。ルートや3rdばかりになりすぎないようにメロディの音を選んでみるとカッコよいお洒落なメロディができるかもしれません。是非試してみてください。

Amadeus CodeアプリはAIが作曲しますので、自分では選ばないような音がメロディに使われる事も多いです。そんなAIのアイデアを利用して曲を作ってみてはいかがでしょうか。


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