「自分自身をもっと愛してほしい。」 ともに作る星の道
#12 WOODPEPE ライフスタイルショップ
オーナー 大谷祐佳さん
実用性とかわいさを備えた商品を
-創業の経緯についてお伺いさせてください。
大谷 今の世の中使い捨てのものが多い時代に、5年~10年と長く使えるハンドメイドのもの、さらにデザインがかわいいものを皆さんに届けたいと思い2021年6月21日にお店をオープンしました。
私の生まれは日本ですが、母親が中国人であることもあって、4歳のころから中国に住んでいました。その縁もあり、当初は知り合いの中国のブランドから木製の商品を3つか4つ揃えていたのですが、だんだんアイテム数を増やしていき、今は木製品だけでなく、レザー製品や日本製のアイテムも扱っています。
店名は当初木製品をメインに扱っていたことから、キツツキのWoodpeckerをかわいくして、WOODPEPEにしました。お店では私たちの大切な仲間であるオカメインコの「ぺぺちゃん」が出迎えてくれますよ。
想いを閉じ込めるシーリングスタンプ
-twitterやInstagramではシーリングスタンプもアピールされていますね。
大谷 シーリングスタンプは当初、商品として扱うことを考えていたわけではないんです。開店3か月前に商品が届いた際、自分で使うだけでなく、プレゼントとして渡すのもいいんじゃないかと思いました。プレゼントする際にどうすれば特別感が得られるか、ということを色々考えていた際、シーリングスタンプが目に留まりました。これまで一度も使ったことがなかったのですが、試しに取り寄せてみたら結構面白かったんです。色も選べるし、スタンプの種類も選べる。室内の気温やキャンドルの当たり方でワックスの色の混ざり方も毎回違いますし、同じ色と同じスタンプを選んでも2回同じものが作れない。自分が選んだプレゼントと気持ちをシーリングスタンプで閉じ込めるのは素敵なことだと感じました。
シーリングスタンプ以外にも包装紙や巾着、リボンも数十色用意しているので、オリジナルのラッピングを作って特別なギフトにしていただくことができます。
-これだけ豊富な種類から選べると、受け取る側もうれしいですが、渡す側もうれしいですね。
大谷 オープン当初はシーリングスタンプをお店で作ることができるだけで、スタンプやワックスの販売はしていなかったんです。ところがとても好評でお客様の自宅でもぜひやりたいというリクエストを多くいただき、去年の10月から販売を始めました。スタンプの種類もお客様の声を取り入れながら種類を増やしています。
幅広い世代が愛する幸せを感じる商品
-お客様のリクエストで始めたとのことですが、お店に訪れるお客様はどのような年齢層の方が多いのですか?
大谷 開店前は20代から30代の女性を想定していました。しかし開店してみると近隣にお住まいの方、通勤・通学に利用される方を中心に、幅広い年齢層の方がお店を訪れてくださっております。シンプルな商品も扱っていることもあり、男性のお客様も多くいらっしゃいますし、お子様連れの方やシーリングスタンプの無料体験目当てにお子様だけでいらっしゃることもあります。近隣店舗に老舗の老眼鏡屋さんがあったこともあり、そちらのお客様だった年配の方が足を運んでいただいたりもしますよ。
-商品に対するこだわりを教えてください。
大谷 私の基準は実用性とかわいさの両方を備えているものが最低限の条件となります。さらに使う時も置いている時も、温もりや幸せを感じれることをプラスのポイントとして重視しています。あとはハンドメイド製品であるため丁寧に作られていることも大事です。最初は木製品をメインとして扱っていましたが、木製品は木目が一つ一つ違うという特徴がありまして、そういう特徴や材質にも着目して商品を選んでいます。
お店に置いてあるものでは仲吉商事さんの竹のベッセルが人気で、お客様からの問い合わせも多くいただきます。竹って硬いのですけど、その分割れやすくて食器にするのはすごく難しいらしいのですね。それを仲吉商事さんでは自社工場で独自の加工技術とコーティング技術を用いて、デザイン性が高く、かつ色染みもしない実用性の高い商品を作っています。この商品を知った時、必ず置きたいと思い、直接仲吉商事さんにお願いをして置かせていただいております。私自身もおうちでワインベッセルとプーさんのカップを使ってます。
スタッフと歩み、生まれたコンセプト
-お店を始めて1年ほど経ちますが、お店のコンセプトや方針に変化がありましたか?
大谷 当初は自分がいいと思うものをお客様にお届けしたいと思っていましたが、スタッフとともにお店を続ける中で「自分自身をもっと愛してほしい。」というコンセプトが生まれたんです。自分のために、もっと面白いもの、かわいいもの、特別感のあるものって買う瞬間でも使う瞬間でも幸せを感じますよね。お客様にその体験が届けられるよう頑張っています。
-スタッフさんと接する上で心掛けていることはありますか?
大谷 開店当初からスタッフに対して、「この店は私の店ではなくみんなの店です。」ということを伝えています。店のポップや、パンフレット、商品の陳列やレイアウトをみんなで考えて少しずつ改善しながら今のお店の形になりました。実は開店前にスタッフを募集した際、面接に50名以上いらっしゃったんです。面接を通して、お店の名前の由来や商品のコンセプトに興味を持って質問してくれるなど、大好きな気持ちを伝えてくれた方だけを5名採用しました。
-オーナーの理念に共感し、お店のことが大好きなスタッフさんに任せているから素敵なお店つくりができているのですね。
大谷 はい。スタッフには本当に感謝しています。
-実店舗も持っていますが、オンラインサイトも開設していますよね。売り上げはどちらの方が多いのでしょうか?
大谷 実店舗の方が多いです。値段も安くはないので、オンラインの写真だけでは魅力が伝わらないのかなと思います。商品を手に取って初めて、それがおうちにある生活を想像して、いいなと感じることができるのだと思います。
星の道を作る
-今後の展望はどのように考えていますか?
プロモーションについてはSNSをより活用したいと考えています。Instagramでお店の日常や商品、オカメインコのぺぺちゃんのことを投稿していて、それを見てお店に来てくださるお客様もだんだん増えてきました。また、シーリングスタンプはTikTokで作っている工程をあげて楽しんでいる20代の大学生のお客様も多くいらっしゃって、そういったことから広まると嬉しいなと思います。
また、お店を始めて1周年の頃からBtoCだけでなくBtoB向けの展開も考えて、準備を進めています。来年の2月にギフトショーという展示会があるのですが、そこに参加してWOODPEPEのブランドを知ってもらい、広めていけたらと考えています。
-商品についてはいかがですか?
大谷 シーリングスタンプ用品は最近リニューアルを行いました。ワックスの発注先を新しい工場に変えたのですが、こちらの工場ではワックスの色を自分で作れるようになりました。私が作った色も置いてあります。
-オーナー自ら足を運ばれるのですか?
大谷 新しい取引を行う際には必ず自分で商品を見て確かめてから交渉を行います。商品の仕入れだけでなく、商品のデザインも行っているので、よさそうな工場があれば加工の依頼もします。品ぞろえは中国からの輸入品が多かったですが、現在は日本国内との取引も増えており50:50の割合です。
会社の名前は「星の道商事」というのですが、世界中のキラキラしたものを集めて星の道を作りたいという思いから名付けました。これからも少しずつ増やして自分を愛せる商品を皆様にお届けしたいです。
※ 取材内容は2022年10月現在
(余録)
オーナーの想い、その想いに強く共感するスタッフさんの行動力がこの店の強さだと思いました。商品を手に取った時の温かみには男性の私でも強く惹かれるものがあります。是非一人でも多くの方に商品を手に取っていただきたいと思います。(伊藤敬久)
東京都中小企業診断士協会ウェブサイト<HTML版><PDF版>