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「19歳の乱反射①」(山本 結)~【連載/逆光の乱反射vol.14】

『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。

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これまで「逆光の乱反射」では須藤以外は渡辺や中本など、どちらかといえば「大人側」の声を拾ってきたが(筆者もまさに大人側の人間だ)、そもそも須藤は映画『逆光』にまつわる活動で同世代の若手を盛り上げたい、刺激を与えたいと強く言っていた。『逆光』ははたして若い世代にどのように届いているのか?……と思っていたら、尾道の劇場、広島の劇場、ジャパニーズヌーヴェルヴァーグ展、写真家・石間秀耶トークショー……など至るところに顔を出している女の子がいた。

彼女の名は山本 結、19歳。広島の大学生。パッと見は須藤のオッカケのように見えるが、話をしてみると生き方や夢への向き合い方の面で須藤に強烈な影響を受けていることが伝わってくる。そうこうしていたら彼女、公式Instagramにチャッカリ出ているではないか! しかも渡辺のコメント付きで!!

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gyakkofilm 「#須藤蓮 さんを尊敬してるんです。自分も考えを行動にうつせる人になりたくて、お守りとして買いきにました」と、劇中の晃のシャツを買いに来てくれた彼女のこの笑顔をみてたら、なんだかわからないけど泣けてきました。とっても似合ってて最高にカッコいいよ!
#ジャパニーズヌーヴェルヴァーグ展@ref.store_
(#渡辺あや)

一体彼女はどういう想いで須藤を、そして『逆光』の活動を見ているのだろう? 今回は山本自身に素直な気持ちを綴ってもらった。19歳の彼女が受けた『逆光』インパクト、2回に分けて掲載しよう。

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私が須藤さんの存在を知ったのは高校2年生の冬のテスト期間、あるバンドのMVだった。

彼はそのMVの中では色白で髪型はマッシュで煙草を吸い、クールな感じで年下の女の子をたぶらかす男、いわゆるクズ男役で出演していた。最初の印象は見た目がとてもかっこいい俳優さん。このMVの彼は当時の私のドタイプだった。しかし、MVの影響なのかだらしない人なのだろうなと思っていた。

その印象が覆される事になったのは3年後、大学2年の夏である。

須藤さんが尾道にちょこちょこ来ていることはInstaglamのストーリーを見ていたので知っており、その時は何かの撮影できているのかな?とぼんやりと思うだけ。その後、逆光の公式Instaglamを知り、私はあのかっこいい俳優さんが映画に出るのなら映画は見に行こうと軽い気持ちでいた。

そんなこんなで映画の存在を知り始めた頃、ご縁があってこの「逆光の乱反射」を書いている清水さんとお話しさせていただく機会があった。そこで仰っていたのは「彼はかっこいいよ、彼の熱量は半端ないよ」だ。「そうなんですね~」と言いつつ内心は「本当~?」と思った。彼を知ったきっかけがクズ男役だったからだ。

その3日後、用事の後、袋町公園に向かう途中にあるセレクトショップに逆光のポスターを見つけた。「この映画の監督兼俳優さん、まじかっこいいんよ!!!」と友達に話しながらポスターの写真を撮った。お店が明るかったので目をやると何やら作業をしている。あれ?……長身細身で抜群のルックス、あれは須藤さんだ。おろおろしていると中から須藤さんが逆光のフライヤーをもって出てきてくれた。須藤さんを知った経緯、映画の事などを少し話した。数分お話しただけだったが私の想像していた須藤さんとは真逆だった。爽やかで話しやすいだけでなく、表面的には感じないけどどこかでふつふつとわいているようなエネルギーに圧倒される。

ジャパニーズヌーヴェルヴァーグ展の初日に行き、グッズの説明や映画の説明を彼本人からしてもらった。来店する人に対し彼から積極的に話に行くスタイルが印象的だった。そこで先日清水さんが仰っていた「彼の熱量は半端ないよ」という言葉の意味が分かった気がした。そして話に聞いていた以上に熱量と刺激を受けた。彼のあの爽やかな感じに惑わされてはいけないのである。

一歩のぞき込んだらもうそこは須藤ワールドの入口だった。立派な大人たちがみんなその世界へ惹き込まれていってる。

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私は将来、ロッキングオンジャパンの編集者になりたい。中学時代、ロッキングオンジャパンの読者投稿に私の書いた感想を掲載してもらったことがきっかけでずっとそこからロッキングオンジャパンの編集者になりたいと思っている。

今は年代問わず様々な音楽を聴いたり読者投稿をしたり本を毎週一冊読んだり、講師で来た編集者の方と連絡を取ったりしている。須藤さんとやっている規模は全く違うけれど自分の将来なりたい自分になれるよう前進しているところは私と共通している点だと感じた。

25歳、芸能事務所にも所属しており有名大学の生徒で俳優且つ映画監督。肩書だけを聞いている身からするとキラキラしていいなと思う人もいるかもしれないが、その道は彼自身が自ら切り拓いてきたものだ。やりたいことを忠実にこなす生き方がとてもかっこいい。私は今とても彼に憧れていると同時に負けたくないという焦る気持ちも抱いている。

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そんな気持ちを心に留めておきたく、ジャパニーズヌーヴェルヴァーグ展初日に劇中で使われている晃Tシャツを購入した。逆光のイベントがすべて終わったら額縁を買い、そこに飾ろうと思っている。私も須藤さんから刺激を受けたように周りの人のいい刺激になる人になりたい。彼の一つの夢がかなった初作品。この作品を作る中で数々の壁を越えてきたであろう。その困難を乗り越えてきた衣装を購入し家に飾っておくと、私も今後つらいなと思うことがあった時もあの服を見ることでまだまだ頑張ろうと思える。あの服を見ると尊敬する蓮さんが背中を押してくれる、そんな気がする。将来、須藤さんの前に出ても恥ずかしくないような仕事ができるようになった時、額縁からあの服を出すつもりだ。(つづく)

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