映画『逆光』公式note
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 企画:清水浩司、永長優樹
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7月23、24日の週末――と文字で書くとピンとこないが、すなわちそれは夏休みがはじまって最初の週末。まだ手つかずの休日が目の前に広がっていて、自由な解放感と夏のはじまりに胸がパンパンに満たされている――そんな時分、映画『逆光』に関係した人たちが岐阜に集結した。
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こうあらねばならない、かくあらねばならない、というキューブ(社会的な型)にハマっていた人たちを元のカタチに戻していくのが、『逆光』プロジェクトが現在進行形で起こしている改革なのかもしれない。それは洗練されすぎた資本主義社会への適応障害に苦しむ人たちに対する治癒行為で
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『逆光』は20代の須藤蓮とミドルエイジの渡辺あや、年齢も性別も出生も違う2人の師弟のような、バディのような関係性が魅力だが、そんな中で大きなテーマとして浮かび上がってくるのが世代を越えてつながることの重要性である。 大人と若手が交流することの意味はどこにあるのか
逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 私が望んだ渡辺あやとのガチンコトーク。ちなみに渡辺は私の1つ上の先輩にあたるが、正直年の差以上に怯むところはあった。だってあの渡辺あやである。オトナとしての成熟度合いには雲泥の差がある。広島と島根で東京を語る不遜なトークは、次は京都に話題を移す。 渡辺 東京という
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 車で広島から島根に向かう。 ハンドルを握っていると「山陽」「山陰」という言葉がナルホドと いう納得と共に身体に入ってくる。それは広島が「陽」で島根が「 陰」という意味ではない。とにかく目に入るのが山また山。2つの 地域を隔てるのが中国山地と呼ばれる「山」であるこ
京都の大学4年生・大成海(おおなり・かい)。『逆光』の関西での配給活動に参加した彼は『逆光』にどんな影響を受けたのか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 乱反射。光線が表面の滑らかでない物体にあたって種々の方向に反射する。物体の形がいびつであるほど、表面の滑らかさが失われるほど、反射する光線の数は多くなる。 ぼくは、『逆光』のプロモーションスタッフとしての活動を通じて、これまでよりいくらかいびつな人間になった。 まず、多くの人と出会っ
京都の大学に通う4年生・大成海(おおなり・かい)。『逆光』の関西配給活動に参加した彼が綴る、『逆光』京都レポート第2回 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ぼくらのボス・須藤蓮は、イベントが大好きだ。好きな場所やお店を見つけては、すぐそこを巻き込んだイベントができないかと企てる。そしてぼくら『逆光』チームはその企画・運営に付き合わされる。 『逆光』のファンを増やすという大義名分を掲げてイベントを行っているが、実は自分たちが楽しいことをしている
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 鴨川の川べりには黄色い花が咲き、多くの人たちが散歩をしたり、水面に足を浸したりして楽しんでいた。まっことうららかな京都の春である。 冬の東京のしばれる日々を抜け、現在は関西で公開活動を展開中の『逆光』チーム御一行。もともと京都は『ワン
アップリンク・ショック以降、須藤の焦点は再び数字・結果から人に移っていった。改めてそのことの重要性を認識したと言っていい。 そんな中、須藤にとって「人はあたたかさみたいなものを求めてるんだ、それがもっとも大事なんだ」ということが確信に変わる出来事があった。 それが2月1日から3日間に渡って吉祥寺NEPOで行われた「Dialogue Live」だ。 これは彼らが東京公開で知り合ったクリエイターの作品の展示、ひとつのテーマについて語り合うDialogue、音楽ライブが合わさ
逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 冬の東京で『逆光』チームを襲った「ホームの洗礼」。 「ここでは絶対負けられない」というプレッシャー、「知り合いの前でアツいこと語るの恥ずかしい」という迷い……再び湧き出した勝ちor負けの価値観に次第に須藤は追いつめられていく。 そして迎えた1月8日
逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 半年ぶりに話す須藤蓮は、歯切れが悪かった。 どうにもこうにもまだるっこしいものがあった。 あの調子乗りで、不遜な自信家で、人の懐にぐいぐい入っていく人たらしで、小動物のような素早い頭の回転で浮世を渡ってきたイケメンがグチグチ言葉をこねている。 し
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昨日は尾道でお世話になった方々に挨拶してたんですけど、ひっきりなしに人が訪れるんです。で、最後は蓮くんを中心に若い人たちがみんなで夜の尾道水道に飛び込んで(笑)。今年の夏、彼らにそういう青春があったのがすごくよかったなと思うんです。尾道の方が「今年の夏
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まじで帰るんだなって感じですね……前に尾道から東京に戻ったとき、東京に着いたら音がうるさすぎてビックリしたんです。今も全然帰りたくないけど、不思議と寂しい気持ちもないんです。(須藤) そうだね、終わった気がしないよね。まだまだ。(渡辺) 8月31日
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 永長にとって20歳の夏休みは人生の大きな転機となった。 大学3年生の夏、東京の同級生たちは企業のサマーインターンや就職活動に忙しい。そんな中、永長は「ヤドカーリ(彼が宿泊したゲストハウス)のヤドカリ」と言われるほど尾道にどっぷり浸かり、地元の人たち
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 須藤 蓮が初めて広島市に足を踏み入れた3月25日、須藤、渡辺あやら“ご一行”の後ろを付いて回る、ひとりの男の子がいた。男の子と書くと子供じみているように聞こえるが、齢を聞くと20歳。当時24歳の須藤と比べても若い。色が白く、落ち着いた様子ではあるが、
『逆光の乱反射』は映画『逆光』の配給活動が巻き起こす波紋をレポートする、ドキュメント連載企画です。広島在住のライター・小説家の清水浩司が不定期に書いていきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そんな人生最悪の時期に出会ったのが『ワンダーウォール』だった。 今でも憶えている。オーディションのときのあの光景。目の前にはその後、僕に大きな影響を与えることになる人たちがズラリと顔を揃えていた。監督の前田悠希、制作統括の寺岡環、そして脚本家・渡辺