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連載「石間秀耶と尾道」#01

映画『逆光』から派生し、別作品として独立する写真集『ONOMICHI』を制作した写真家・石間 秀耶による新たなる連載企画です。

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2021年6月26日、昨年10日間の撮影ぶりに尾道へ戻ってきた。昨年と同じくらいの強い日差しと地面に伸びる黒い影。街中を抜ける海風が肌にあたった。ただいま、と呟きながら肩にかけたカメラが軽くなる。どんな年でも夏の体感は短く、濃厚な記憶を残して去っていく。8月16日までの尾道と広島市での滞在期間、写真集と8つの会場での写真展を通して、見えた尾道と出会った人々のことを書きたい。

書けるかな、暖かくふんわりと包んでくれる思い出をまだ被っていたい。
ゆっくりとマイペースに、はがしていって、丁寧にたたむ。

そんな感じで、この連載をしていこうかな。たまに写真集の制作にも触れてみようかな。すぐに言葉で出せるほどまとまってもないけれど、良い機会なので。近所の見晴らしのいい景色を眺めながら、ほのぼのと書いていこうかな。

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東京での暮らし、これまでの写真。

だれも自分のことを知らない場所がこわい反面、真っ白な写真を見てもらえる良い機会だと思った。東京は良くも悪くも、写真でのイメージが先行してしまう気がしている。毎度、実物が写真とイメージが違うって言われてきた自分にはチャンス。映画「百万円と苦虫女」の蒼井優さんになったような気分(百万円が貯まるまでたどり着いた街で暮らす話)。

輝いた写真集が出来上がって(表紙にラメが入っていて本当に輝いてる)、どんな感想も意見も、抱きしめて進もうって酷くさむいことを本気で思いながら尾道までの夜行バスに揺られた。

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昨年は、コロナ真っ只中で街には人影がなかった。今回、訪れて沢山の人が歩いていて、生活をしていて嬉しくなった。この一年、尾道の写真を見ながら、住んでいた人と今住んでいる人のことを思ってプリントをしていた。だから会えたときには、新鮮さが嬉しくて興味が湧いた。想像していた昔の尾道の景色を記憶にもつ人達。映画「逆光」の宣伝活動、街中での写真展示、人が集まるヤドカーリ(ゲストハウス)の宿泊、尾道水道。尾道の人と話す時間ばかりで、とんだラッキーボーイだ。写真が、自分と人を繋いでいくのは写真の醍醐味だから、写真と同じくらい自然に街の人が大好きになっていく。そんな、写真集「ONOMICHI」と映画「逆光」が、繋いでくれた人々について。一緒に過ごした時間について。

書いていこうかな。


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【写真集 ONOMICHI ご購入】

◼️お取扱い
「本と音楽 紙片」
広島県尾道市土堂2-4-9あなごのねどこ庭の奥
「弐拾dB」
広島県尾道市久保2-3-3
「READAN DEAT」 
広島県広島市中区本川町2-6-10 和田ビル203
「シネマ尾道」 
広島県尾道市東御所町6-2
「横川シネマ」 
広島県広島市西区横川町3-1-12
「広島T-SITE/蔦屋書店」
広島県広島市西区扇2-1-45 2号館1F
「誠光社」 
京都市上京区中町通丸太町上ル俵屋町437
「SPBS本店」 
東京都渋谷区神山町17-3 テラス神山1F
「flotsam books」 
東京都杉並区和泉1-10-7

【写真家/石間秀耶 プロフィール】

石間 秀耶  Hideya Ishima
1997年、静岡県生まれ。独学で写真を学んだ後、2019年より「Ether(表参道ROCKET)」「トーキョーアナログ vol.8 vol.10」にて作品を発表し始める。ノンバイナリーである自身をテーマにしたシリーズ作品では、多様なセクシュアリティを持った50名にインタビューを行い作品を制作。2021年、写真集「ONOMICHI」を自費出版。

【掲載作品】

【インタビュー】

【WEB,SNS】

【映画「逆光」】

監督:須藤蓮 脚本:渡辺あや 
7月17日シネマ尾道から公開した自主映画「逆光」本作は、70年代の真夏の尾道を舞台にした男女4人の物語。主演・初監督をつとめた須藤蓮さんとNHK連続テレビ小説「カーネーション」や「ジョゼと虎と魚たち」などの脚本を手掛ける渡辺あやさんを筆頭に、尾道をロケ地に自主制作・尾道からの自主配給映画。

上映館
シネマ尾道 (9/3まで)
横川シネマ (終映未定)
福山シネマモード (8/19まで)
呉ポポロシアター (8/19まで)
京都出町座 (8/26まで)
上映予定
ユーロスペース、アップリンク吉祥寺


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