遠ざかる首位の背中~第21節 クルブ・ブルッヘvsヘンク

ベルギーリーグ第21節は首位攻防の直接対決をピックアップ。
首位を追う立場のヘンクとしては絶対に落とせない一戦。

試合結果

クルブ・ブルッヘ3-2ヘンク
得点者(ク)ドスト7’、フォルマー65’、メシェレ77’
   (ヘ)伊東24’、トマ34’

メンバー

スタメンは以下のとおり。
(青:クルブ・ブルッヘ 白:ヘンク)

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試合展開

前半7分、ぎりぎりのタイミングで裏に抜け出したラングの折返しにドストが合わせてクルブが先制。幸先の良い立ち上がりを見せる。その後もクルブがポゼッションに勝り、このままのペースで試合が進んでいくかと思われた24分、左からのオルテアガのクロスに伊東純也がヒールで合わせ同点ゴール。さらに34分には伊東のクロスからトマが落ち着いて決めて試合を前半のうちにひっくり返すことに成功する。

後半に入ると、変わらずボール保持の時間が長いクルブがヘンクゴールをこじ開けにかかる。すると65分、またしても右サイド突破の突破から、折り返しをキャプテンのフォルマーが狙いすましたコントロールショットで流し込みクルブが同点に追いつく。勢いの止まらないクルブは77分、ラングが柔らかく浮かせたスルーパスにメシェレが抜け出し、胸トラップからの華麗なハーフボレーで決勝点。再度の逆転に成功したクルブが追う立場のヘンクを突き放す勝ち点3を手にした。

Scene of the Match

印象に残ったシーンとして、今回はヘンクの同点ゴールを取り上げる。

~前半24分 伊東純也のゴール~

 1点を奪った後も、変わらずクルブのペースが続いている。順位表上はわずか1つだが、1位と2位では大きな差がある、そんなことを再確認するために試合をしているかのように思えてくる。クルブの前線には2人の若いアタッカーがいるが、今日は背番号10番の日になりそうだ。開始6分での先制アシストに続き、ヘディングでの決定機を迎えるが、これは何とかヴコヴィッチがセーブする。このオランダ人はやんちゃそうな見た目通り、調子に乗せると手が付けられないタイプのようだ。

 ヘンクは元より中盤を支配し、ポゼッションでゴールに迫っていくタイプのチームではない。だからある程度ボールを持たれたとしてもその事実だけではさほど致命的ではない。だが生命線である縦に速い攻撃が機能しないとなると話は別である。アウェーの地でフラストレーションの溜まる序盤戦を過ごし、前半はこのまま持ちこたえるのが最優先かと思われた。

 中盤でボンゴンダがボールを持ち、ヘイネンに落とす。前を向いたヘイネンは前掛かりとなったクルブDFラインの裏、左サイドの広大なスペースにオルテアガを走らせる。先制点、ラングにやられたのと同じような展開。挽回を期すオルテアガはこちらも先ほどの鏡写しのように低いクロスを折り返す。
 中には2人の選手が走りこむ。得点源のオヌアチュと伊東純也。伊東は一瞬ファーサイドに逃げるような動きをしてメシェレの視界から消え、そして加速して2CBの間になだれ込んで来た。
 インフロント回転のかかったクロスボールの軌道を確認する。ボールは勢い良く前進する体の少し後方に流れ着く。後ろからプレスをかけてくるメシェレを感じながら、残した左足でフリックする。メシェレは再び欺かれ、キーパーのミニョレも見逃すしかない軌道でボールがゴールに吸い込まれていった。

最後に

伊東のスーパーゴールとアシストも実らず、首位の背中が遠くなったヘンク。一時の勢いは止み、思うように勝ち点を伸ばせない状態が続いているが、何とか持ちこたえてクルブにプレッシャーをかけていきたい。

この試合のハイライトはこちら↓
https://youtu.be/7AtLk6JzU8Y


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