待ちわびた出番~第23節 シントトロイデンvsセルクル・ブルッヘ

いつ何時も熱い、降格争いを左右する下位直接対決。

試合結果

シントトロイデン3-0セルクル・ブルッヘ
得点者
(シ)ブルース17’、テシェイラ64’、ダーキン90+3’

メンバー

両チームスタメンは以下の通り。
(黄:シントトロイデン 白:セルクル・ブルッヘ)

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試合展開

前半17分、それまでやや押されていたシントトロイデンが先制。自陣からのロングカウンターを発動し、フィードを受けた鈴木がブルースに落とす。1人かわして一閃したミドルシュートがゴールに突き刺さる。この1点で勢いづいたシントトロイデンはその後もチャンスを生み出し、優勢のままに前半を終える。

後半、負けられないセルクルに決定的チャンスを作られる場面もあるが、五分の展開でしのいでいたシントトロイデンが64分に追加点。ブルースからのセットプレーをテシェイラが頭で合わせ、大きな2点目をゲットする。

終盤、前節は失敗した逃げ切りを今度こそ決めるべく交代カードを切るシントトロイデン。セルクルの攻撃を防ぎつつ、終了間際にはカウンターからダーキンのゴールが決まり勝負あり。終盤に差し掛かるリーグ戦において、残留に前進する勝ち点3を手にすることに成功した。

Scene of the Match

この試合はリーグ19試合ぶりに出場した松原后について。

~後半38分 松原后投入~

この日の相手は因縁のセルクルブルッヘ。松原后にとって、出場機会を失うきっかけとなった相手であり、彼は前回のセルクル戦以来一度も出番がないままこの日を迎えていた。

伏線は前節にあった。同じようにリードした状態、時間稼ぎと守備固めで投入されたのは、本来左が本職のサンコンであった。"俺の序列は一体どれほど低いのか。。"松原にしてみればそうごちたくもなるような采配はしかし裏目に出て、サンコンの与えたフリーキックから土壇場で勝ち点2が逃げていった。

迎えたこの日、サンコンはベンチから外れている。勝ち点を奪わなければならない相手に対し、チームはこの日もリードをしたまま終盤を迎えている。"控えDF"にとって自分の価値を証明するための格好の舞台が整っていた。そして後半38分、待ちわびた瞬間が訪れた。

試合に入った松原はやや浮き足立っているように見えた。当たり前か。ボールに触れる。無難な前線へのキック。でもそれで良い。今日与えられたミッションはこのまま試合を終わらせることだ。前任者はそれに失敗した。1つでも見せ場が作れればなお良しだが、まずは堅実なプレイを見せねばならない。

後ろのラバレーが松原に声をかける。ポジショニング的なことだろうか。身振りも交えてコミュニケーションをとる。ここでの連携ミスは致命傷に繋がりかねない。必死さが表情にも伺える。とにかく守る、守る、守る…

そこまで決定的な場面も作られず、試合は終わった。
追加タイム含めても10分程度の出場時間、新聞などでは「採点無し」の扱いだろうが、当人としてみれば大きな一歩に違いない。

一度落ちた評価を覆すためには、地道に出来ることを証明し、ポイントを稼いでいくしかない。「残り10分、無失点に抑えられる選手」として、この日は一つステップを踏んだと言えるだろう。次のチャンスが再び来ると信じて、わずかな可能性に懸ける日々が続いていく。

おわりに

松原のことばっか書きましたが、シントトロイデン的にはかなり良い試合だったんではないでしょうか。
得点シーン以外にもチャンスは作っていたし、ボール持つ時間は相手のほうが多かったけど、ゲームの支配という意味では、下位相手でもあったので、ある程度意図した展開に持ち込めていたのではないかと。

取り敢えず、この感じで堅実に勝ち点積み上げれば残留はできるような気がするので、踏ん張ってほしいと思います。



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