見出し画像

上級詰め連珠第206問

私が上級詰め連珠を好きであるのは異論がないかと思いますが、決して、スラスラ解いているのではありません。苦労して解いているから、語りたくなるのです。

問題はこちら↓

検討盤はこちら↓

画像1

これが問題図、黒先です。

画像2

剣先が2本、連が1個あります(◉は四伸びできる位置、◎は三引きできる位置を示す)。上下を組み合わせて、詰ませたいところ。どっちから行く?

画像3

黒1のミセ手を焦点止めされたら、黒3の三引きで勝てるんじゃないの?

画像4

しかし、白は、それを察知して、白2で剣先作るから、その勝ち筋は消えてしまう。

画像5

それなら、と思って、下から行くと、白2は、白のフクミ手であり、黒3で三を引いたら四追い勝ちされてしまう!

画像6

わかった。黒1で四伸びしておくんだ!と思ったら、黒5の三引きは、白4でできた剣先で受けられてしまう!えー、八方塞がりなんですけど...?

うーん、どうするのかな?G7に白のフクミ手を打たれるのは困る。黒1でG7に四伸びしないと、詰まないのだろう。そう思って考えると、その後はゴリゴリ引くしかない。確かにそれで詰むことは詰むんですよ。

画像7

私は、この勝ちをひねり出すのに、この問題を解くのにかかった時間の大部分を注ぎ込みました。実戦なら、これで勝ち(時間足りなくて私には無理ですが、理論上は勝ちという意味です)。

しかし、これは上級詰め連珠!熱烈なファンの1人としては、上級詰め連珠らしく、詰ませたいのが人情というもの。そう思って、あーでもないこーでもないと悩んでいるうちに...

画像8

この図で、閃いたのです。焦点止めされてないということは...

画像11

このようなことができることを意味します。

画像10

黒3は、上下で詰みが生じる両フクミ手です。

画像11

上側のフクミ手を、白4のフクミ手で止めても、下側のフクミ手は止まらず、黒7で勝ち。

つまり、黒1のミセ手は受けられると知りつつ打って、さらに黒3の両フクミ手を繰り出して勝つのですね。こんなカッコいい勝ち方あるんだ!

言ってみれば、「三を引かれたら、四追いで勝てばいいじゃない」の応用編でしょう。

「ミセ手やフクミ手で手番取られて困るなら、同時に止まらない両フクミ手で勝てばいいじゃない」

対局中に、手に汗握る攻防を続ける強い人たちは本当にすごい。そのような攻防の一端を覗ける上級詰め連珠は、面白い。長々と悩んだ苦労も吹き飛びます。

<上級詰め連珠第206問 解答>

画像12