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転売と代理店の違い

 この後に及んで転売と代理店、また販売代理の違いが全く分かってない方が多数いらっしゃるので、その違いを記してみたいと思います。
 おそらく代理店と言う言葉ほど、幅広く使われている言葉は無いでしょう。あの電通も代理店ですし(Not 広告代理店)、まして販売代理店と言われるポジションの会社など世の中に星の数ほどたくさんあります。
かく言う私の会社も台湾のMAKRITE、中国のINTCO MEDICAL、イタリアのレーシングカートのCKR、香港のプラスティック製品のCLIFFTON、 英国のオールドF1のアパレル&グッズのRetro GPや、F1 VIPクラブのumber lounge、F1 Paddock Club、マカオのArtyzen Grand Lapa Macau等と代理店或いは販売契約を締結しております。
 これをネットで〝無許可の転売ヤーだ〟と騒いだビジネスコンサルタントがおりますが、ビジネスコンサルタントの割には物事を知らなさ過ぎますし、そんなところがキチンとしたコンサルティングをするとは思えませんが。

1.代理店とは?

 ここでは販売代理店と言う物販について説明します。
販売代理店はメーカーに対して売る側が『年間、これだけの金額(や商品の量)を売ります』或いは保証金などを入れて『商品の供給を維持します』、と言う契約(約束)をします。つまりメーカーに対して【一定の金額や販売量】をコミットしているのです。
 例えば私の会社は台湾のマスクメーカーに対し年間で3,000万円以上の購入をしている事。INTCOは始まったばかりなので、まだ少量ですが、Racing KARTメーカーのCKRは初年度で年間1,000万円、最終的には三年後に年間3,000万円まで仕入れなければなりません。
また〝どこに売ったか?〟と言うのも非常に大事です。
仕入れる前に『どことどこに、どれだけの量を卸します』と言わなければなりません。当然、事後報告も必要です。
また当初の予定が上手く行かなかった場合、それをどうリカバーするか?と言う点も話し合いが必要です。
 つまりメーカーの営業マンの働きをするのです。
しかしこれによって、購入する側、つまり当社から先のお客様は、その商品がどこから出て、どこを経由して自分のところに来た、と言う明確な証明が得られる訳です。
つまりメーカーから見て販売代理店は
・年間の取引額をコミットしてる
・売り先がどこか明確にしている
・メーカーの敷いたルールを維持できる
まだまだ他にもありますが、こう言う事が主だった業務の基軸だと言えます。

2.転売とは?

 転売は文字通りです。どっから買ったか分からず、どこに売ったかも不明で更にはメーカーに何かをコミットしている訳ではなく、販売や生産計画に大きな害を伴う存在です。また購入したお客様には、その商品に対する信頼感、と言う点に於いては一抹の不安を与えかねません。
前に自称〝マカオの成功者〟で中国の義烏市場で商品を仕入れ、そのノウハウを商材としているアホがおりました。彼を信じて金を突っ込んだ友人は結果、アマゾンのアカウントが停止(もちろん本人も停止)。理由?偽物だからですよ。
 マカオの成功者なのにスーツケース持ってマカオのサウナに寝泊まり。バスで深圳に買い付けって、今時の田舎の中国人さながらのスタイルで頑張っておりました。
 その根性があるのなら、なぜメーカーの扉を叩かないんでしょうかね?一つのメーカーの看板を叩き、年間の買付量をコミットし、その一部門を担って事業を進め、会社を成長させていくには重要な事だと思うんですよね。

3.結局、資質の問題です

 その昔、日本にいる頃、ある世界石油五大メジャーの一つと直の契約をしていた時期がありました。これはそれまでやったモータースポーツの活動実績を評価されたのがその理由です。
しかし私はそこで、致命的なミスをしてしまいます。
 販社を希望していた会社を信じて、販売権を渡してしまいました。向こうにしてみたら、メーカーと直接くっつく事が目的です。私を排除し、メーカーの看板で自身を固め、相手を信用させる事。
逆に言うと目的はこれだけです。
 契約するまでは従順な態度でしたが、契約後は豹変。私の排除に必死でしたがメーカーが食い止めてくれました。メーカーはキチンと私の指導のもとで販売をする様に指導しましたが言うことを聞かず。
 結果、そうは言っても世界の五大石油メジャーですから、彼らの持っている別のブランドを私に与えました。すると彼らは狂った様になり、『あのブランドはウチができる。なぜウチにやらせない』と大騒ぎし、結果、二年後にそこは契約解除の憂き目に遭いました。
 この代表者も『いまやる事はAですよ、Bですよ!』と言っても『分かっています山ですね!川ですね!』と違う理解をするタイプでした。大体、共通していますね、こう言う動きをする人って。

4.紆余曲折あり自社で日本で事業をする事になりました

 できれば代理店を立ててやりたかったのですが、メーカー側から『お前のところが直接やらないとダメだ』と言う指示が出た事。期待していた会社が残念ながら当事者能力に欠けていた事に加え、こちらの意を全く違う風に解釈いている事などから、代理店は設置は諦めました。
2回、同じ失敗を繰り返す訳にはいかないしね。
 3月1日には稼働できるように準備しています。突貫工事ですが、とにかく猛ダッシュをかけております。


モータースポーツに関わって30年。国際感覚は誰にも負けないと自負しております。国内外のモタスポに関する問題を常に提起していきます。