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ATP1000テニス ローマ大会の準々決勝  ジョコビッチ対 ルーネ

ローマ大会の準決勝は、ルード、チチパス、メドベージェフとこの準々決勝、ジョコビッチ対ルーネの勝者となった。この組み合わせはあまり見ないが、成長真っ只中のルーネとチャンピオンのジョコビッチという感じで、どこまでルーネがジョコビッチに迫れるかが興味深い。

ノバク・ジョコビッチは、セルビア出身で35歳、188cm、ATPのランキングは1位、この大会では第1シード。ベースラインプレーヤーから発展したオールラウンダー。テニス界の歴史の中でも最も優れたプレーヤー。数々の記録を持っている。フォアもバックもグランドストロークは、トップスピン系で重くて速く、伸びがあり、安定している。フットワークが良く、ディフェンスは特に優れている。特に、サーブのコントロールが良く、速く、素晴らしい武器である。弱点は少ない。精神的にも安定している。

ホルガ・ルーネは、デンマーク出身で19歳、188cm、ATPのランキングは7位、この大会では第7シード。フォアもバックもグランドストロークはスピンループ系で速くはなく、ベースラインぎりぎりに返すボールが多い。ただし、速いトップスピンボールが打てないわけではない。相手によって使い分ける。サーブが特に強く、速く、大きな武器になっている。フットワークは良い。感じはフリッツに似ていて、もっと鋭い感じがする。強打だけでなく、ロブもボレーもドロップショットも上手い。素晴らしいオールラウンダー。アルカラス、シナーと並んで驚異的な若手選手のひとりだろう。アルカラスが終始、力いっぱいなのに対して、若いくせに力が抜けているのが凄い。

第1セットの第1ゲームは、ジョコビッチのサーブではじまる。ジョコビッチのミスが目立ち、簡単にブレークを許す。第2ゲームは、ルーネのサーブではじまる。ルーネは硬く、ミスが多い。ジュースまでいくがキープ。第3ゲームはジョコビッチのサーブで簡単にキープした。ルーネの2−1でサーブの第4ゲームとなる。ルーネのフサーブが良く、キープ。

第5ゲームはジョコビッチのサーブだったが、ルーネのバックのストレートがうまく、慌てて打ったジョコビッチのフォアが長く、ブレークされる。第5ゲームまででジョコビッチの1−4の2ゲームダウンは意外だった。ジョコビッチの調子がそれほど悪く見えないが、少しムキになって強く打つボールがロングの場合が多かった、フォアについてもバックについても。

第6ゲームはルーネの4−1でサーブだったが、ルーネのドロップショットが効き、キープした。第7ゲームは、ジョコビッチのサーブでミスが多く、それでも何とかキープできた。第8ゲームは、ルーネの5−2でサーブ。ジョコビッチのミスに助けられ、キープする。第1セットは、ルーネの6−2で圧勝だった。第1セットを見る限りは、ルーネの方が有利に見えた。

第2セットの第1ゲームは、ジョコビッチのサーブで、簡単にキープした。ジョコビッチは1stサーブのスピードを意図的に落としている気がする。第2ゲームは、ルーネのサーブ。ルーネは、ストレートでキープ。第3ゲームは、ジョコビッチの1−1でサーブだった。ここでは、ルーネが粘りジュースまでいくが、ジョコビッチは1st サーブで何とかキープする。第4ゲームは、ルーネの1−2でサーブ。ルーネは簡単にキープした。ゲームの前に、ジョコビッチはドクターを呼び、痛み止めか何かの薬を飲んだ。どこが悪いかはよくわからなかった。

第5ゲームは、ジョコビッチの2−2でサーブ。ジョコビッチは、簡単にキープ。第6ゲームは、ルーネの2−3でサーブ。ここで40−40となり、自らのスマッシュミスでブレークされる。第7ゲームは、ジョコビッチの4−2でサーブ。ルーネのミスが多く、キープ。第8ゲームは、ルーネの2−5でサーブ。この試合の前に、ルーネは、膝の治療を受ける。雨で少し中断となった。しかし、ルーネは、ストレートでキープ。

第9ゲームは、ジョコビッチの5−3でサーブ。34連続ショットの後、ルーネのドロップショットが決まり、ジョコビッチは0−40まで追い詰められる。次は、22連続ショットとなりジョコビッチが、ロブでとるが、次のフォアハンドの回り込みのショットが長すぎて、ブレークされる。第10ゲームは、ルーネの4−5でサーブ。0−30の所で、約1時間の中断となり、ジョコビッチにブレークされる。第2セットは、ジョコビッチの6−4で終わる。

第3セットの第1ゲームは、ジョコビッチのサーブで始まった。ルーネのリターンが良く、フォアハンドストロークの回り込みのショットでブレークする。第2ゲームは、ルーネのサーブで始まった。ジュースまでいくがキープする。第3ゲームは、ジョコビッチのサーブで、ジュースまでいく。ジョコビッチのバックハンドショットのロングが目立つ。力負けしないようにと打つためなのだろうか?結局、ジョコビッチのジョコビッチのバックハンドショットがストレートでロングとなりブレークされる。この時点で、ルーネの勝利はほぼ確実になった。第4ゲームは、ルーネのサーブでジュースまでいくが、ジョコビッチのドロップショットのミス、ボレーミスなどでキープした。第5ゲームは、ジョコビッチの0−4でサーブだった。ジョコビッチは、楽にキープした。

第6ゲームは、ルーネの4−1でサーブ。ルーネは、自分のサーブだけを守れば勝てると思っているだろう。ジョコビッチの必至の追い上げを逃げ切った。第7ゲームは、ジョコビッチの1−5でサーブ。ジョコビッチは、40−0までいくが、ジュースまで持ち込まれ、やっと振り切った。第8ゲームは、ルーネの5−2でサーブ。ジョコビッチは、30−40まで追い詰めるが、フォアハンドの回り込みやバックハンドストレートなどのショットが、ベースラインを越え、ルーネにキープを許した。第3セットは、ルーネの6−2で終わる。

結局、ルーネは、6−2、4−6、6−2で、ジョコビッチを破った。この試合は全体的に、ジョコビッチの力みが感じられて少し驚いた。ルーネの力を感じていたのだろうか?ジョコビッチも、それほど調子が悪いようには見えなかった。

一方、ルーネは、その高い能力を感じさせる試合だった。ストロークの安定性、ショットの多様さ、フットワークの良さ、完成度の高い数々のショットなど素晴らしい。さらなる精進を続けて、素晴らしいテニスを見せて欲しい。

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