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ATP1000テニス ローマ大会の決勝  メドベージェフ 対 ルーネ

ローマ大会の決勝は、メドベージェフ対ルーネとなった。

ダニエル・メドベージェフは、ロシア出身で27歳、190cm、ATPのランキングは3位、この大会では第4シード。今季は38勝5敗。フォアもバックもグランドストロークは、トップスピン系で安定していて、手が体に巻きつくような独特のスイングのためにボールに伸びがある。フットワークが良く、ディフェンスは特に優れている。サーブも速く、鋭く素晴らしいものがある。弱点は少ない。精神的にも安定している。

ホルガ・ルーネは、デンマーク出身で20歳、188cm、ATPのランキングは7位、この大会では第7シード。フォアもバックもグランドストロークは速い球もスピンループ系のボールも打ち、ベースラインぎりぎりに返すボールが多い。ライジングボールが得意。相手によって使い分ける。サーブが特に強く、速く、大きな武器になっている。フットワークは良い。強打だけでなく、ロブもボレーもドロップショットも上手い。素晴らしいオールラウンダー。

アルカラス、シナーと並んで驚異的な若手選手のひとりだろう。アルカラスが終始、力いっぱいなのに対して、若いくせに力が抜けているのが凄い。ルーネは、対メドベージェフ戦では1−0で、先日のATP1000モンテカルロ大会で6−3、6−4でメドベージェフを破っている。この時は、スピンループ系ボールを多用して勝ったが、これが続くとは思えない。どのような戦いになるのか楽しみだ。

第1セットの第1ゲームは、メドベージェフのサーブではじまる。簡単にキープ。第2、3、4ゲームは簡単にキープで進行した。第5ゲームは2−2でメドベージェフのサーブだったが、ルーネがループ系のボールを繰り出し、15−40まで追い詰めるが、メドベージェフの1stサーブが良くキープ。第6、7、8、9、10、11ゲームはどちらもキープが続く。

第12ゲームはルーネの5−6でサーブだった。メドベージェフはここで勝負をかけた。17回のストロークが続き、ルーネは、ドロップショットが拾われ、ブレークされた。第1セットは、メドベージェフの7−5で終わった。第1セットはほぼ互角に近かったが、第12ゲームは、ルーネが少し油断していた感じだった。

第2セットの第1ゲームは、メドベージェフのサーブだった。ルーネは、ここでフォアとバックハンドのストレートショットを打ち、ストレートでブレークした。第2ゲームは、ルーネの1−0でサーブ。ルーネはキープした。第3ゲームは、メドベージェフの0−2でサーブ。メドベージェフは、簡単にキープした。

第4ゲームは、ルーネの2−1でサーブ。ルーネのミスが多くブレークされる。第5ゲームは、メドベージェフの2−2でサーブ。簡単にキープ。第6ゲームは、ルーネの2−3でサーブ。ルーネは、21回のショットを続けジュースに持ち込まれるが、見事なフォアのストレートショットとバックボレーを打ち、振り切った。

第7ゲームは、メドベージェフの3−3でサーブ。メドベージェフはミスが多く、ブレークされる。第8ゲームは、ルーネの4−3でサーブ。簡単にキープした。第9ゲームは、メドベージェフの3−5でサーブ。メドベージェフは、ここでキープする。第10ゲームは、ルーネの5−4でサーブ。ルーネはここで決めようとして力が入るのか、フォアハンドがロングになることが多い。最後はバックハンドショットがネットでブレークされる。

第11ゲームは、メドベージェフの5−5でサーブ。メドベージェフは1stサーブが良く、ジュースまでいくがキープする。第12ゲームは、ルーネの5−6でサーブ。ルーネはここでミスが多く、最後は回り込んだフォアハンドショットがロングでブレークされる。第2セットは、メドベージェフの7−5で終わる。

結局、メドベージェフは、7−5、7−5のストレートでルーネを破った。この試合はスコアから見るとルーネの一方的な負けのように見えるが、第1セットも、第2セットもルーネが先行していただけに、残念な試合だった。ルーネの焦りのためか、窮地に立った時の粘りに欠けているような気がした。それにしても20歳の若者が、現在、3強の一人のメドベージェフを相手に堂々と渡り合っているところに、ルーネの非凡さを感じる。もう少し、体ができてくればさらに強くなるだろう。今後の精進を期待したい。

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