ATP1000テニス ローマ大会の準決勝 ルード対 ルーネ
ローマ大会の準決勝は、ルード対ルーネ、メドベージェフ対チチパスとなった。ルード対ルーネの組み合わせはあまり見ないが、成長真っ只中のルーネとATPで常時5位以内にある安定感の高いルードという感じで、どこまでルーネがルードに迫れるかが興味深い。
キャスパー・ルードは、ノルウェー出身で24歳、183cm、ATPのランキングは4位、この大会では第4シード。ベースラインプレーヤーから発展したオールラウンダー。フォアもバックもグランドストロークは、トップスピン系で重くて速く、伸びがあり、安定している。フットワークが良く、ディフェンスは優れている。特に、サーブのコントロールが良く、速く、素晴らしい武器である。弱点は少ない。
ホルガ・ルーネは、デンマーク出身で20歳、188cm、ATPのランキングは7位、この大会では第7シード。フォアもバックもグランドストロークは速い球もスピンループ系のボールも打ち、ベースラインぎりぎりに返すボールが多い。ライジングボールが得意。相手によって使い分ける。サーブが特に強く、速く、大きな武器になっている。フットワークは良い。強打だけでなく、ロブもボレーもドロップショットも上手い。素晴らしいオールラウンダー。アルカラス、シナーと並んで驚異的な若手選手のひとりだろう。アルカラスが終始、力いっぱいなのに対して、若いくせに力が抜けているのが凄い。ルーネは、0−4で一度もルードに勝てていない。どこまで、ルードに迫れるのかが、見どころだろう。
第1セットの第1ゲームは、ルードのサーブではじまる。簡単にキープ。第2ゲームは、ルーネのサーブ。ルーネ40−15となりながら、ジュースまでいく。1stサーブはとれるが、その後ドロップショットを拾われたりミスが続き、サーブ&ボレーでやっと振り切る。第3ゲームはルードのサーブで簡単にキープした。ルーネの1−2でサーブの第4ゲームとなる。ルーネのフサーブが良く、キープ。
第5ゲームは2−2でルードのサーブだったが、ルーネの1stサーブが良くキープ。第6ゲームはルーネの2−3でサーブだったが、ルーネのドロップショットが効き、キープした。第7ゲームは、ルードのサーブが良くキープした。第8ゲームは、ルーネの3−4でサーブ。ルーネのフォアの回り込みのショットが良く、キープする。
第9ゲームは4−4でルードのサーブだったが、ルードの1stサーブが良くキープ。第10ゲームはルーネの4−5でサーブだったが、ルーネの1stサーブが良くキープ。第11ゲームは、ルードのサーブが良くキープした。第12ゲームはルーネの5−6でサーブだったが、ルーネのドロップショットが効き、キープした。試合は、タイブレークとなる。タイブレークでは、ルードが終始リードして7−2で第1セットをとる。第1セットは、ルードの7−6で終わった。
第2セットの第1ゲームは、ルーネのサーブ。ルーネは、しつこくドロップショットを打ち、ジュースまでいくがキープ。第2ゲームは、ルードのサーブだった。ルーネは、ここでもしつこくドロップショットを打ち、ジュースまでいくが、キープされる。第3ゲームは、ルーネの1−1でサーブ。ルーネは簡単にキープした。第4ゲームは、ルードの1−2でサーブ。ルードは、簡単にキープ。
第5ゲームは、ルーネの2−2でサーブ。ルーネのミスが多くブレークされる。このゲームが終わると、ルーネは、右肘や肩のマッサージタイムをとる。この時点で、この試合はルードで決まりという感じがした。第6ゲームは、ルードの3−2でサーブ。簡単にキープ。第7ゲームは、ルーネの2−4でサーブ。ルーネは、ゆるい1stサーブでポイントを稼ぎ、ドロップショットを多用してキープする。
第8ゲームは、ルードの4−3でサーブ。ルードはミスが多く、ブレークされる。第9ゲームは、ルーネの4−4でサーブ。ジュースまでもつれる凄いゲームになった。最後に、1stサーブとルードのフォアがネットとなり、キープした。約9分近いゲームだった。第10ゲームは、ルードの4−5でサーブ。ルーネはここで勝負をかけ、得意のライジングリーターンやロブ、ドロップショットを繰り返して、ブレークする。第2セットは、ルーネの6−4で終わる。
第3セットの第1、2、3ゲームは、それぞれ、簡単にキープ。第4ゲームは、ルードの1−2でサーブだった。ルードのミスが続き、ブレークとなる。第5ゲームは、ルーネの3−1でサーブ。ルーネは、自分のサーブだけを守れば勝てると思っているだろう。簡単にキープ。第6ゲームは、ルードの1−4でサーブ。ルードは、簡単にキープ。第7ゲームは、ルーネの4−2でサーブ。ルーネは速いボールが増え、ルードのサイドアウトやベースラインロングを誘い、キープした。第8ゲームは、ルードの2−5でサーブ。ルードは、2本のダブルフォールトが致命的でブレークされる。第3セットは、ルーネの6−2で終わる。
結局、ルーネは、6−7、6−4、6−2で、ルードを破った。この試合は2セットの中盤くらいまでは、ルードが有利だった。ルーネのマッサージタイムの頃は、ルードが圧倒的に有利だった。それが逆転したのは、意外だった。ルーネの計画通りだったのかは良くわからない。デザインされた試合なら、驚くべきことだが、、。
この試合では、ルードはそれほど悪いところはないような気がした。それよりも、ルーネの高い能力を感じさせる試合だった。フォアもバックもストロークの安定性、ショットの多様さ、サーブ&ボレーの組み合わせ、フットワークの良さなど素晴らしい。さらなる精進を続けて、素晴らしいテニスを見せて欲しい。
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