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グランドスラム全仏オープン大会 女子決勝  シフィオンテク 対 ムチョバ

フレンチオープンの女子決勝では、シフィオンテク対ムチョバの争いとなった。シフィオンテクは、予想通りだが、ムチョバは、全くの予想外であった。しかし、試合は凄いものとなった。

イガ・シフィオンテクは、ポーランド出身で22歳、176cm、WTAのランキングは1位、この大会では第1シード。19歳でグランドスラム全仏オープン大会に優勝した。グランドスラム全米オープン大会でも、2022年に優勝している。ベースラインプレーヤーから発展したオールラウンダー。フォアのグランドストロークは、トップスピン系でそのスピン量はナダルに匹敵するほどで、重くて、速く、伸びがあり、安定している。バックハンドストロークは、男子最速のティエムに匹敵する速さを誇る。フットワークが特に良く、ディフェンスは優れている。特に、サーブのコントロールが良く、速く、素晴らしい武器である。弱点は少ない。

カロリナ・ムチョバは、チェコ出身で26歳、180cm、WTAのランキングは19位(2021)。ベースラインプレーヤーから発展したオールラウンダー。サーブが強く、速く、大きな武器になっている。フットワークは良い方だが、特にランニングショットが良い。強打だけでなく、スピン系のロブもボレーもドロップショットも上手く、多彩な攻めがある。どこまでシフィオンテクに迫れるのかが、見どころだろう。

第1セットの第1ゲームは、シフィオンテクのサーブではじまる。40−0まではすんなりいったが、ムチョバのドロップショットが2本とも決まり慌てる。ムチョバのバックハンドのストレートがサイドアウトとなりキープ。第2ゲームは、ムチョバのサーブ。シフィオンテクのフォアストロークが炸裂して、ムチョバは早々とブレークされる。第3ゲームはシフィオンテクのサーブで簡単にキープした。第4ゲームは、ムチョバのサーブ。1st サーブが効き、なんとかキープ。ムチョバは、立ち上がりにシフィオンテクのパワーに押される。

第5ゲームは3−1でシフィオンテクのサーブだったが、ジュースまで持ち込まれる。どちらも先手を取るが決められず、9分以上の打ち合いとなる。最後にシフィオンテクのバックストレートが決まりキープ。第6ゲームはムチョバの1−4でサーブだったが、またまたジュースとなる。このゲームも6分以上の打ち合いの末、ムチョバがキープに成功する。第7ゲームは、シフィオンテクの4−2でサーブ。キープして、5−2とする。第8ゲームは、ムチョバの2−5でサーブ。簡単にブレークされて、第1セットはシフィオンテクの6−2で簡単に決まった。

第2セットの第1ゲームは、シフィオンテクのサーブ。ムチョバのミスが多く、キープ。第2ゲームは、ムチョバのサーブだった。ムチョバは、バックストレートのロング、ドロップショットのミス、スマッシュミス、フォアのストレートのロングなどミスを連発して自滅、ブレークされる。第3ゲームは、シフィオンテクの2−0でサーブ。ムチョバの焦りかミスが多く、シフィオンテクが簡単にキープした。第4ゲームは、ムチョバの0−3でサーブ。ムチョバは、何とかキープ。

第5ゲームは、シフィオンテクの3−1でサーブ。ムチョバは、シフィオンテクのちょっとした隙をつき、ブレークバックする。。第6ゲームは、ムチョバの2−3
でサーブ。簡単にキープ。第7ゲームは、シフィオンテクの3−3でサーブ。シフィオンテクは、簡単にキープする。第8ゲームは、ムチョバの3−4でサーブ。何とか、キープする。第9ゲームは、シフィオンテクのサーブ。ムチョバの深いショットが効いてブレークチャンスとなる。ここで、シフィオンテクは、まさかのダブルフォールトで、ブレークされる。

第10ゲームは、ムチョバの5−4でサーブだった。ムチョバは、勝ちがチラついたかフォアハンドのショットが決まらない。最後は、バックスライスが、ベースラインを越えてブレークされる。第11ゲームは、シフィオンテクの5−5でサーブ。ムチョバは、一転フォアハンドショットが決まり始め、再びブレーク。第12ゲームは、ムチョバの6−5でサーブ。またしても硬くなり、やっとジュースに持ち込む。このゲームは6分以上の打ち合いとなり、シフィオンテクの粘りが発揮されるが、最後は、ムチョバのキープとなる。第2セットは、ムチョバの7−5でセットオールとなった。

第3セットの第1ゲームは、シフィオンテクのサーブ。ムチョバのボールに伸びが出てきたのか、シフィオンテクの焦りか、ダブルフォールトでブレークされる。第2ゲームは、ムチョバのサーブだったが、簡単にキープした。第3ゲームは、シフィオンテクの0−2でサーブ。簡単にキープした。第4ゲームは、ムチョバの2−1でサーブ。ムチョバは、バックハンドショットが決まらずブレークされる。

第5ゲームは、シフィオンテクの2−2でサーブ。シフィオンテクは、1stサーブが決まり簡単にキープする。第6ゲームは、ムチョバの2−3でサーブ。ムチョバはサーブが冴え、簡単にキープした。第7ゲームは、シフィオンテクの3−3でサーブ。ムチョバが、勝負に出てブレークする。第8ゲームは、ムチョバの4−3でサーブ。ムチョバは、このゲームをとればグランドスラム優勝に大手がかかるためか、少しかたくなっている。それでも何とかジュースに持ち込み、6分以上の打ち合いになる。最後はムチョバのドロップショットがミスとなり、ブレークされる。第9ゲームは、シフィオンテクの4−4でサーブ。シフィオンテクもかたさが目立ち、ジュースとなる。グランドスラムの経験の差なのか、シフィオンテクのハートが強いのか、ムチョバのミスでキープを拾う。第10ゲームは、ムチョバの4−5でサーブ。ムチョバは、バックハンドショットのロング、フォアハンドショットのサイドアウト、サーブをネットにかけてブレークされてしまう。第3セットは、シフィオンテクの6−4で終わった。

結局、シフィオンテクは、6−2、5−7、6−4で、ムチョバを破った。シフィオンテクは、16年ぶりの女子シングルスの連覇となり、コート上で号泣していた。
グランドスラムで優勝した選手が、あたりかまわず号泣したのは初めて見た。ちょっと感動した。重圧だったのだろうと察する。

また惜しくも敗れたムチョバに拍手を送りたい。横顔がどこかアイスドールと言われたクリス・エバートに似ていて美人で素敵だった。つまらない決勝戦が多い中で、久しぶりに面白い女子の決勝を見た。ムチョバに足りないのは、ただ自信というか激しさというかそんなものだろう。冷静なのは良いが、実力差はほとんどないのだ、もっとハートを鍛えてほしい。

他にもATP500,1000の面白い試合の観戦記を載せています。


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