#エッセイ02 餃子と琵琶、ときどきお粥。
私の夕飯を作ってくれていた店があった。
店主は仙人のような風貌で、中華料理を得意とし、作務衣を着て長いひげを蓄え下駄をはき、琵琶を奏でた。
一人暮らしを始めた20代。
要領が人一倍悪い私は、料理を作るのに人の2倍はかかる。
やっとの思いで食べ物を作り終わり、ヘロヘロの状態で食べ、洗うのも人の2倍の時間がかかる。つらい。
洗い終わったらどういう洗い方をしているのか、自分も台所も、何かの水浴びの後のように、びっちょびちょだった。掃除という行為も増える。つらい。
仕事も半人