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月が綺麗な夜のおハナシ;歌の翼

こんばんは。
こんにちは。そしてお早うございます。まとめて、あんにょん。

ここ最近noteに書きたいことが沢山あって。でも納得のいくコンディションが整った時に書こう書こうと思っていたら、こんなに時間が経ってしまって。
気負いすぎてもいつまでも書けないままだなと思い、ふとぱちぱち書いてみています。ぱちぱち、ぱちっとな。


今日は久々に映画館で映画を観てきましたwith友人。
それも「鳩の撃退法」と「竜とそばかすの姫」の2本立て!!両者異なる魅力があり考えさせられつつも非常に楽しかったひとときでした。
「鳩の撃退法」は世界観に引き込まれたのは確かなのですが私の脳みそでは抱えきれない難しさでしたので、ここでは「竜とそばかすの姫」(以下🐉)について呟いていきます。

まずは感想をひとことで。
「細田監督…(大拍手合掌南無)!!!!!!!」
もうね、「監督ううううう」と叫ばずにはいられませんでした。「時をかける少女」から「未来のミライ」まで細田監督の作品はどれも視聴済みなのですが、やはり細田監督といえば「サマーウォーズ」;電子世界なイメージが強い。🐉では、そのバーチャルリアリティな電子世界が何倍も魅力をアップさせて帰ってきた!という感じです。もう開始5秒で圧巻。監督流石です有難う御座います。

作品の世界観もとにかくチャーミング。
Uという現実とは別世界な場が第二の舞台でありつつも、現実世界とUを行き来するストーリー。Uが存在する🐉の世界はもちろんフィクションですが、ネット社会や親子の関係、学校生活、大人と子ども世代による考え方の違いなど、映画の要所要所に現実世界で深く考えられるべきキーワードが詰まっている気がして完全なるフィクションではないなと感じました。
そのほかの魅力もたくさん。サマーウォーズを思わせる戦闘シーン。現実世界の美しい自然が描かれた背景美術。電子世界ならではのころころと表情を帰るバーチャル背景。多種多様なキャラクター・ASたち。かの有名なアニメーション映画と重なる竜とベルの関係性。耳が幸せすぎるキャスト陣。
そして、今までの細田作品とは異彩を放つ劇中歌。ここからは🐉の劇中歌を通して「歌」について考えたことを綴ってゆきます。


主人公すずのASであるベルが歌姫という設定で、とにかく歌唱シーンが多くて。
その度に耳が、心が、脳みそが幸せの悲鳴をあげていました。映画館って本当に音質が良い。音量は少し大きめだけれど、あのベルさまの歌声をあの音質と迫力で聞けたことが本当に嬉しい。もちろん美しいサウンドトラックも。今も🐉のサントラを聴きながらぱちってるのですが、歌の力って本当に凄まじい。

「歌」について考えている今、私にとって欠かせない一節があります。

(前略)歌には翼があると思う。(中略)歌は翼を広げて、私たちの生の上へと滑り出す。歌がなくて、その翼で生の上へと滑空する瞬間すらもなかったら、私たちの苦しみはどれほど重さを増すだろうか。

「歌の翼」と題されたハン・ガンさんのエッセイを読んでいて目に焼きついた文章です。歌がひとにもたらす感動や心の動きを「翼」で表現している。その点に大きく心が共鳴しました。

私たち人間の歌によって振動する部分(多くの場合「こころ」というんだろうけれど)が木の枝だとしたら、私の心の枝には今までに何十羽もの鳥たちがとまりに来てくれたんだな。ああ、あの子たちはみんな歌の翼を持った鳥だったんだ。
長いことゆっくり休んでいって癒しをくれる鳥もいれば、ふらりと現れてさっと飛び立つ子もいる。どの鳥も私の枝をぽろんと心地よく鳴らし、涼しい季節の風のような安心感をくれる。

ハン・ガンさんの「歌の翼」を読んでから、聴く曲に対してこんなふうに考えるようになった。歌で感動する自分の姿が言語化できて非常に嬉しい。
ここ半年の私の歌鳥ちゃんたちはもっぱらおバンタンさん島から来た子ばかりですが。んふふ。明後日に公開のMy Universeのtesearを何回も繰り返してみては泣きそうになっております。


そうそう、「歌の翼」の私のイメージにぴったりな絵にも出会えた。「琴線に触れる出会い」というやつでしょうか。(「琴線に触れる」の使い方、難しい)

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アーティゾン美術館のコレクション、加藤一さんの「流れの彼方」という作品です。直線が多いのにそれぞれの線がお互いに絡んで混ざって溶け合っているよう。歌の感動もきっとこんな風にいろんな感情が合わさって生まれるんでしょうな。


それではこの辺で。おやすみなさい、お月さま。(トップの写真は朝日です)


【引用】
ハン・ガン(古川綾子訳)「そっと静かに」(株式会社クオン、2018年)


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