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VALISの日常1

筆者注というか前書き:俗に言う二次ヤオイ(ヤマなし、意味なし、オチなし)というやつです。AIのべりすとで極力シリアスにならないようトライ&エラーしながら作りました。AI君、ほっといたらすぐ男を出そうとするんですよ、後オリキャラ。誰やねんルルって…。また、配信等のネタもキャラ設定に入れたのですが使われませんでした。一部のキャラがちょっと不憫ですが仕方ないです。ちなみに勿論、イラストの権利は我らがねこ助様にあります。

深脊界、サーカステント内の楽屋にて。そこにはいつも通りの練習着姿のチノ、ララの姿があった。
チノはララに近寄り、耳元で囁くように話しかける。
ララも小声で返事をした。
「ララ、今日の練習メニューってどんな感じ?」
ララは顎に手を当てて少し考えた後、答えを返した。
「そうね……今日はいつも以上に体力作りに力を入れたいところだけど、どうしようかしら。最近、みんな練習で疲れてるし、あんまり無理させたくないんだけど。まぁ、今日だけ特別にちょっとハードにやる?それとも、もう今日は休んじゃおうかな。私としては、やっぱり今日も普段通りにやっていきたい気持ちはあるけど……でもみんながそれでいいなら、私は構わないわよ」
ララの言葉に、チノは首を傾げた。
……そして、2人でしばらく話し合った結果、今日は普段通りのトレーニングを行うことになった。
まず、柔軟体操から始めることにした。
これはどのスポーツにも共通することだが、体を柔らかくしておくことはパフォーマンスの向上に繋がる。
それに、怪我のリスクを軽減させる効果もあるのだ。
ちなみに、VALISでは毎日この時間に必ず行っている。
ララの指示に従い、メンバーは各々ペアを組んでストレッチを始めた。
1人ずつ交代しながら、背中を押し合ってゆっくりと体を前に倒していく。
その際、痛かったり苦悶の声をあげたりするメンバーもいたが、それでも決して手を抜かず真剣に取り組む姿が印象的だった。
2人はその様子を、壁際で見守っていた。
やがて全員がひととおり終わったところで、ララが再び指示を出す。
今度は、各自で筋トレだ。
基本ブランク、サイドブランクをそれぞれ30秒ずつ行う。
その後、15秒休憩してからまた次の種目へ……といった流れで、計5セットこなす。その後も順調にトレーニングをこなしていき、いよいよ最後の1つであるニートゥーチェストへと差し掛かった頃。
ニナが突然、思い出したかのように呟いた。
彼女は、何かにつけてよく独り言を言う癖があるようだ。
「そうだ、あれをやってみよう!」
ニナはおもむろに立ち上がると、部屋の隅にあるロッカーへと向かった。
扉を開け、中から何やら大きな板のようなものを取り出す。
それは、跳び箱の要領で使うような長方形の台であった。ニナはそれを床に置き、台の端に立つと、その場で軽く飛び跳ね始めた。その動きに合わせて、彼女の頭上の猫耳に付いた鈴がチリンチリンと音を立てる。
5~6回の跳躍の後、ニナはその勢いのまま前方宙返りをして着地する。
そのまま、両手を上に伸ばしながらクルリと回転したり、片足立ちでポーズを決めたりと、まるでバレエダンサーのような軽やかな動きを見せていく。
「出来た!やっぱりチャンニナ可愛い!」
一連の動作を終え、満足そうな表情を浮かべるニナ。
そんな彼女に、ヴィッテが拍手をしながら駆け寄った。
ニナの頭を撫でようと手を伸ばすが、直前で思い留まると慌てて引っ込める。
それからニナの隣に立ち、彼女と同じように台の上に立った。
ニナの真似をするようにピョンと小さく跳ぶと、両腕を広げてくるくると回り出す。
その姿は、さっきまでのニナの動きとどこか似ていた。
だが、決定的に違う点がひとつある。
ヴィッテは、先ほどまでとは比べ物にならないほどのキレのある華麗なステップを踏んでいた。
ニナも思わず見惚れてしまうほどだった。
彼女が舞台の上で踊っているところを想像すると、それだけでワクワクしてくる。
きっと、観客の目にはキラキラとした輝きが映ることだろう。
ニナが興奮気味に感想を述べると、ヴィッテは照れ臭そうに頬を掻いて笑っていた。そこへ、他のメンバーが歩み寄る。
ミューが口を開いた。
どうやら、彼女たちはニナのダンスに感心している様子である。
ミューは、何か閃きを得たのかポンと手を叩いた。
他のメンバーたちに目配せをし、それぞれ顔を見合わせると一斉にこくりと首肯した。
ミューは一歩前に出ると、唐突に歌い出したのである! ……それも、どこかの劇団員のように芝居じみた仕草と大袈裟な台詞つきのミュージカル調の歌唱スタイルである。
しかも、ただ歌うだけでなく、所々に歌詞に合わせた振り付けを入れている。
先程よりも激しく踊り回るミューを見て、ヴィッテたちは唖然としていた。
(……えっと……一体どういう状況?)
あまりの出来事に、思考停止に陥るヴィッテとニナ。
だが、すぐにハッと我に返ると、他の4人もミューに倣って即興の演劇を始める。
ミューの歌と寸劇に触発されたのだろうか、気付けば全員ノリに乗っており、いつの間にか楽しげな雰囲気に包まれていた。
こうして、VALISによる奇妙な音楽会が始まったのである……

数分後。
ようやく歌と演技を終えたVALISの面々とミューは、お互いに向き合い一礼をする。
そして、ヴィッテたちの方を見ると親指を立てて笑顔を見せた。
それを見たヴィッテたちも、ニッコリと微笑み返す。
ミューは、メンバーに近付くと小声で何かを話していた。
その声が聞こえてきたため、耳を傾けてみる。
内容は、先程の歌と寸劇について。
「……うん、なかなか良かったと思うよ」
ネフィが言うと、ミューが嬉しそうにぴょんと飛び上がった。
続いて、ララが口を開く。
彼女は、先程のダンスと歌声を絶賛してくれた。特に、ミューの歌った曲の歌詞が気に入ったらしい。
(……ん? 歌詞ってなんだろ……)
最後に、チノが口元に手を当てながらボソッと呟く。
彼は、先刻のミューのミュージカル風の演技と歌を評価した。ただし、もう少し声量を抑えた方が良いのではないか……とのこと。
「……確かに、ちょっとうるさいかなぁ」とニナは思った。
ミューは、チノの言葉を聞いてショックを受けたように肩を落とす。
しかし、すぐさま立ち直り、胸を張って反論した。
だが……
結局最後は、全員からダメ出しをくらう羽目になったのだった。
「……うぅ……」
項垂れるミューを尻目に、チノはヴィッテに声を掛けた。
チノは先日、ヴィッテから借りたゲームをクリアしたらしく、そのことを報告したいのだという。
チノの話によると、このゲームはストーリー展開が非常に面白く引き込まれたそうだ。そこで、是非とも続編を貸して欲しいとお願いされたのだ。
もちろん断る理由などない。
むしろ、喜んで貸すつもりだ……のだが……。
「……あれは、もう二度とプレイしたくはないんだよねぇ」
苦い記憶を思い出し、思わず顔をしかめる。
あのゲームは、とにかく難易度が高いことで有名なのだ。何度やってもクリアできないので、チノにアドバイスを求められた時は正直困ってしまった。
最終的に、チートコードを使って無理やり突破するハメになってしまったのは、今では良い思い出になっている……のかもしれない。
チノは、首を傾げた。
それから、少し考えた後に質問してきた。ゲームをプレイするコツを教えてほしい……と。
「……う~ん……」
どうしようか迷ったが、チノに嘘をつくわけにもいかない。それに、このままだとチノは諦めずに何度も挑んで来るに違いない。
「……よし」意を決したヴィッテは、覚悟を決めてチノにゲームの攻略法を教えた。
まず、序盤は敵の出現パターンを覚えて回避に専念すべきこと。
中盤以降は、敵の攻撃範囲を把握した上で反撃に転じるタイミングを計るべきこと。
終盤は、回復アイテムの温存が鍵になること。
この3点を簡潔に説明すると、チノは真剣に聞き入っていた。時折メモを取りつつ、頭の中にしっかりと刻み込んでいるようである。
「ふむふむ」
ヴィッテの説明が終わると、今度はミューとララとネフィが前に出てきた。
ミュー曰く、自分たちも一緒にゲームをしてみたいから教えてくれないかと言うこと。
ララに至っては、自分もそのゲームに興味があるから是非やりたい……とのことだった。
なるほど……と納得したヴィッテは、快く了承した。
早速、ミューとララとネフィはゲーム機の準備に取り掛かる。
その間に、ヴィッテはニナに話しかけた。
先日のカラオケでニナが歌った曲の話を聞くと、彼女もまた興味を持ってくれたようだ。
さらに、その曲はどんなものなのか尋ねられる。
ヴィッテは、ニナにスマホを手渡すと動画サイトを開いてもらい、曲を再生してもらうことにした。
すると、流れて来たのは女性の声によるラップミュージックであった。しかも、歌っているのはニナ本人。
突然始まったライブパフォーマンスに、ヴィッテは目を見開いて驚いた。
同時に、周囲の視線が集まる。
だが、ニナは全く気にしていない様子で歌い続けていた。
ちなみに、このミュージックビデオは昨夜遅くに彼女が作ったものである。
今朝、早く起き過ぎた際に暇を持て余した結果、なんとなく作ってみたら思いのほか楽しくなり、つい興に乗って熱唱してしまったのである。……そんな経緯もあって、最初は恥ずかしさがあったものの途中からは完全に吹っ切れてしまったという訳だ。その結果……
曲が終わる頃には、周囲にいたメンバー全員が拍手を送ってくれていた。中には、立ち上がって喜んでいる人もいる。
まさかの反応に、ニナは驚いてしまった。……こんなに注目されるとは思わなかったので、かなり照れ臭い。
一方で、ミューたちは羨ましそうな表情を浮かべていた。
その後、ララが目を輝かせながら、 私も歌ってみたいな……と呟いていた。
彼女の歌は聴いていないものの、想像はつく。
おそらく、ララの歌唱力はメンバーと同等かそれ以上だろう。
もし、ララもアイドルデビューしたなら、たちまち人気者になれるはずだ。だが……それはそれで複雑な気分になるのも事実だった。
なぜなら、VALISのメンバーという、ライバルが増えてしまうことになるからだ。
とはいえ、今は仲間として仲良くしている以上は、その気持ちを押し殺すしかないのだけど。
ヴィッテは、ララに笑顔を向けた。……じゃあ、今度聴かせてね!……と。
ララは一瞬キョトンとした顔になったが、すぐに笑みを浮かべると力強く返事をした。
「任せなさい!私を誰だと思っているの?」

そして……
いよいよ、VALISメンバー6人でのゲーム大会が始まった。
1番手は、ミューから。
ミューの操るキャラクターの名前は"ネコミンたん(仮)"。
その名の通り、猫耳と尻尾を付けた少女キャラであり、語尾に必ずニャンを付けるのが特徴となっている。
ミューは、ゲームが始まると操作説明もそこそこに、いきなりステージへと飛び込んだ。
ミューはこのゲームが初めてなので、当然のことながら手探り状態である。だが、持ち前の負けず嫌いな性格が功を奏し、操作方法を覚えるや否や、あっという間に操作に慣れていった。
そうこうするうちに、最初の関門であるボス戦に突入する。
ミューは、自信満々に戦いに挑むと、華麗な動きで敵の猛攻を回避しつつ攻撃を加えていく。しかし、あと一歩のところで惜しくも倒せなかった。
そこで、ミューはコントローラーを握る手に力を込めた。
「ここで負けたまま終わってたまるかぁ!! 」ミューは、渾身の一撃を敵に叩き込むと見事に撃破することに成功した。
画面には、勝利を告げるメッセージが表示された。やったぜ、とガッツポーズをするミュー。
だが、喜ぶのはまだ早かった。
ミューの操るキャラクターは、体力ゲージがほとんど残っていない状態で次の戦闘に突入したのだ。
ミューは慌ててHPを回復させようとするも、敵の攻撃を受けてしまい、危うく死にかけた。
ミューは、涙目になりながらも必死に堪える。「まだよ、まだまだぁ!!!」
その後も苦戦の連続が続いた。
だが、それでもミューは諦めなかった。
最後の最後まで粘り強く戦うミューの姿には、どこか感動すら覚えた。
やがて、ようやくのことでラスボスを撃破することに成功するミュー。画面ではスタッフロールが流れ始めた。
ミューは、やり切った感に満ちた満足げな顔をしていた。
ミューは、ふぅっと息を吐き、一呼吸置いた後で、 ふっふーん♪と鼻を鳴らした。
どう?これが私の実力なのよ! ミューのドヤ顔を見て、他のメンバーは思わず吹き出してしまう。
ヴィッテは笑い転げる中、ミューは得意げに胸を張っている。
だが、そんな中でもミューはゲームの腕が確かなことは確かだった。
また、操作性もなかなかのもので、初心者にしてはかなりの腕前と言える。
続いて、2番手のネフィが操作するゲームは"コ○ロコネクト キズランダム"。
こちらは、いわゆる恋愛シミュレーションゲームのシリーズ作品に登場する女の子のキャラクターたちが、様々なイベントを通して友情を深めたり恋をしたりといった内容の作品。
ゲームを始めると、ネフィは迷わず主人公を選択した。主人公の名前は、もちろん自分の名前をそのまま使う。
ちなみに、主人公はネフィ自身をモデルにしたオリジナルデザインとなっており、容姿は現実の彼女とほぼ変わらない。
まずは、チュトリアルモードで基本的なシステムについて学んでいく。……ふむふむ、こういう感じなんだ……。
ネフィは、チュートリアルを終えると早速本編のストーリーを進めていく。
ストーリーは、主人公が通う高校を舞台に繰り広げられる学園ラブコメ風の物語になっている。
主人公の女子生徒は、入学したばかりの新入学生。
ところが、ある日の放課後に校内で不思議な出来事に遭遇する。
何と、校舎の屋上に突如現れた謎の穴に吸い込まれてしまったのである。
穴に落ちた先は、見慣れない教室。
そこは、自分が通っているはずの学校とはまるで違う場所であった。
しかも、そこには自分以外の生徒が全員揃っており、さらに奇妙なことに全員が白衣を纏っていた。
ここはどこなのか、なぜここに来たのか、そもそも彼らは一体誰なのか……。
そんな疑問を抱く主人公たちだったが、彼らもまたこの世界に迷い込んでしまったばかりだということを知る。
その後、主人公たちは偶然にも一緒に行動することになる。
そして、お互いに自己紹介をする中で少しずつ打ち解けていき、お互いの素性を知ると共に絆を深めるのである。……こうして見ると、本当にそっくりだな……。
ふと、ヴィッテは思った。……これって私たちじゃないのかな、と。
ヴィッテは改めて自分たちを見つめ直した。
今の私たちはまさにゲームの中の人物と同じく最初は衝突こそしたものの、ここまで仲良くなれたわけだし……。
それにしても、みんな個性的だよねぇ。私も含めて。
ネフィは、ふむふむと納得した様子を見せている。
ミューは、さっきの仕返しと言わんばかりのドヤ顔を見せた。
ララは苦笑した。
ニナは、にっこりと微笑んだ。
チノは、相変わらず無表情のままじっと見据えていた。
すると突然、ララとヴィッテのお腹からぐ~と音が鳴った。
2人は恥ずかしそうな顔を見せる。……あちゃー、もうこんな時間かぁー!ララとお昼ご飯食べ損ねたからおなかペッコリだよぉー!
ヴィッテは、困り果てたような顔で頭を掻く。
チノは、時計に目をやる。
今は12時50分。
お昼休みの時間まで残り10分。……そろそろ時間か。
ララとヴィッテも時間に気付いたようだ。チノは、ララとヴィッテに声を掛けた。
「今から買い物に行くけど、ララとヴィッテも来るかい?」
二人は、大きく首を縦に振った。
それじゃあ、行こうか。
チノたちは、3人でスーパーへと向かうことにした。
街中を歩いていると、他のメンバーたちも同じように歩いてきた。
「……ふむ、みんなお腹が空いたわけね。ちょうど良かった、これからみんなでお出かけするところなんだけど、あなたたち3人もどう?」
ミューとネフィ、そしてニナは、快く承諾した。
それから程なくして、6人のメンバーは大型ショッピングモールへと到着した。
ここには、食品売り場や洋服店などあらゆるジャンルのお店が軒を連ねている。一同は、ひとまずフードコートへ向かうことになった。
途中、ヴィッテは辺りをキョロキョロしながら歩き回っている。
「……あれれ、みんなどこに行っちゃったのー!?」どうやらはぐれたようだ
ふと、ララは立ち止まると、ニナに尋ねる。
「ねえ、ニナ。そういえば、みんなは何を買いに行ったの? 」
「えーと、それは……」
ふと、ニナは気付く。
「……あっ、私もみんなもお財布持ってきてないじゃん!! 」
ニナは慌てて引き返して行った。
「ニナ、忘れ物しすぎだよー!!全くもー!!」ニナは、ララの元へ戻ると、ごめんなさいと頭を下げた。
結局、全員分の昼食代は合流したヴィッテが支払ってくれることになった。
一方、その頃……。
店内にて。

チノとミューは、カートを押しながら食料品コーナーへ向かっていた。
「……ふむ、今日の晩御飯はこれにしよう」
チノが手に取ったのは、特売品のスパゲティだった。
チノは、ナポリタンの材料を次々とカゴの中へ入れていく。
次に、ミューはデザートコーナーで足を止める。
スイーツのコーナーには、たくさんの種類のケーキやシュークリームなどが並べられており、どれも美味しそうだ。
ミューは、しばらく商品を見て回ると、イチゴのショートケーキを手に取る。
最後に、ネフィとご飯を食べ終えたヴィッテは惣菜コーナーで夕食用のおかずを選んでいる。
ヴィッテは、お弁当の陳列棚の前で考え込む。
「お、お、お、お……」
ヴィッテは、とあるメニューに目を奪われる。
お寿司セット……お魚いっぱい食べられるかも……
よし、今日はこれで決まりだぁーっっ!!! ヴィッテは、お寿司のパックを両手で抱えると、嬉々としてレジへ向かった。
一方、ララは野菜コーナーにいた。
ララは、トマト、キュウリ、レタス、ニンジンなどの新鮮な夏野菜をいくつか選ぶと、自分の籠の中に入れた。
続いて、お菓子の売場に向かうと、ルルちゃん人形のキーホルダーが付いたチョコを2つ選んで買う。
ララは、満足げな笑顔を浮かべると、会計に向かった。……しかし、ここで問題が発生する。
お金がないのだ。
というのも、つい先ほどまで所持金を確認していなかったために、自分がいくら持っているのか分からないのである。
店員さんに事情を説明すると、彼女はニッコリと笑って言った。「大丈夫ですよ、お客様の分は別のお客様が払いましたので」
「……ヴィッテか。申し訳ないわね」
こうして、無事支払いを終えると、一行は帰宅したのであった。
6人が家に着く頃にはすっかり日が落ちていて、空も暗くなっていた。
早速、食事の準備に取り掛かると、ミューとネフィは食器の用意をし、ニナは冷蔵庫の中からサラダを取り出した。
しばらくして、テーブルの上には、様々な料理が並ぶ。どれもこれも、ミューが調理したものだ。
ジューシーな唐揚げに、ふわふわのオムライス、色鮮やかなナポリタンに、アツアツの豚汁。勿論、ヴィッテが買ってきた寿司もある。
ララは、みんなを呼び寄せる。
「いただきまーす!」みんな一斉に手を合わせると、それぞれ箸を取り始めた。
「みんなで食べるご飯っておいしいよねーっっ。」
ヴィッテは、満面の笑みで食事を頬張っている。
一方、ミューは黙々と食べ続けている。
そんな彼女の隣では、ララが一心不乱に食べ続けていた。
「……ふむ、やっぱりミューの作る料理は最高ねぇ! 」
ララは、ふと何かを思い出したかのように手を止めた。
すると、ネフィはニヤリと笑いながらララに問いかける。
「あら、ララ。もしかして、思い出したの?」
「……うん」
「ふふ、ララは食いしん坊さんだね」
ヴィッテがララに笑いかける。
「ち、違うわよ!!」
ララは、顔を真っ赤にして反論する。
「だって、みんなで食べた方が楽しいじゃない」ララは、少し照れたように言うと、再び料理を食べ始める。
「ふふ、確かにそうかもしれないわねぇ。」
ミューは深く頷く。
「あははー、ホントだよねぇー」
「……私も同感」
「私もー!」
ニナ、チノ、ネフィも同意する。
「みんなでごはんを食べると、あったかい気持ちになるのー!」ヴィッテがオムライスを頬張る。
「ふむ、みんなとなら何度でも」
「みんなと一緒にお買い物とか行きたいねぇー」
「ふむ、みんなで行くとさらに楽しさが増す」
「みんなで旅行に行きたいわ」
「ふむ、みんなで」
「みんなで行ったらきっと面白いわぁー」
ララが呟くと、ヴィッテが答える。
「じゃあさ、みんなで行こうよー」
「ふむ、賛成」
「いいねぇー」
「ふふ、楽しみ」
「みんなで行けば絶対楽しめると思うの」
「ふむ、みんなで行くと」
「みんなで行っても、みんなで帰ってこられるわ」
「ふむ、みんなと」
「みんながいれば何も怖くない」
「ふむ、」
「みんなと」
「みんなで」
「みんなで」
「みんなで」
『ふぅ~……』
おなかいっぱいになったようだ。

―――完

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