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具体と抽象を往復する。

今回は、具体と抽象の往復をするって重要なスキルだよねって話をしたいと思います。

まず最初に言葉の定義です。
具体:形・何か形や姿内容を備えており直接的に認知されるもの。
例えば、「りんご、いちご、メロン」というのは具体です。
抽象:多くの物や事柄や具体的な概念から、それらの範囲の全部に共通な属性を抜き出し、これを一般的な概念としてとらえること。
先の例に対比すると「くだもの」というのが抽象です。

この具体と抽象という概念は、ビジネスの世界でも日常的に使われます。
例えば、「掃除機を売る」というミッションを任せている場合、何か施策を打って掃除機の販売数や売上を上げる必要がありますが、どのように検討を進めていくでしょうか?
おそらくこれまで自社で行った施策や他社で展開されている施策、もしくは別の業界でうまくいっている施策を調べていくのではないでしょうか。
これはまさに具体の側面です。
そして、それらの施策と売上データを並べて、うまくいった施策とうまくいかなかった施策にグルーピングし、良い施策の共通点を探す場合、これが抽象の側面です。
具体の共通点やつながりを見つけ出し、一般的なものへ戻すというステップが「抽象化」なんですね。
そしてまた、具体に戻します。
では自社ではどのような施策を打てばいいのか?
こんな感じで、具体と抽象を往復することで、成功の可能性の高い施策が生み出されます。

この往復ができるかできないかで、パフォーマンスに大きな差が出ます。
例えば、他店がやっている施策を見て、「あれはうちでは使えないや。」と諦めるのか、その施策のポイントをうまく自社で転用できるか、の違いになります。
このような「抽象化スキル」は、本質をつかむスキルともいわれ、情報取得コストが下がった現代において特に必要とされています。

具体と抽象を往復するには、抽象から具体へと向かう「具体化力」と、反対の「抽象化力」があります。
具体化力は、ある種アイデア出しのようなものです。会話の中で「具体的には?」と尋ねられて答える場面はよくありますよね。
一方、「抽象化力」は、具体化力よりも少し難易度が上がります。
「具体的には?」という問いはよく聞きますが、「抽象的には?」ってあまり聞かないですもんね。言い方を換えると、「つまりそれはどういうこと?」「どういうことが言える?」ということになります。

抽象化のポイントは、目に見えない共通点を探しにいくことだといわれます。
この力を鍛えるためには、目に入った2つのものをランダムにピックアップし、それらに共通する特徴を見つけるというものです。
SHOWROOMの前田祐二さんがやっている思考トレーニング法に、「抽象化ゲーム」というものがあります。
このゲームは、一見関係なさそうな事柄を抽象化することによって共通点を見つけるというもので、「AはBである」と言う形のお題を出し、Bから抽象的な要素を抜き出してAとの共通点を考えるという思考ゲームです。
【例】
「人生ってペンケースだよね」
ペンケースって
1)大きさによって入れるものが変わる
2)何を入れるかでできることが変わる
3)大きさも入れるものも自分で選べる
だから人生ってペンケースだよね。
みたいな感じです。

このように、具体と抽象を往復することによって、物事をズームで見たり引きで見たりすることができるため、物事の整理だけに留まらず、アイデアの展開や問題解決、仮説立案も上手くなっていきます。
また、人に何かを説明する際に、構造と具体例のセットで説明ができるようになるため、とてもわかりやすい説明ができます。
ぜひ磨いていきたいスキルですね。

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