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彫金との出会い

彫金との出会いは23〜4歳のころ、通っていた某デザイン専門学校の放課後のクラブでした。

そのクラブはまだ発足されたばかりでメンバーも少なく、活動内容は彫金やレザークラフトといったものでした。

ぼくは当時、このデザイン専門学校を卒業していましたが、たまに遊びに訪れていたのでそのクラブの存在を知り、おもしろそうだし興味が湧いたので顔を出していました。

そのクラブには専門の知識や経験のある人がいなかったので、メンバーの5〜6人で試行錯誤しながらおもいおもいに作品づくりしていました。

そうして、見事に彫金の魅力にハマりました。


ガンプラブーム真っ只中にあったぼくの幼少期はプラモデルづくりとともにあったと言っても過言ではありません。

近所の模型店には、改造されたガンプラのジオラマがショーウィンドウに飾られており、それをじぃ〜っと眺め観察しては、「自分でも作ってみたい」と気持ちをかき立てられ、親にねだって買ってもらってました。

小遣いをもらえるようになり自分で買えるようになってからは少しづつ改造するようにもなり、このあたりから ものづくり のもう一段深いところにある楽しさを感じるようになりました。

ガンプラづくりがベースにあったおかげか、彫金にはすんなりと入っていけました。

荒目・中目・細目のヤスリを買い揃え、サンドペーパーはガンプラづくりで使っていた#400・#600・#1000をそのまま使い、新たに#2000を買い足し、仕上げにはウィノールというペースト状のコンパウンドを使ってピカピカに仕上げては悦に入っておりました。

自分の作品も徐々に増えていき、その中の自信作を持ってシルバーアクセサリー店へ見せに行ったりもしてました。

振り返ってみると、なんの変哲もないオーバーレイのリングでしたが、情熱だけは並々ならぬものでしたのでまわりも自分も見えておりませんでした(笑


そんなことをしていたある日、老舗の某有名シルバーアクセサリーブランドが従業員を募集していたらしく、専門学校の職員の方がぼくを推薦してくれたのでした。

その職員の方とぼくとはほとんど接点はなかったのですが、それでも推してもらえたのはぼくがいろいろと動いていてそのことが目に留まったからだろうと思います。

これもなにかの 縁 です。

面接のためにはじめて工房へ赴いたとき、緊張しながら扉を開けた瞬間、鼻から入った初めて嗅ぐ独特のニオイが全身を駆け巡って気分が高揚したことを20年以上経った今でもはっきり覚えています。

そして、採用していただき、ここから、いろんないいこともよくないことも待ち受ける彫金人生の幕が開けたのでした。

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