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鬼怒川にて~グリュパン旅行記~

Vol.1(出発準備編)

①旅の始まり

白樺派の文豪、志賀直哉は兵庫の城崎温泉に療養のために訪れ、現地で「城崎にて」という短編を書いた。内容としては、病気がちだった志賀が、城崎で目にした様々な生物の生きる様を見つめる中で、死についての考え方を少しずつ変えていくような、そんな内容だったと思う。

そして、私グリュエル・パン太は、鬼怒川にこもることにした。と言っても二泊三日だけだが。

新しく始めたバイト先のシフトが入るだろうと思い、今週は特に予定を入れていなかったのだが、来週からしかバイトが入らないことが発覚し、大学に入って初めての4連休を獲得したのだ。そんなん、出かけないわけにはいかんやん。

とはいうものの、わたくしグリュパン、卒論に常に追いかけられている身でして、どこに行っても右肩の後ろから卒論先生が顔をのぞかせてくる生活をかれこれ2カ月続けているのだ。旅行先にも当然連れて行かなければならない。

大学生にしてはあり得ないくらい忙しい日々を生きてきたと思う。とにもかくにも働く事が大好きなのだ。たまには休めよ、と友人や恋人にも言われるものだが、休もうにも体がいう事を聞いてくれない。珍しく一日休みが取れたとしても、気がついたらお気に入りの服を着て、髪をセットし、一人でドライブする、ないしは少し離れたカフェに行く。(当然最近は卒論君もついてくる。) 同じ場所にじっとしているのが、どうも苦手なのだ。

②行先選び

でも、まあ、来年から社会人なのでゆっくりする時間も必要だろう、と思い以下の条件で旅行先を探した。
① 温泉がある。(リラックスのため)
② 自然がある。
③ 景勝地はあるものの、見切れない!というほどの量は無い

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(九州生まれの僕のベスト温泉:湯布院温泉)

そんな中でヒットしたのが今回行くことにした「鬼怒川温泉」である。写真から薫る圧倒的昭和臭さ、佐賀生まれの僕からしたら香ばしさしかなかった。

他の候補としては湯河原・箱根方面、鴨川方面などもあったのだが、箱根は約束があるし、海より山が好きなので、しかも新宿から電車で一本と言う圧倒的アクセスのよさで鬼怒川が圧勝した。

③宿選び

そんなわけで宿を探す。せっかくなら温泉がちゃんとしているところがいい。できればご飯も美味しくて。

紅葉が始まる少し前だからか、相場はかなり安い方だった。大江戸温泉物語系列の「鬼怒川観光ホテル」が1泊2食付きで1万ちょいで泊まれそうだったので即決した。なんと、鬼怒川には大江戸温泉物語系列の宿が2棟あり、片方に泊まればもう一つの温泉にも無料で入れる、とのことで2泊する僕には非常に都合がよかった。

電車は、JRのえきねっとで取ると30%引きで2900円だった。安い。安いは正義。ちなみに、コロナになってから貯金が爆増した系大学生なので、経済を回すために観光地ではできる限り正しく消費活動をすることを心掛けている。いい場所が感染症のせいで廃れて行くのは、本当に見るに堪えないのだ。

鬼怒川行きのえきねっとはこちら:https://www.jreast.co.jp/travel/nikko/

鬼怒川温泉と言えば「ライン下り」という事だったので、電話で予約を入れる。「何名様ですか?」「一人です」「え?」「一人です!」すまんな、一人です。

ライン下りのサイトはこちら: https://linekudari.com/

ここまでの予約が終わったのが出発前日の21:00。何かあった時のために母親にLINEで行先と泊まるホテルの名前を伝え、急いで荷物の準備を終わらせ、寝ることにした。

(vol.2に続きます)


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