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今の自分で、今いる場所から、試みる

最近この本が気になって、読んでみたのです。

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そうしたら。腑に落ちる落ちる……。

「苦手を克服しようとするがんばり」VS「得意を活かすがんばり」について書かれていたところで、心がしん、としました。

一番たまげたのが、次の一文。

「仕事は本来、自分を幸せにしてくれるもの。繊細さんが自然体で、肩の力を抜いて実力を発揮できる仕事が世の中にあります」

読んだとき思わず声が出て、「ええええ、これ、本当~~?」と言ってしまった。。信じがたかった。

続いて、「自分に鞭打つようなストレスフルながんばりはあくまで『期間限定』にしてください。自分に鞭打つがんばりが長期間続いているのなら『何かがおかしい』と疑問を持たねばなりません」とあって、息が止まる思いでした。

私は初対面の人と会うのが苦手。大人数の場が苦手。人前で話したりするのが苦手。一見そんなふうに見えないらしいのだけれど、これらを乗り越えるのが難しくて、人生で本当にこころから仕事としてやっていきたいと思ったことを手放すというか、保留してきたところがあります。

ずっと、かすかな希望は持っていたんです――だんだんと自分が変化していって、年齢を重ねていけば、対人面での困難も大丈夫になっていくだろうと。ときどき、ささやかな規模で勇気を出してみることを自分に促したりもしました。

生木の木工=グリーンウッドワークについても、これを人と共有することをいつか仕事にしていきたいという夢があって、ゆっくりながら技術を身に付ける努力を重ねてきたのだけれど、でも自分が教わってきたような形でワークショップや講座をすることを考えがえると、初対面の人が怖い、少人数でしかできそうもないなど、やっぱり同じ壁が立ちはだかっていました。

それでも勇気を出して、「やります」と手を挙げて、スタートまでの準備を始めましたが、ほかのグリーンウッドワーカーの皆さんと同じようにはできそうもない自分が明らかになるばかりで。

皆さんと同じようにできそうもない。けど、できるようにならないといけない、という葛藤。。

そうやって葛藤の中で「苦手の克服にがんばって」きました。苦手は克服しないと、という想いが常にあった。苦手を避けていくことは自分を甘やかすだけで、まっとうな道ではないと思っていました。

がんばりの方向性を変えてみる?

でも体質・気質というものが誰しもあるのに、外のスタンダードに合わせてそれらを「だめだ」と判断してがんばって乗り越えようとするのは、がんばりの方向性が違ってたのかもしれないわけなのですね。。

自分を否定して、どうにかしよう、どうにか変わろうとするバトルは、いつも必ず敗北に終わる――じつは、ここ数年、本当にこれをしみじみと実感していました。

ひとしきり工夫してやりくりしてどうにかなる、というのもあるけれど、それは一過性で、無理が出てしまう。むしろ、好きなところもどうにかしたいところも、ありとあらゆる自分を疎外しないで全部「ここにいていいよ」と受け入れることから始めれば、おのずと今の身の丈にあったテンポとサイズの変化が瞬間瞬間に訪れてくること。。これは実際に体験してきていました。

どうにかしようとするひたむきな努力もすてきだと思うのですが。ありのままの自分と一緒にいて、自分が自分でいることに安らいでいられることの、有機的で静かな力強さを知ったというか。。

もうひとつ、あらゆる変化は「自分の中」で起こるのでなくて、まわりとの「関りの中」で起こるんだ、と深々と気づいて以来、「現場にいること」の大切さを思うようにもなり。。

改めて、現場にいること=グリーンウッドワークを人と共有すること、を始めるうえで、苦手を克服しようとがんばるのでなく、無理しすぎずに得意を生かしてやっていくことってできるのかな、と考えてみることにしました。

得意を活かす自分なりのやり方、あるかな?

グリーンウッドワークにおいて、自分はどんなところが得意かな?好きかな?と考えていくと……

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a. 小さいものをチマチマつくること
b. 木の個性と対話しながらひらめきに応じてものを形づくっていくこと
c. 自然の中で削ること
d. 身の回りの生木(剪定枝、風倒木など)との出会いを大切にして、ご縁のあった木々を知っていくこと
e. 大掛かりな道具なしに、編み物するみたいに気軽に削り始めること
f. 時間をかけて、繊細に削ること
g. 静かにゆったり削る時間を楽しむこと
h. アクシデントなどがあって思い描いていた形とは違う形にしなきゃならないとき、その違う形が現れてくる過程を信頼して味わうこと
i. いろんなナイフグリップを取り混ぜて削ること
j. サンドペーパーなしで仕上げ削りをすること

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これらをベースに考えていくと、具体的なアイデアが出てきました。

肝心の対人面については、苦手を克服しようとしないでいくなら、一度に対応するのはおひとり(一組)ずつにしたらいいと思いました。少人数制はコロナの時代にもちょうどフィットするし……。

人と長時間接していると(楽しい時間であっても)刺激過多になって後でヘロヘロになってしまうことについては、必ず前後に休みの日を入れること&毎月一定の日数以上の予定を入れないことで対応すること。

いろんなリスクを考えて不安だらけになってしまうことについては、一個一個のリスクについて具体策を。ケガ対策として救急箱を用意するとか、傷害保険に入るとか。基本的に女性の方を対象にするとか。

というわけで、今いる場所から、試みる

とりあえず、今の自分のままで、今いる場所から、やれそうなやり方をまとめてみて、「ぐり と グリーンウッドワーク」として木削りの体験共有の場をこんなふうに開いてみます、とお知らせページをつくってみました⇩

「無理してがんばらない」というテーマにぴったり合う、アレクサンダー・テクニークのレッスンとのコラボを石井ゆりこさんが提案してくださったので、アレクサンダー・レッスン付きのオプションも設けてみました。

今しばらくは、どれだけ自分が無理なくやれるかを観察して、やってみながら軌道修正を重ねて行こうと思っています。

「自然体で、肩の力を抜いて」幸せにできる仕事にたどり着ける可能性がほんとうにあるのなら。。。そのためには苦手を克服しようすることとは逆の勇気が必要みたいなので、とにかく無理してでもがんばることで乗り切るというこれまでのデフォルト行動をしないこと、そして自分の身の丈にあう、気持ちよくやれることをして、穏やかさと安心と安全を優先することに勇気を注いでみようと思っています。

人並にやろうとすることを手放して。。自分がのびのびといられるやり方でやってみても成り立つのかどうか。。実験精神でみていきたいです。

こんなわたしのところでのグリーンウッドワーク体験に、興味とご都合がもし合致するようでしたら、よかったらいらしてください😊

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ぐり と グリーンウッドワーク:https://guritogreen.com/













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