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グアテマラの森とつながる、コルローズ(彫り込み模様)

コルローズという、木製品に手彫りで模様を入れるやり方があります。

海外では緻密なパターンをたくさん描くような感じでなさる方がいてすごいなーと思いつつ眺めています。。

△コルローズの達人、アダム・ホーカーさんによる、コルローズの教則動画。

私はまだ及び腰で。。ほんの小さな模様を入れて、悦に入っています。

小さなワンポイント模様でも、入るとかわいい。。。!まだぜんぜんへたっぴですが、でも気にせずやってみています😊

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コルローズは、原理としては、つるすべに仕上げた表面に、鋭利なナイフの先っちょで模様を刻み、その刻まれた窪みに「細かいコーヒー粉+乾性油」のブレンドを入れ込んで、色付けするというもの。そうすると焦げ茶色の線が浮かび上がります。そのあと上からボタンようなものでこすって、表面を均して艶を出します。最後に全体に乾性油を塗って塗装仕上げにしてできあがり。

上の動画のアダム・ホーカーさんによると、色付けにはコーヒー粉のほかに、炭を粉状にしたものやシナモンの粉なども使えるそうです。

わたしも最初は細挽きのコーヒー粉を使ってみましたが、今はマヤナッツの粉(深煎り)を使うのが気に入っています!

マヤナッツというのは、グアテマラなど中南米の森に自生する、「ラモン」という木の実。

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△ラモンの大木と、その木の実(画像は2点ともグアテマヤHPより許可を得て転載)

私が使っているのは、自然落下した天然のラモンの木の実を、グアテマラの女性生産者グループの皆さんが乾燥させ、焙煎し、粉にしたもの。「マヤナッツ コーヒー風」(深煎りバージョン)、「マヤナッツパウダー」(浅煎りバージョン)という名前でフェアトレードで輸入されているものです。

マヤナッツコーヒー風   100g-200x300

△深煎りバージョンの「マヤナッツ コーヒー風」(グアテマヤHPより許可を得て転載)。

深煎りバージョンの「マヤナッツ コーヒー風」は、かなり濃いこげ茶色の粉なので、コルローズにぴったり。粒子がたいへんに細かいので、すり鉢ですったりせずにそのまま使えます。ナイフで刻んだ細い線に、粒子がとてもよく入ってくれます。

■コルローズにマヤナッツを使うことのよろこび

深煎りの「マヤナッツ コーヒー風」は、お湯で溶くと、コーヒー風の飲み物になります(煮立てると、さらにおいしい)。コーヒーっぽいものが飲みたいけどカフェインは取りたくない、というときに重宝します。

カフェインのようにギンとなるのでなく、穏やかにくつろいだ気分になるんです。(夜寝付けないときに飲むと、眠りに入りやすくなるという説も)。カフェオレっぽく、牛乳や豆乳を混ぜて飲むのも美味。

浅煎りのほうの「マヤナッツパウダー」も、同じようにお湯で煮たてて飲んだり(深煎りよりもやさしい味)、料理やお菓子に混ぜて楽しめます。わたしは毎朝、オートミールにひと匙まぜて食べています。風味が出ておいしくなります😊

スパイス的に料理にふりかけてもおいしいし、炒め物をするときひとふり振り入れて炒めたり。必須アミノ酸を多く含んでいるせいか、コクが出るんです。

そしてこれはどうやらわたしの主観だけではないらしいんですけども、どうもマヤナッツを常用していると、だんだん幸せ度が上がっていくみたいです。。なにがあってもほのかに上機嫌でいられるように、だんだんなっていくような感触があります。ふしぎなんだけど!

なので、彫り込み模様にマヤナッツで色付けしたカトラリーは、わたしにとってはちょっとした幸せのお守り、という感じもあります😊

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△彫り込んだ文字にマヤナッツの粉で色付けをした、ジャムすくい。

まあ、実際に”幸せ作用”があってもなくても、マヤナッツ自体は、かつて飢饉のときにこの実だけを食べて数カ月過ごした人々が、飢饉前よりも健康状態がよくなっちゃった、という研究結果も出ているほどの完全栄養食だそうで、成分も解析されていて、栄養面でもトリプトファンを多く含むなど実力があることがわかっています。

古代マヤの人びとも、この実を好んで食べていたそうです。

そして。。。なにより一番嬉しいのは、グアテマラの現地の人がこのマヤナッツの木(ラモンの木)の生えている森と共存していけるよう応援することが、ひいては、この森を守ることにつながっている、ということ。。!

というのも、グアテマラの森には、現地の人の手から引き渡され、焼き払われ、輸出用の肉牛を育てる牧場に変えられてきてしまったところが、だいぶんあるからです。

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△燃やされていくグアテマラの森(グアテマヤHPより許可を得て転載)

グアテマラの人が食べるわけではない肉のために、古代マヤから受け継がれた森が燃やされていく――。マヤナッツのフェアトレードを日本で立ち上げた大田美保さんは、まさにその現場を目にして、絶望的な気持ちになったといいます。

それ以前に、グアテマラの太古の森に魅せられ、その森を守るための活動をしたいという想いから、すでにたったひとりで「ティエラマドレ(=母なる大地)プロジェクト」というNGOを立ち上げていた彼女。燃やされる森を見て、この現状を伝えようと、日本各地でお話し会を始めたのでした。

わたしが彼女に最初に会ったのは、そうしたお話し会の1つ。会がほぼお開きなる頃に、彼女がおずおずと、「これ、飲んでみてもらえる?」と褐色のふしぎな飲み物を出してくれた、それが、まだフェアトレードを始める前のマヤナッツでした。

森を守りたい一心だった彼女は、あるときグアテマラでマヤナッツの焙煎・製粉作業を行っていた小さな女性生産者グループと出会い、これを日本に、世界に広めていくことが森を守ることにつながる!と直感したものの。。。果たして日本の人がおいしいと感じるのかどうか、日本に輸入して売れるのかどうか、フェアトレードするといってもそもそも輸入とはどうやってやるのか、などなど、はじめはすべて謎だらけで、すべてが手探り状態でした。

彼女の話を聞いて「これはなんとか応援したい!」と思った面々が、その謎ときのプロセスに併走することになり(彼女と同じくらい輸入のことも販売のことも無知な面々だったわけですが💦)、私もそこに参加させてもらったことがきっかけで、美保ちゃんとの長いご縁をいただいて、今に至ります。

美保ちゃんが勇気を出して起業し、マヤナッツの輸入卸販売をスタートして、はや12年が経ちました。

あれから今日まで、未知に挑み続けて、勇気ある小さな一歩を積み重ね続けて、わからないことは聞き、足りないところは助けを求めながら、少しずついろんなことを成し遂げていった美保ちゃん。マヤナッツはずいぶん広く浸透してきたし、美保ちゃんは、いまやいろんな方面でみんなの力になっています。

彼女の歩みをずっと見てきましたが、ほんとうにすごいなあ、といつも思います。

同時に、友達として、おっちょこちょいなところとしっかり者なところ、弱気なところと果敢なところのなんとも言えないバランスや、はっちゃけるときの朗らかな笑い声に、いつも楽しませてもらっています😊 彼女の広いやさしさの心は、日々の端々に表れるんですが、そういう瞬間に居合わせるのも幸せ。

美保ちゃんがずっとぶれずにここまで来た原動力は、グアテマラの森を愛する気持ちだったわけですが、美保ちゃんは森に愛されてきたんだなあ、とも思います。その絆をこうして感じ取れるのが、うれしいです。

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△グアテマラの森(画像はグアテマヤHPより許可を得て転載)

豊かなグアテマラの森、わたしもいつか行ってみたいです。。まだ行ったことのない森とのつながりを感じつつ、これからもコルローズの色付けにはマヤナッツを使っていこうと思います。。♡ 

マヤナッツについて、さらに詳しくはこちらへー↓

P.S. 粉の状態のマヤナッツだけでなく、マヤナッツを使ったグラノーラやエナジーバー、クッキー、各種のドリンクミックスもあります。個人的なおすすめは、「マヤナッツ エナジーチャンク」! 山歩きやピクニックのお供に最高です。

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ぐり と グリーンウッドワーク:https://guritogreen.com/



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