剪定枝でスプーンをつくると、不思議と満足感がある
ぐりとグリーンウッドワークなのに、グリーンウッドワーク関連の話が少なすぎるこの頃です。。
なので今日はひさびさに、グリーンウッドワークのことをば。
わたしが今メインでやっているのは、剪定枝などの枝を使う「小さなグリーンウッドワーク」です。おおげさにならずに、暮らしの中でわりと気軽に実践できる、自分の身の丈にあった木削りだなあと思っています。
そして一見するとただの枝(という言い方もなんだか枝に失礼ですが💦)なものが、スプーンになると、なぜか毎回すごく満足感があるのです。何度やっても。。。
で、機会があれば、いろんな枝を削ってみたい、と日々思っているわけなのですが、先日、「前に(な)ちゃん、エゴノキが好きっていってたでしょう」と覚えていてくれたともだちが、彼女のご近所のカフェの前にあったエゴノキが剪定されたときの枝をわざわざ引き取りに行ってくれて、それを持参して遊びに来てくれました😊
エゴノキは、もっちりした気持ちいい削り心地で、すごくしなやかさがあるので薄く仕上げても割れにくいという、魅力あふれる木です。
うれしくて、「お礼にスプーンを削るよ、どんなのがいい?」と聞いたら「カレースプーン的なの」ということだったので、削ってみました。
△まず斧で半割にして、樹皮を少し落としたところに、ちょっぴり大きめに墨付け。
△さじ面の両肩の上に鋸で切れ目をいれて、ブッシュクラフト用に以前買ったMOLAナイフ「コンパニオン」を上から木口に当てて木槌でトントンし(ブッシュクラフトでいう「バトニング」)、柄の両脇を割り落とし。
(カービングナイフでバトニングしてもいいと思うのですけど、カービングナイフの刃先にはなるべく大きな負荷をかけたくなくて、ブッシュクラフトナイフでしています。
柄の両脇は、ざくざくと斧ではつり落としてしまうこともできますが、そうすると全部削りくずになってしまうので、端材を確保できるところは確保したくてバトニングで割り落としています。)
△次は、スプーンの墨線ぎりぎりまで、斧で攻める。
△そして側面から見たカーブも斧ではつって成形。
△斧を置き、今度はナイフワーク。まずフックナイフでさじ面くぼみを彫って。。
△ストレートのカービングナイフに持ち替えてほかの部分を整えて。
△今回柄の先っぽに「♡」型の穴を開けてみた(手回しドリルで4㎜の穴を2つ並べて開けて、ストレートナイフの先端でハート形にいなるよう広げて)。
△ここまでで使った道具たち。左のが手回しドリル。お気に入りの道具です。
ここまで終わったら、布にくるんで、今の季節なら4日くらい置いて、ゆっくり乾燥させます。さて今日は同時に。。
△柄の両側部分を割り落としたときの端材で、ミニスプンをつくります。
△同じような工程で。さじ面はアシンメトリー。柄は樹皮付きデザインにしてみた。樹皮部分は最後にボタンなどの何か固いもので上からよくこすって、密着度を高めつつ艶を出します。
乾燥したら。。。仕上げ削り
十分乾燥した頃に、布から出して、仕上げ削り。
サンドペーパーを使わずに、よく砥ぎあげたナイフでツヤピカになるように仕上げていくという作業は、ほんとうに木に繊細に耳を澄ますことが必須。好きな時間です。
まずはフックナイフで、さじ面をツヤピカに削る。。木目の流れやさじ面のカーブを考慮して削りの方向を随時変えながら、どの方向から刃をいれるとツヤピカになるかを見つけていきます。
次はストレートナイフで、さじ面以外の全体も、乾燥過程で膨らんだ表面の繊維のデコボコを、薄ーくスパッと削り落としてツルツルに。。これも刃を入れる方向をきめ細かく観察しつつの繊細な作業。ねこの毛を逆立てずに撫でられる方向を見極めつつ撫でる、みたいな。
△今の自分的に「これでよしかな」と思うくらいのツヤツヤ具合とフォルムになるまで、じっくり仕上げ削りします。
△▽次は、えごま油を、30分~1時間おきに3回塗布してオイル仕上げ。
△1週間以上置いてえごま油を乾かします。
オイルが乾いたあと、最後の一工程があるんですが、これは最近実験的にやってみてることなので、また改めて書こうとおもいます。。
こんな感じで、枝からスプーンが生まれます😊
枝の状態によって、いろいろアクシデントも多々あるけど、それもまた魅力で、グリーンウッドワークには、なんでも思い通りにならない愉しさがあります✨
今回も、ミニスプンのほうは、さじ面をアシンメトリーにしようと最初から思ってたわけでなはなくて、端材の形状によって、そうなりました。
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🌼スプーンづくりを体験してみたい方、女性限定になってしまいますが、よかったらどうぞ。湘南(江ノ電沿線)でやっています。お天気次第では、海を見がてら浜で削ったりも。。詳細は▷「枝から始める」小さなグリーンウッドワーク
ぐりとグリーンウッドワーク:guritogreen.com
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