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トルティーヤプレスをつくって、おうちでトルティーヤづくり!

前回はグリーンウッドワークではない、乾いた木材からの表札づくりのお話でしたが、乾いた木材からのものづくりといえば、まだこちらで書いてなかったのが、トルティーヤプレス機です。

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コロナな時代になってしまう直前に、「死ぬまでに行きたい」と相方が行っていたメキシコに、思い切って旅したのが1年前。

そしてオアハカに滞在中、現地の言葉もまともに話せないのに、スペイン人到来前の伝統料理を教えてくれる料理教室に申し込み、粒トウモロコシを石灰と一緒に茹でて挽いて粉にするところから始めるトルティーヤづくりを体験させていただきました。

Vicky Hernandezさん主宰の伝統料理教室です↓

▽その日の手記より。

たまたまエアービーエヌビーで見つけて気になった、プレヒスパニック時代(スペイン人到来前)の伝統料理を教えてくださるというヴィッキーさんのところへ。会場はProteccion a las Joven de Oaxacaという、オアハカ州内の村落に暮らす女子を支援するNGOで、料理教室の収益はこのNGOの活動を支えるために使われるそうでした。

このNGOは62年前の創立で、今もさまざな村落から町に勉強に出てきている女の子たちに宿泊と食事を提供してるんだそう。

できあがったお料理や飲み物は、こちらに来てから食べた中で一番美味しかった!シンプルな食材ばかり(野生の草とか)で、調味料も塩や砂糖だけなのに。。野外のキッチンでの料理教室は。。。とにかく楽しくてしかたなかったです♡

トルティーヤからケサディーヤというお料理をつくり、それに添えるサルサ(ソース)とソパ・デ・ギアというかぼちゃの花を入れたスープも、素材からイチからつくり。。。さらに、オアハカの名物料理モーレ(これはモーレペーストを使って)と、チャンプラードという「チョコ風味のとうもろこし粥的飲料」もつくりました(これはタブレット状のチョコラテの元を使って)。

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△カボチャの花とオアハカ産の裂けるチーズをトルティーヤで挟んで焼く「ケサディーヤ」。裂けるチーズって昔から好きだったんですが、あの商品のおおもとはオアハカチーズなんだそうです!

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△焚火コンロつくる、かぼちゃの花とコーンと野生の草のスープ「ソパ・デ・ギア」。

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△ベジタリアン仕様のレシピで教えてくださった「モーレ」。ふつうはチキンを入れるのだけど、チキンのかわりにエパソテというハーブでだしをとりました。

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△チョコ風味のとうもろこし粥のような飲み物「チャンプラード」。よく泡立ててからカップに注ぎます。カカオも昔からこの地方の特産品。

もう何もかもおいしいかったうえに、料理に使う道具はどれもこれもほれぼれするような美しさで。焚火のコンロを据えた屋外のキッチンは陽の光も風も気持ちよいうえに、石壁にはかわいい壁画が描かれていて。先生のヴィッキーさんはここはスペイン語教室かというくらいやさしい言葉づかいで教えてくれるうえ、アシスタントのヒメナちゃんはシャイで物静かだけど、とてもかわいい人で。。ヴィッキーさんの小さいお孫さんも一緒で、一休みしてるときに壁に描かれている動物の名前など教えてもらい。。。天国のような料理教室だったのです。

(メキシコの女性は子連れで働くことがごく普通で、しかも働いているあいだ、同時にちびっこたちに心をちゃんと配って可愛がっていて、それもうれしかった。。)。

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△屋根だけさしかけた、屋外のキッチンスペース。

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△トルティーヤにするために茹でたトウモロコシを「メタテ」という石臼的な道具でつぶしているところ。

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△先生のヴィッキーさん。ソパ・デ・ギアの下ごしらえ中。

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△▽調理は、焚火コンロと陶器の壺で。壺は底が丸いので、取り出して置くときは編み細工の環っかを下に敷きます。壺の中をまぜるときは、モリーニョという木製の攪拌棒を使用。コンロ右側は大きな丸い陶板をのせてあって、これは「コマル」というトルティーヤを焼くところ。

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△▽調理道具類はすべて木製か陶器製か石製。ヒカラというひょうたんでできた器が大小さまざまなサイズでそろっていて、ボウルやお玉として活躍。大きいボウルは陶器製。すり鉢とすり棒は石製。スプーン類は木製。すべて手づくりされてる。

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行きのフライトの中で、たまたまメキシコ各地の先住民の方々がどんなふうにトウモロコシを育てて食しているかをドキュメントした「El Maiz en Tiempos de Guerra」という映画を見たのですが、そこで使われていた道具そのものを使いながら、おなじやり方で料理をすることになるとはまさか思ってなかったので、びっくりでした。

メキシコロスからの、トルティーヤプレスづくり

で、帰国してからもメキシコロス(厳密にはオアハカロス)が激しかった我々は、トルティーヤがつくれるとうもろこし粉(すでに石灰と一緒に茹でたあと粉にした、マサという粉)を日本で買えるところを探して大人買い。そう。。トルティーヤがつくりたくて!

で、伝統料理教室で使わせていただいたトルティーヤプレスを思い出し、ああいう木製のプレス機を自作することに。

▽ヴィッキーさんの伝統料理教室で使わせてもらったトルティーヤプレス機

まずはネットでリサーチ。海外には(おそらくメキシコには?)同じような形の木製トルティーヤプレスを自作している方々がちらほらいらして。デザインにバリエーションはあれど、だいたいこういう仕組みなのね、一番シンプルにつくるならこうなるのね、とわかるまで、いろんな画像を見てまわりました。

機能をおさえたうえで、道具としてこういう佇まいなら嬉しいな、というデザインをピックアップ。

それから手持ちの材で、確か、青空市に出てた木材屋さんの端材コーナーで200円で衝動買いした、分厚いスギ板があったよなーと思い出し。蝶番も削り馬をつくるときに使おうと思って買ったまま、結局使わなかったものがあったので、それを出してきて。ハンドル部分には、庭に生えていたセンダンの剪定枝を、何かに使おうと樹皮だけ剥いて保管してあったものがあったので、それを。以上でつくれるデザインを思案。

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▽まず、長方形の厚板の1枚を、正方形にカット。

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▽長方形の厚板のもう1枚のほうは、写真のように「出っ張り部分」を残してカット。

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▽厚板をカットして出た端材で、ふたの上面にくっつける板と、ハンドルの支持板をつくり。。。下側の板の出っ張り部分を両側から挟むようにしてハンドルの支持板を取り付け(穴あけしてから)。

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▽仮組み後、ふたにくっつける板をボンドで貼り付け、乾燥待ち。

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▽ハンドルの留め具はこちらを使ってみた。近所のホームセンターで見つけたもの。

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使ってみると。。

思いのほか、ちゃんと使えます。しばらく使っていたら蝶番が片側だけちょっとやわになりましたが、修理して使えてます。

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△陶板がないので鉄のフライパンで焼いています。焼いたら冷めないよう、布にくるんで籠にいれておきます。

粉は、ホワイトコーンのマサ、ブルーコーンのマサ、どちらも市販されているものを使っています。

粉に水と塩少量を足してこねるだけ(耳たぶくらいのやわらかさになるまで)。水の足し方&こね方に関しては、大好きなVIVA! MEXICOさんブログから、こちらの記事↓を参考にさせていただいてます(最近は我流になってきましたが💦)。

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△ブルーコーンのマサでつくるトルティーヤが特に好きです、香りが。。お肉を食さないので、うちでは具はじゃがいもやきのこ、アボカドなどです。

メキシコの方から、おほめの言葉が😊

先日はサルサも、相方がトマトを直火(というかストーブの上)で焼くところからつくってみたのです(伝統料理教室では、炭火コンロの端のほうに置いてトマトを焼いたので)。

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△伝統料理教室では、サルサにするトマトを炭火コンロで焼く。
▽石油ストーブで焼いてみた。少し汁気が出て、後で掃除がやや大変だった💦

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△サルサづくりでは、焼きトマトと焼きチリはどちらも皮をむいて使います。

同時にトルティーヤプレスでトルティーヤをつくって、そして完成したのが、メキシコの朝ごはんの定番卵料理、ウエボランチェロ。

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おいしくできてうれしくて、facebookに相方がアップしたら、メキシコ・ベラクルス州に暮らす知人のメキシコ人パートナーの方から「¡ay, que pinche loca!(くっそクレージー!)」というコメントいただきました(「親しみと驚きを込めたほめことば」とのことです😊)。

メキシコの、とくにオアハカのことを思い出すと、身体の底から、しあわせな気持ちが湧き上がってきます、今も。ありがとうの気持ち。

トルティーヤプレスづくり&トルティーヤづくり、メキシコ好きな方には、とってもおすすめです🥰

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ぐりとグリーンウッドワーク:guritogreen.com

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