大事な出会いは、いつも少し「ずれた」ところ、自分の意識からはみ出たところにあるみたい
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大事な出会いは、いつも少し「ずれた」ところ、自分の意識からはみ出たところにあるみたい

ぐり と グリーンウッドワーク

今、森について、学ばせていただく時間を授かっています。ずっと知りたいと思っていたこと、どこで誰に教えてもらるのかわからないまま求めていたものを、まとめて教えていただけている幸せを感じています。

社団法人Silvaさんという、原生林に近い森林を再生するための専門的取組を行っている団体のプログラムに参加させていただいているのだけれど、そもそもそこに行きついたのは、同じ『森の力』というタイトルの本が2冊あったからでした。

もとはといえば、グリーンウッドワーク(生木の木削り)をしている関係で、森と人との関係を考えるなかで、たまたま「精神科カウンセラーを経て、木のもつ力に触れたことから森林をテーマとした著述業に転身」したという浜田久美子さんの『森の力』という本の存在を知り、とても興味を持ったのです。

「木の持つ力」。このワードの強さに、やられた。自分が感じてきたこの「力」の中身を、言語化してくれているのかもしれないと期待しました。

とても読みたいと思って、さっそく図書館の検索コーナーでこの本のタイトルを検索したら、同じ『森の力』というタイトルの、別の本もヒットした、それが宮脇昭先生の著書でした。

宮脇先生のことは3.11の後に少し、独特の植樹方式を生んだ人であることを読んだことがあったけれど、よくわかってはいなかった。宮脇先生が『森の力』について書いているなら、なおさら興味があるかも、思いました。そしてたまたま、浜田さんの『森の力』のほうは、別の図書館からの取り寄せになるしかなく、宮脇先生の『森の力』のほうはその図書館に今あった。そんなわけで、宮脇先生の本を借りてくることになったのでした。

そして本を夢中で読んだのち、宮脇方式での植樹に参加してみたい、どこかに機会はないかな、と探すと、湘南めぐりの森のでの植樹祭がその10日後にあったのです。それでちょっと無理をお願いして、参加させていただいたのでした。

その後の経緯はこちらに書きました▽


■もうひとつの「ずれてた案件」

日本は先進国の中で国土に森が占める面積が世界第3位であることは、グリーンウッドワークを始めてから知りました。ただその「森」の内実についてもっと知りたかった。林業関係者や森林保全団体の方々がいう”日本の山林の問題”がどういうことなのか、いろんな説に触れたけれど、今一つよくわからないままでした。

そもそも自分は木々がたくさん生えている緑色の場所なら、みんな森、というような、粗い解像度でしか森を見たことがなかった時間が長く、杉・桧ばかりの場所さえも、幼い自分にとっては立派な森として記憶されていました。それが自然界からすると不自然な森の姿だったことは、大人になってから知った。

そんなわけなので、Silva代表の川下さんから包括的に森というもののありようを教わることができて、ああ、そうなのか、というパラダイムシフトが起きています。

現場での、体感的な、パラダイムシフト。

これについてはまた別の機会に書きたいと思うので、とりあえず今ご興味ある方はSilvaさんのサイト▽へ飛んでいただきたいですのですが。。。

で、このSilvaさんとのご縁が、同団体がSilvaという名になる前の、今から5年近く前にあったわけなのですが、その時は、環境再生医の矢野智徳さんにお会いしたくて、同団体が湘南めぐりの森で主催する「大地の再生講座」へ参加させていただいたのでした。が、その、矢野さんのことを知ったのも、そもそもはひとつの「ずれてた案件」からでした。

■つる植物のお導き

その当時、湘南地区の海岸林のお手入れボランティアをする中でお会いした藤沢土木事務所の方に、よくしていただいて、お世話になっていました。つる植物での籠編みにも関心があることをお話ししたら、海岸林の一角にたくさん野葡萄があるから必要なら採っていいよ、と言っていただいて、その一角に向かいました。

木々や植物と一つひとつ出会いつつ、少しずつ植物について学び始めたばかりの頃だったので、野葡萄の葉っぱの形をざっくりイメージして、「きっとこれだ」と思うつる植物を自転車の籠からはみ出すくらい採ってきたのでした。が、帰宅してよく調べると、これは野葡萄ではなくて、ヤブガラシという別の植物だった…。

ヤブガラシでも籠が編めるかな、と思って少しググってみると、籠編みの情報以前に、「ヤブガラシはどうすれば撲滅できるか」的な、物騒な内容のサイトやブログが大量にヒットしました。

ヤブガラシという名の通り、これがはびこるとほかの植物をみんな枯らしてしまう厄介者なのだ、とのことで、面喰いました。

こんなに美しい葉っぱの植物が、厄介者。撲滅対象。

微妙な気持ちになっていたとき、目にしたのが、矢野智徳さんのヤブガラシについての発言と、それを基に実践を試みていた方のブログ記事でした。

矢野さんは、ヤブガラシは「とっても素直な植物なんです」と言い、「めった切り」にしなくても、つるの先端を輪っか状に巻いて地面におき、ここではがんばらなくていいよと伝えてあげればいい、とおっしゃっていたそうで、それを実践してみている方の経過観察が写真とともにあがっていました。

数々の「撲滅するには!」という記事を目にしてからの、この記事は、ひとつの救いのような感じに心に残り、この矢野さんという人に会いにいかなければ、と思うに至り、その後一番直近かつ最寄りで矢野さんの講座に参加できる機会が、後にSilvaさんとなる団体による「湘南めぐりの森」での講座だったのでした。

そのときの講座の体験はここでは詳しく踏み込みませんけども、過去の記録は▽です(長い&余談も多いのであれですが‥‥)。

そして、矢野さんについては、来月、ドキュメンタリー映画が公開されるそうです!楽しみです。

■一番好きだった木と出会ったときも

今またSilvaさんのフィールドである「湘南めぐりの森」で、森について学ばせていただけているのだけれど、研修の中で、植生調査について学ぶ時間があって、宮脇先生が30年前に指導をして植樹をしたエリアの植生調査をみんなでやりました。

そのエリアは、この地のさまざまな潜在自然植生種を密植・混植したそうなのですが、その後の手入れの部分で干渉があったこともあって、今はスダジイがメインの林となっていました。

その推移自体はやや残念ではあるのだけれど、背丈15メートルほどのスダジイの林は、私にはとても気持ちよく感じられました。そして、お昼休みに同期の研修生と再度そのエリアへ行って話している中で、思い出しました。ずうっと昔、学校の帰り道に、人間をやめたくなったことがあったときに、1本のスダジイの木に助けられたこと。

当時は木のこともよくわかってなかったので、長年、その木をクスノキだと思い込んでたのだけど、本当はスダジイだったのでした。

で、思い返すと、そもそもそのスダジイの木との出会いは、その木の左2メートルくらいのところにあった、とても華やかなミモザの木のおかげでした。

学校の帰り道、歩いていたら、その華やかな黄色のミモザの花が満開で、思わずその木の下に吸い寄せられて、わあー、と思って見上げた。そのとき、ふいっと右方向に気を引かれて、出会ったのがそのスダジイの木でした。ミモザも、スダジイも、知らない人の家の庭木。

最初から、スダジイの木のほうへ、まっしぐらに行ったわけでなくて、ミモザの花のおかげで、右に入る細道にあったスダジイに気づけた。

以来、そのスダジイの木の下へ行くと、全身がじわんとして、はっきりと体感が変わるのがわかって、帰り道によくそこでしばらく立ち止まっているようになりました。そうやって過ごすうちに、その木は、とても大切な存在になりました。

グリーンウッドワークを始めてから、森林ボランティアにもいくつか参加したけれど、結局身近な庭木や公園の木の剪定枝を好んで使うようになった自分がいます。

思えばこれも、あのスダジイの木のおかげかもしれないです。住宅街で暮らす中で、すぐぞばに感じていた木々。木々自身にとっては異常な環境で、多々苦労があるはずだけれど、やっぱりそれでもそこにいて、一緒に時間を過ごしてくれている庭木や公園や川べりの木々たちとのご縁が、自分にとってはリアルだし、原点みたいです。

原点というなら、そういえば、子どもの頃の近所の公園の真ん中に立っていた大きな木。あの木こそが、スダジイでした!

よじ登ったり、ぶら下がったり、いつもほんとうによく遊んでもらっていました。

そんなふうにそばにいてもらった身近な存在の木々たちのご縁が、今も自分の初期衝動を形づくっているのかもしれないです。

そもそも、あの満開のミモザの右2mのところのスダジイに「呼ばれた」気がしたのも、小さいころいつも公園のスダジイに遊んでもらってきてたからかもしれません。

樹木も、昆虫や草花も、ネットワークの意識体だという説を聞いたことがあります。一つの個体との関わりは、その種全体との関わりとイコールである、というような。

そうなんだとしたら、近所の公園にスダジイがあってくれてよかった。森は身近になくても、1本のスダジイがそこにいてくれた、そのおかげさまで森とのつながりが細々ながら途切れずに済んだんだ、という気がします。

■偶然なのか必然なのか

十数年前に引っ越してきた今の家の、寝室の窓の向こうには、スダジイがいます。奥のおうちの庭のスダジイ。はじめ、額縁の中の絵のようなだな、と思いました。

借りている家は大家さんの一族が以前お住まいだったところで、奥の家とのあいだに垣根がないのです。

南側にある大家さんのおうちのお庭に立っている椰子の木のほうに惹かれて、引っ越してきたところがあるのだけれど、実は、毎晩、スダジイの足元で眠っている……。(あ、これも、「ずれてた案件」だったのかも)。

いろんな植物に不義理をしてきた(今もしている)けれど、いつも、ずっとお世話になっていることを、改めて思います。ありがとう。

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グリーンウッドワーク(理由あって切られた木を手道具で削る、暮らしの道具づくり)をたしなんでいます。身近な木々と親しむこと、手仕事がもたらす安らぎを生活に取り入れることで、自然の声、天の声、心の声を聴けるようになりたいです。基本週末更新😊細かい話はguritogreen.comで。