贈り物に木製の表札をつくってみてるお話
先日、新婚さんの新居の表札づくりを、とお声をかけていただきました。
ちょっとビビりました。なぜなら……。
自分の家は古い木造の借家で、てきとうに手づくりした表札をかけているんです。
▽こんな感じのを玄関扉の横に(名前部分ぼかしましたが)。。。テキトーに彫刻刀で彫ってアクリル絵の具で色付けして、浜で拾ったシーグラスや石を接着剤でくっつけてつくったもの。。
そして宅配員さんたちの入れ替わりが頻繁になった頃に、お向かいのおうちの方から「ポストの表札が見づらくて、かわりにうちに尋ねてこられちゃうから、もっとわかりやすい大きい表札を入口のところにつけてもらえないかしら」と言われ。。。
▽玄関までのアプローチにあるセンダンの木の幹に取り付けたのがこれ(名前部分ぼかしました)。
▽板を矢印風の形にカットして、アルファベットの形のコルク文字を貼り付けて上から塗料をスプレーし、アクリル絵の具で色付けした。
▽設置は上下二カ所にドリルで穴を開けて、丈夫な紐を通して、幹に結び付けただけ。
新婚さんには、もっとちゃんとした表札でないと。。と思いました。
まじめにデザインを考えてみた
木製の表札をご所望だったので、ちゃんとチップカービングで彫ったほうがいいかなあ。。。それなら板材もサクラ属の色味のきれいなものがよさそう、と思い、近所のホームセンターに行ってみたら、ハガキ大の工作用板材があって、チェリー(サクラ)もありました!
▽上はメープル。右のツートンになっているのは桂。左下がチェリー。
新居の玄関先の写真をいただいて、おふたりのことを思い巡らして、ググったりもしながら、しばしデザインを描いてみること数ページ。
新婦にはキャンドルアーティストという顔が、新郎にはバイオリン弾きという顔があるので、キャンドルとバイオリンのモチーフを入れようかな。。
キャンドルモチーフは、ファイヤーキングのアンティークによく入っている「グローキャンドル」のパターンをプチアレンジしようかな、と思った。けど描いてみると……どうも細長いキャンドルってお仏壇のろうそくっぽさがあって、あまり縁起がよくない気がしてきました。
ブロックキャンドルの炎に変えて、光がキラキラ広がる様子を描いてみたら、お仏壇ぽさはなくなったので、こちらを採用することに。
ハガキ大の板を正方形にカットして、メインの表札を彫りました。
文字は好きなタイプの素朴なフォントでデザイン作成→紙に印刷→トレーシングペーパーを当てて輪郭をなぞり→トレペを板にマスキングテープで固定→トレペの上から輪郭線にナイフを入れていきました。
輪郭線にナイフを入れたら、トレペを外して、輪郭線から中央に向かってV字の溝をつくるようにカービング。
チップカービング専用ナイフを持っていないので、普通の木工用ストレートナイフの刃にマステをぐるぐるまきにして、先端部分だけを安全に持てるようにして使用しました。
キャンドルデザインもトレペにフリーハンドで描き→トレペを板材にマステで固定→トレペの上からナイフ入れ。
彫ったあと、酸化処理済み亜麻仁油を塗ったら、少し色に深みが出ました。
最初から乾燥した板材に彫っていくのも、なかなか楽しかった。。。
表札その2も彫ってみた
ハガキ大の板材を正方形にカットしたあとに出た残りの部分で、ポストの全面に貼れる小さめの表札もつくりました。
こちらはバイオリンのf字孔をモチーフにしてみた。が、f字孔モチーフは左右で若干彫りの太さが違ってしまった💦
まあこれも手づくりの味ということで。。。
仕上げ塗装のこと
ご本人たちに、文字に色付けをするかどうかを相談したら、色なしで、とのことで。。。夜間などに見づらくないか気がかりだけど、とりあえず色なしで使ってみていただいて、必要なら後日文字に色付けをすることに。
さて、表札は雨風に耐えるものにしないといけないですよね。自分の家の玄関表札はえごま油を塗ったんだったか、アクリル絵の具を塗っただけだったか、よく覚えてないくらいのいい加減さ。。人に差し上げるものはもう少し考えないと。。。
グリーンウッドワークのお仲間でいろんな塗装を試している(い)さんに相談してみたら、ウレタン塗装、ガラス塗装などいろいろ教えてもらえました。
手軽にできて、そこそこ耐久性のあるコーティングができれば、と思って、少し自分でも調べてみるなかで、漆もいいのではないか、という想いから、新漆に行きつきました。表札は口に触れるわけではないから、新漆でも大丈夫。本物の漆よりも扱いやすいのもよさげ。。
亜麻仁油をもう少ししっかり乾燥させてから、透明タイプの新漆を塗ってみようかと考えいるところです。
ということで、続きは今度。。。とりあえずここまでは、ご本人たちにも喜んでいただけてるみたいで、うれしい😊 そして、贈りたいと思う人を思い浮かべながらの作業はやっぱり楽しい🥰
無事に最後までできますように。
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ぐり と グリーンウッドワーク:https://guritogreen.com/
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