見出し画像

(休館中)呉竹文庫(石川県白山市)

行きやすさ  ★★★
マニアック度 ★★
開館時間   9:00~17:00
定休日    月曜、年末年始、館内特別整理期間

詳しい道案内は別記事に書いております。公式サイトはこちら
※令和6年能登半島地震による影響で館内の安全確保が難しいため現在休館中になります※

石川ルーツ交流館との共通券となっているので当日中ならどちらかで入館料を払えばもう片方は半券を見せればそのまま拝観できます。

大正時代に実業家によって創設された私立図書館だった建物で、立派な和室や茶室等の居住スペースが見学出来る他、当時収集された美術品や書物が常設展示されています。
和室の造りもかなり立派なのですが、2階の洋風の書斎は重厚感がすごくてかなりのインパクト!!ここだけ急にロケスタジオのような感覚に陥ります👀
赤絨毯にシャンデリア、本棚にはびっちり夏目漱石や正岡子規、森鴎外の全集や当時の百科事典…レトロ好きにはたまらない空間となっております。
ただし撮影は厳禁!!映え系に紹介されない知る人ぞ知る素敵スポットです。

そしてこちらの1階の土蔵に大正時代に貸出していた書籍がまとめられています。蔵書数はパンフによると13863冊(!)だとか。
明治大正時代の本が棚差しされて当時の新聞が無造作にダンボール詰みされてたりと手に取ってみたい衝動に駆られるんですがお触りNG。見れるのは背表紙だけ。撮影ももちろんNG
宗教とか地理など棚ごとにジャンル別に分かれていて、文学コーナーは当然ながら文豪や詩人俳人の名前の現役時代の本がゴロゴロ。覚えてる所だけでも岩野泡鳴とか武者小路実篤とか吉井勇とか国木田独歩とか里見弴とか書ききれない…詩集が比較的多く感じました。
地元だし金沢3文豪はあるだろうと思って探したんですが秋聲だけなかったような⋯?自然主義作品は好みじゃなかったのかな?

島清の本は『我れ世に勝てり』、『帝王者』、『革命前後』は同行者さんと二人がかりで探索して発見しました。
来館された際はぜひ頑張って探してみてください♪よ〜く見ると島清の本のある場所だけ棚に目印にシールが貼ってあります😉
おそらくルーツ交流館で展示してない著作がこちらに置かれている?のかな??

ところでこちらの図書館が正式に開館したのが大正11年。杉森久英の『天才と狂人の間』では島清はここの図書館に通ったと書かれています。
しかし地元の研究者さんが調べたところ当時から残る貸出名簿には島清の名前が無かったので恐らくフィクションだろうとのことで少し残念。
『地上』発刊以前の日記が書かれている『早春』で中国の詩経や易経を図書館で借りたとか、当時の事をおそらくモチーフにして書いた作品中に図書館に通っている描写があったりするけれどそれは恐らく金沢の兼六園内にあった頃の県立図書館。
呉竹文庫開設の大正11年は『地上』が売れてる最絶頂期なのでわざわざここには来ないだろうなあと私も思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?