小琴

中国伝統楽器・古琴の奏でる音色と世界観が大好きで、自分でも弾いてみようと学び始めた初心…

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中国伝統楽器・古琴の奏でる音色と世界観が大好きで、自分でも弾いてみようと学び始めた初心者です。 備忘録も兼ねて、学んだことや思ったことを綴っていきたいと思います。

最近の記事

湘江怨(湘妃怨)2

『湘江怨』は、古くは1590年明代に蔣克謙が編纂した『琴書大全』に見られますが、五代十国時代の後周(951~960年)の詞人であり琴家でもある梁意娘が作った曲といわれています。 彼女は瀟湘(現在の湖南省)の代々学問を志す名門の家柄に生まれました。幼い頃から琴棋書画に触れているうちに、やがて詞や音楽に精通するようになります。 当時、良家の娘はよい教育を受けても、家の中で大切に育てられて自由に外に出ることは許されず、親の決めた相手と結婚するのが常でした。 自由に恋愛することが

    • 湘江怨(湘妃怨)1

      中国古代の五帝の一人・堯には二人の娘がいました。長女の名を娥皇、次女を女英と呼びます。 堯帝はある時、舜という若者が親孝行であるという噂を聞きました。 彼を召し寄せて話をしたところ大変気に入り、二人の娘を嫁がせて舜という人物が如何ほどのものか試してみることにします。 やがて二人の娘は舜のように慎み深くなり、また倹約に勤しんで、舜を助け、仲睦まじく暮らすようになりました。 堯帝は彼を信頼して様々な行政を任せます。舜はどれもよく治め、そして堯帝の死後、舜が帝位を受け継ぐことになり

      • 黄鶯吟

        黃鶯,黃鶯,金衣簇。 雙雙語,桃杏花深處。 又隨煙外遊蜂去,恣狂歌舞! 黄鶯さん、黄鶯さん、金の衣たちさん。 満開の桃杏花奥深く、おしゃべりすれば、 蜂さんと一緒に外へ遊んで、自由気ままに歌って舞い踊る。 『黄鶯吟』は曲名を『開指黄鶯吟』とも言います。 開指というのは、指慣らし或いは初めて弾くという意味で、私の通っている古琴教室では一番最初に習う曲となっています。 歌詞は春を表現する言葉が並んでいます。春爛漫の景色の中で、黄鶯がうららかに囀って踊っている様子は、晴れやか

        • 古琴吟(相思曲)

          古琴入門曲の一つ、『古琴吟』を紹介したいと思います。 短い曲の中にいろいろな弾き方の技法がつまっていて、古琴を学び始めるにはぴったりの曲なんです。 この曲には歌詞が付いています。 音音音,爾負心,爾負心,真負心,辜負我,到于今。 記得當年低低唱,淺淺斟,一曲值千金。 如今拋我古墻陰,秋風荒草白雲深,斷橋流水無故人。 凄凄切切,冷冷清清。凄凄切切,冷冷清清。 音音音、あなたは裏切者よ、本当に裏切者、私を背いて今に至る。 あの時、悠々と楽しく歌を歌って飲み交わしたのを覚えてい

        湘江怨(湘妃怨)2