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【MD】 ゴーストリック × 機塊 デッキ

おはようございます。Gupta(グプタ)です。
普段はランクマやCSでしのぎを削ってしますが、カジュアルデッキの紹介です。

今回は「 ゴーストリック × 機塊 デッキ 」という不思議な混合デッキについてお話しします。
このデッキはただ単に2テーマを混ぜたわけではなく、テーマ同士の相乗効果や初動枚数の計算など、かなり構築を練った綺麗なデッキに仕上がっていると思います。また、カジュアルデッキを組む際に意識したことなどにも触れていきたいと思います。

1.デッキコンセプト

このデッキは機塊の圧倒的なレベル1の展開力を活かして、《ゴーストリック・デュラハン》からゴーストリックの動きに繋げ、《ゴーストリック・パニック》や《ゴーストリック・オア・トリート》などのトリッキーな妨害を仕掛けつつ、各種機塊リンクモンスターによって積極的にバトルをしていくデッキです。

ゴーストリックというテーマについて

そもそも、【ゴーストリック】というテーマがどのようなテーマか見ていきましょう。既に知っている方は飛ばしてもらって良いです。ちゃんと知ってる人居るのか?

ゴーストリックは遊戯王第8期に初登場した歴史ある大きなテーマです。しかし、古いテーマ故にコンセプトが「裏側守備」「戦闘時」「サイクルリバース」と、かなり時代遅れなものとなっています。

まずは下級について
ゴーストリックの下級はレベル1が悪魔族、レベル2が魔法使い族、レベル3がアンデット族、レベル4が天使族となっています。(これはX体も同様) かなり幅広いサポートを受けられる種族ですね。
また全員が「このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。」というサイクルリバース効果を持っています。しかし、「リバース」とは書かれていないためリバースサポートを一切受けられません。どうして…… 実は、ゴーストリック下級でリバース時に効果のあるカードは少ないのです。
また、共通のデメリットとして「自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。」という効果があります。つまり、場に他のゴーストリックが居ないと普通に召喚することすらできません。セットすることしかできないので、ゴーストリック下級1体からできることはセットエンドのみになります。

魔法罠について
ゴーストリック魔法罠はピンキリで、《ゴーストリック・ショット》《ゴーストリック・パニック》などはかなり強く、ショットはMD準環境テーマ経験のSPYRALでキュリオス出張ギミックとして使われるほどの展開力を持ちます。パニックも条件を揃える必要があるものの、「選んで裏側守備表示にする。」という高性能な妨害効果を持っています。他にも強いカードはありますが、残念な性能のカードも多いです。

EX体について
ゴーストリックには4体のエクシーズと1体のリンクが存在します。
エクシーズ体はランク1,2,3とランク4で他のゴーストリックXに重ねて出すことのできる《ゴーストリックの駄天使》がいます。(駄菓子の駄なので堕天使サポートとかは無い)ランク1,2,3のエクシーズ体は場で発動するフィールドを触る固有の効果と、墓地に送られた場合墓地からゴーストリックカードをサルベージする共通効果が………ランク2の《ゴーストリック・サキュバス》除いて持っています。意味不明。駄天使はゴーストリック魔法罠のサーチ効果を持っていてとても強力です。また、古いカードが多く名称ターン1制限がついていないのが大きな特徴です。
リンク体の《ゴーストリック・フェスティバル》はリンク1の魔法使い族で、なんと「このカードをリンク召喚する場合、自分フィールドの裏側表示の「ゴーストリック」モンスターもリンク素材にできる。」というリンク召喚の概念を吹き飛ばす様なテキストを持っています。また、相手の攻撃宣言時にリリースするとデッキからゴーストリックモンスターを裏側守備で特殊召喚できます。遅すぎる。

総括すると、このテーマ   弱い

個性的な効果も多く色々なコンボも考えられますが、テーマ共通のデメリットが重すぎます。しかし、最初に動き出すことさえ出来ればそのトリッキーな効果をいかんなく発揮できるはずです。

機塊を混成した理由

ゴーストリックは下級のデメリットにより、初動ではセットすることしかできず、リンク1のフェスティバルにしても相手バトルフェイズに裏側で呼べる程度で、ゴーストリック下級それぞれの固有の個性的で強力な効果を使いこなすのは至難の業です。よって、多くの構築では、幻影騎士団、デスガイド+彼岸、夢魔鏡などランク3の展開を中心にした混合デッキが主流です。最近ではレベル4の《ゴーストリック・セイレーン》を中心にデッキをゴーストリックで固めるタイプもありますが、やはり安定感に欠けます。

そして今回は、戦闘時に手札から効果を発動するレベル1のゴーストリックに注目し、レベル1を中心に展開ができる構築を考えました。ここで「レベル1モンスターを大量展開できる」「戦闘で強力」という点から【機塊】というテーマと混成する発想に至りました。

機塊というテーマとゴーストリック

【機塊】は、アニメVRAINSにおいてロボッピが使用したテーマで、多種多様なリンク1のモンスターが相互リンク状態とそうでない状態を駆使して戦うテーマです。
このテーマは基本的に2枚初動で展開しますが、サーチ手段やサポートが豊富で高い展開力を持ちます。また下級は全てレベル1モンスターとなっています。

ゴーストリックとの相性として、機塊もゴーストリックも展開効果を使っても一切誓約がありません。よってかなり自由な展開ができ、ゴーストリックの強みであるランク1,2,3いずれかからも未来龍皇まで繋がるというのをフルに活かすことができます。ショットつえー…
また、機塊リンク1モンスターは上、右上のいずれかのリンクマーカーを持っていて、相互リンクの場合に強力な効果を使用できますが、《ゴーストリック・フェスティバル》が下向きのリンクマーカーを持つため、上マーカーの機塊リンクととても相性が良いです。そして忘れてはいけないのが《フォーマッド・スキッパー》の存在で、後ほど詳しく説明しますが、このカード1枚で機塊リンク1モンスター、《ゴーストリック・フェスティバル》のいずれもリンク召喚することができます

このように、【機塊】【ゴーストリック】2つのテーマが互いに邪魔をせず、上手く両方の動きをかみ合わせることができます。

2.デッキレシピ

この後パニックをシャイン加工にした

ニューロンのレシピはこちら

デッキレシピは上のようになっています。機塊ギミックと機械族サポートなどを中心に機塊、ゴーストリックいずれにもアクセスできるレベル1サポートを多く採用しました。無駄にUR多くて高くないか?

このデッキの大まかな展開ルートとして《電幻機塊コンセントロール》と《複写機塊コピーボックル》の2枚からレベル1モンスターを3体展開し、ランク1《ゴーストリック・デュラハン》《ゴーストリックの駄天使》《ゴーストリック・ショット》と繋げていき、任意のゴーストリック魔法罠をサーチしながらショットを回収しつつ《FNo.0 未来龍皇ホープ》を出します。その後、余った機塊モンスターを上振れ展開のカードと合わせて《充電機塊セルトパス》や《ゴーストリック・フェスティバル》《ライトドラゴン@イグニスター》などに繋げていきます。(基本的には《リンクリボー》までの展開になります。)

少し上振れた時

以下で主な採用カードについて触れていきたいと思いますが、それぞれのテーマについて調べたり、テキストを読んですぐにわかるようなカードについては省略させてもらい、特に2テーマを繋ぐカードを中心に解説していきます。

フォーマッド・スキッパー

このカードはMDで【パラディオン】【斬機】などで使われていますが、なんといってもその特徴は「EXデッキのリンクモンスター1体を相手に見せる このターンにリンク召喚する場合、 このカードは見せたモンスターと同じカード名・種族・属性の素材としても扱える。」という効果です。要するに、EXのリンクモンスターの名称種族属性をコピーできる効果です。これによりさまざまな種族属性指定のリンクモンスターを出せるだけでなく、「(テーマ名)」モンスター1体のような素材指定のリンクモンスターを簡単に出すことができます。
そして機塊リンクモンスターは「機塊」モンスター1体(以上)、《ゴーストリック・フェスティバル》はリンクモンスター以外の「ゴーストリック」モンスター1体でリンク召喚できるので、このカードは2つのテーマどちらのリンク1にもアクセスできるカードとなります。
また、このカードをリンク素材にするとレベル5以上のサイバースモンスターをサーチすることができ、《パラレルエクシード》をサーチすることでランク4のモンスターを展開できます。今回はこの枠に《ゴーストリック駄天使》《ライトドラゴン@イグニスター》を採用しています。

貪欲な壺

機塊による展開も、デュラハン駄天使ショットの展開も大量のモンスターを使うため、リソース回復札として採用しました。

ワン・フォー・ワン

コストをゴーストリックモンスターにすることでデュラハンの墓地効果で回収することができます。召喚権を使わない展開を唯一できるカードです。

ワンチャン?!

場にレベル1モンスターが存在する場合にレベル1モンスターをサーチすることができます。裏守備モンスターはレベルを参照できないのは注意ですが、このデッキにとって実質的にほぼ全てのモンスターをサーチすることができます。発動ターン1が無いのも強力です。
また、サーチしたモンスターと同名のモンスターを召喚しないとエンドフェイズに2000ダメージを受ける効果がありますが、これは「効果によるダメージ」なので《ゴーストリック・マリー》の効果を発動し、デッキから裏側守備でゴーストリックを特殊召喚できます。この「裏側守備表示のゴーストリックモンスター」というのがゴーストリックでは重要で、最も質の高い妨害の《ゴーストリック・パニック》の効果を使用するために必要です。《ゴーストリック・フェスティバル》のリクルート効果でも満たせますが、あちらは相手バトルフェイズ(笑)なので能動的にこの状況を作り出せるこの動きは貴重です。

他の《ゴーストリック・マリー》を能動的に起動できるカードとしては、《アサルト・シンクロン》《Emトリック・クラウン》一部【BF】モンスターの効果、《破壊輪》などの自分と相手にバーンを与える効果などがあります。

ジャック・イン・ザ・ハンド

ターン1なので2枚採用です。基本的にはゴーストリック+フォマ+コピーボックルを見せることが多いです。《フォーマッド・スキッパー》は知名度が高く、《セラの蟲惑魔》や《マギアス・パラディオン》などの強力なモンスターに繋がり、また閃刀姫リンクモンスターを経由することで1枚から《幻獣機アウローラドン》のリンク召喚まで繋がるカードです。よって恐らく相手は《フォーマッド・スキッパー》を取ることになるでしょう。なので、大抵の場合はコピーボックルのサーチ手段として使うことになります。コンセントロールはデッキに居て欲しい関係上どうしても展開できない手札を除いて見せることはありません。

ゴーストリック・ハウス

ゴーストリック・オア・トリート

ハウスは実質LP2倍の耐え耐え効果、オアトリはゴーストリックフィールド魔法かフェスティバルがいる時に効果無効にしエンドフェイズに裏側守備にする効果です。オアトリは相手が2000LPでなかったことにできるので妨害の質としてはかなり低いですが、現状のゴーストリックで、魔法罠の妨害の99%がパニックに依存しているので仕方なく採用しています。
基本的には裏側守備モンスターを準備できない状態でフェスティバルを出せる、又はハウスかオアトリを素引いている場合に構えます。

ライトドラゴン@イグニスター

パラレルエクシードから出すランク4の枠です。耐性の無いゴーストリック、機塊モンスターを破壊から守る、また対象耐性を持つモンスターを処理する役割があります。

不採用にしたが相性の良いカード

マジシャンズ・ソウルズ

魔法罠が多いデッキでかつ、レベル1軸なのでとても相性の良いカードです。ただ、墓地に落とす上級魔法使い族がおらず今回は不採用にしました。《イリュージョン・オブ・カオス》が来たら《儀式の準備》と共に採用したいカードです。ドロー効果で捨てたゴーストリック魔法罠をデュラハンの墓地効果で回収できるので欲しいですね。

ダイガスタ・エメラル

EXデッキを高速で消費する関係上、リソース回復できるランク4は優秀ですが、使い終わった後のエメラルの使い道を用意できなかった為不採用にしました。

スモール・ワールド

このカードは、2:1交換でデッキからほぼ全てのモンスターにアクセスできるカードで、2枚初動が豊富なこのデッキでは必要無いかと思われます。しかし、デッキから任意のモンスターを裏側除外できることが重要で、デッキから《複写機塊コピーボックル》を裏側除外しつつ《機巧鳥-常世宇受賣長鳴》をサーチすることで、機巧鳥でコンセントロールをリクルートし、さらに機巧鳥で裏側除外されているコピーボックルを手札に加えることができます。
今回はスモワの手札で見せて良いカードが少ないことと、初動が十分に足りていることから不採用にしました。このスモワ機巧鳥ギミックは応用が効くのでおすすめです。

3.デッキを組むにあたって

ここからは、このデッキを組むにあたってどのように調整を行っていったかについて書いていきたいと思います。

ゴーストリックを使いたい!

ゴーストリックというテーマ、もーめーーーちゃくちゃ弱いんですが、みんな効果が個性的で、主役級のカードがたくさんある素晴らしいテーマです。そしてかわいい

MD屈指の優遇テーマ

そんなゴーストリックでも、今回はレベル1の4体とデュラハンを活かして構築をしてみたいと思いました。

レベル1ゴーストリックの強みとは?

まずは、活かしたいカードの強みを確認していきました。ゴーストリックはその共通のデメリットで条件が揃わないと表側で召喚できません。しかし、レベル1のゴーストリックは戦闘をトリガーに自身、またはデッキのゴーストリックを特殊召喚する自己展開効果を持っています。また、ランク1のデュラハンは固有効果で場のモンスター1体の打点を半分にする効果を持っています。このことから、戦闘に関して強い効果を持っていると分かります。

どのサポートカードを入れるべきか

レベル1ゴーストリックの強みが分かったところで、強みを伸ばすために何のカードを採用するか検討しました。まず、ゴーストリック単体では初動の展開力に乏しく、他テーマと混合する必要があるので、レベル1のテーマを探しました。メジャーなところだと悪魔族サポートを共有できる【DD】との混合がありますが、悪魔族のメリットが薄く、DDの1枚初動は不安が大きかったので不採用にしました。そこで「戦闘に強い」というか観点から【機塊】を採用することにしました。機塊は2枚初動で安定感があり、爆発的な展開力も兼ね備えていてとても魅力的でした。

次に【ゴーストリック】【機塊】の2つをサポートするカードの採用を考えていきました。今回はどちらも「レベル1」であるため、《ワン・フォー・ワン》《ワンチャン?!》《ジャック・イン・ザ・ハンド》は必須カードで、即採用しました。また、お手軽に機塊モンスターの大量展開を狙える《機械複製術》も採用しました。【機塊】デッキでよく採用される【機巧】は、攻守が同じ機械族のサポートカードで、機塊モンスターは全てその条件を満たしており相性が良いです。しかし今回はランク1展開を重要視しているので機巧鳥で初動をカサ増しする程度の採用としました。
また、【機塊】デッキで採用率の高い《フォーマッド・スキッパー》はレベル1でかつ《ゴーストリック・フェスティバル》にアクセスすることができ、2つのテーマを繋ぐ大きな架け橋となっています。リンク素材になった場合のサーチ先には《グッサリ@イグニスター》などのカードもありますが、素材として活かしづらいため《ゴーストリックの駄天使》に繋げられる《パラレルエクシード》のみの採用としました。

採用カードの調整

さて、デッキのメインギミックが決まったので、ここからギミック同士の隙間を埋めるカードの調整をしました。
EXデッキのゴーストリックモンスターですが、《ゴーストリック・デュラハン》は基本展開では1枚しか使いませんが、打点半減効果を2回使いつつ未来龍皇に展開することで実質打点12000まで対処できます。また、デュラハンの墓地効果で別のデュラハンを回収できるので2枚採用で済ませています。《ゴーストリックの駄天使》は未来龍皇の素材とする2枚に加え、パラレルエクシードや返しのターンで出すための3枚目も採用しています。《ゴーストリック・フェスティバル》は2枚目以降を使うタイミングが少なかったため1枚のみとなっています。
機塊リンクモンスターの採用不採用ですが、《計量機塊カッパスケール》はフォマを絡めた上振れ3枚初動で使い、《充電機塊セルトパス》は機塊の中心的存在なので必要です。他のリンクモンスターですが、【ゴーストリック】は相手モンスターへの無効や裏側守備などの妨害と未来龍皇によるビートダウンができますが、モンスター魔法罠の除去ができません。そこで戦闘を介して強力な除去を行える《洗濯機塊ランドリードラゴン》と、毎ターン手札1枚をコストに裏表カードの種類問わず破壊を行える《掃除機塊バキューネシア》の2枚を採用しました。そして最後に、機塊モンスターの相互リンク効果の補助と打点補強要員として《乾燥機塊ドライドレイク》を採用しました。
汎用のEXモンスターについて、《リンクリボー》については、機塊モンスターが1体のみ余った場合に出すカードとして採用しました。また《ライトドラゴン@イグニスター》は上で述べたようにランク4の枠で最も相性の良いカードのため採用しました。バック除去を重視する場合《恐牙狼 ダイヤウルフ》なども良いと思います。
上振れ札について、《貪欲な壺》《機塊リユース》を採用していますが、どちらも展開を伸ばすだけでなく、メインデッキもEXデッキも消費が激しいデッキでリソース回復ができるので採用しました。特に《機塊リユース》は《家電機塊世界エレクトリリカル・ワールド》でサーチしたいカードが既に揃っている場合に持ってこれるカードとして最も優秀です。

実践からの調整(特に確率論)

最後に実際に回してみてから、細かな枚数調整を行っていきました。
構築の途中では《機巧鳥-常世宇受賣長鳴》を採用せず、40枚デッキにしていました。この場合の初動確率は大半の2枚初動と一部3枚初動を合わせて75%、1枚では展開に関わらないカードを2枚以上引く確率が20%でした。計算上ではそれなりに良い数値ですが、手札で同名カードが被ったり、組み合わせで動くカードの片方のみが手札で腐ってしまったりすることが起こりやすかったです。

そこで、デッキ枚数を現状と同じ42枚にすることにしました。
遊戯王のデッキは基本的に40枚にする方が強いと言われますが、案外そうではありません。デッキ枚数を40枚に近くする方が強いデッキというのは、【斬機】【ふわんだりぃず】など確実に初手で引いておきたいカード(サーキュラーやそのアクセス札、ろびーないぐるん地図アトラクター)があり、また素引きや重ね引きして困るカードが無いというのが特徴です。一方、40枚を超えるデッキは【エンディミオン】【幻影勇者】などで、初動を特定のカードに依存しておらず、基本的に組み合わせで動き、また初手で同名カードが被るのが弱く、デッキに残っていて欲しいカードが多いのが特徴です。
このデッキの場合、幅の広い2枚初動で、なおかつ素引きしたくないカードも比較的多いのでデッキ枚数を増やす方針にしました。
以下は、はみるとんさんの参考文献です。

そして、質は他の初動より悪い(妨害を受けると召喚権が消えてしまうので)が初動のカサ増しとなる機巧鳥を増やした結果、初動確率は77%、展開に絡まないカードを複数枚引きする確率は17%になりました。そして、最初に起こっていたような事故もかなり改善されました。

デッキの構築方法まとめ

このように、デッキを組むにあたって
「使いたい、活躍させたいカードを決める」
「そのカードの強み(弱み)をしっかり理解する」
「長所を活かし、欠点を補完できるサポートカード(テーマなども)を探す」
「必要な枚数の調整やデッキのコンセプトに合った汎用カードを採用する」
「実際に回してみて不備が無いか確認する」
という流れでデッキを組みました。

4.おわりに

今回、「 ゴーストリック × 機塊 デッキ 」を組んでいて、いくつか思ったことがあるのでまとめていきたいと思います。

"カジュアル"デッキのあり方

このデッキは"カジュアル"として組んだのですが、かなりガチデッキの構築方法から学びを得て構築しています。

ここでは【幻影勇者】を例えとしましょう。長いので斜め読み程度でお願いします。
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【幻影騎士団】の強みは墓地を豊富に利用したシナジーの強いテーマカードによる圧倒的な展開力にあると思います。また、制約が緩く準汎用カードなどからも展開につながります。
そこで採用されるカードというのは、墓地活用テーマなので手札コストの重くない《禁じられた一滴》《ツインツイスター》【勇者】などとなります。また、勇者ギミックは幻影騎士団で出すことのできる《彼岸の黒天使 ケルビーニ》から繋がる、ブリガンダインにドラコバッグを装備できる、幻影に足りない無効妨害を用意できる、などシナジーが高いです。
また、デスフェニギミックも相性が良く、幻影騎士団の様々な下級から《捕食植物 ヴェルテアナコンダ》に繋がり、またデスフェニの素材であるディアボディナイアルから《幻影騎士団 ラスティ・バルディッシュ》に繋がるなど準汎用カードとの相性も活かすことできます。
また、安定感を上げる採用カードとして【SR】の出張がありますが、ケルビーニから様々な採用カードにアクセスできるだけでなく、タケトンボーグを素引きしてもグリフォンライダーが風属性なので出せるなどの相性の良さもあります。
デッキ枚数は43枚前後が多く、これは勇者,デスフェニの存在であまり素引きしたくないカードがあり、また幻影騎士団がデッキリソースも重要だからと考えられます。
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【幻影勇者】は本当に美しいデッキで採用カードの相性補完が本当に綺麗です。これ以上語り続けるとキリがないので終わりますが、
要するに、「強みを見極める」「強みを活かし相性補完できるカード(群)を見つける」「コンセプトに合った準汎用カードなどを採用する」「デッキ枚数など細かい調整」という流れは、ガチ環境のデッキ構築でも同じ手順で行われています。これは当たり前で、同じ「遊戯王のデッキを組む」という工程だからです。もちろんデッキ構築の最終的な目標は全く違いますが、遊戯王の根幹が”ガチ”と”カジュアル”で変わるはずがないのです。

ここまで、何度も”カジュアル”という言葉を使ってきましたが、私はこの言葉が「デッキ構築の目標として、競技シーンで活躍することではなく、特定のカードを活躍させたり、キャラなどのイメージに沿うことを重視して、ひいては勝ちに繋がることを目指す」という意味だと考えています。
これは特にMDプレイヤーなどで多いことなのですが、"カジュアル"の意味をはき違えている人がとても多いように感じました。よく、「カジュアルだから勝てなくて良い」「カジュアルだから調整適当」「純構築のカジュアルで組んでるからテーマカード全部3投してそれ以外のカードは認めない」という話を聞くのですが、それは”カジュアル”を盾に面倒なことから逃げている、アドバイスを拒んでいるだけに思えます。そしてそれは「組んでいるテーマ,カードの能力を殺している」のと等しいことです。カードが可哀想じゃないですか………

MDにおける”カジュアル”の環境

MDはリリース初期からずっとランクマッチを中心にデュエルが行われています。これは元々MDが比較的ガチ環境を前提として配信されたからです。しかし、もちろんガチ環境でデュエルする人以外にも、楽しい,面白いデッキを組んで遊びたい人も多く参入しています。これはとても良いことですが、MDとその周辺環境にはそのような人達が互いに交流し、構築を練ったり相談したりする場所が少ないように感じました。もちろん、交流する場所が無いわけではないですが、そのような場所で「それ弱いから使わない方がいいよ」「そんなの作るくらいならCPにしろよ」と心無いことを言われているのをよく見るので余り良い環境と言えません。またMDユーザーにカジュアルデッキの考え方がちゃんと浸透していないという理由もあります。カジュアルな環境を目的として設計されたであろう「フリーマッチ」は現状、デッキ構築の酷く歪んだ環境テーマ使いが9割でプレイングもお粗末なものです。(残り1割のプレイヤーはそうではないですが。)恐らくランクマッチで勝つことができないプレイヤーだと思われますが、これはデッキ構築やプレイングなどを知らず、カジュアルの考え方を持っていないからだと思われます。

私の場合、遊戯王を進めてくれたネットの友人が、マイナーカードを知り尽くして面白いコンボを開発しデッキにするのにとても明るく、そのおかげでカードとの向き合い方やデッキ構築などを学べました。このような小さなコミュニティもそれなりに存在するはずですが、コミュニティ同士が関わることがなく、閉鎖的でとても勿体ないように感じます。
また、紙の遊戯王も最近始めましたが、紙でもカジュアルな場は小さなコミュニティが多く、MDを取り巻く環境よりは遥かにマシですが、「遊戯王の日」程度しか大規模な交流場所が無いように思います。

このようなことから、MDにおける”カジュアル”の環境には
「正しい”カジュアル”を知り、カードや構築と向き合う方法を学ぶ」
「多くの人が”カジュアル”デッキの相談をでき、交流できる」

そのような場所が必要だと感じました。

まとめ

10000文字をこえる長いnoteを読んでいただきありがとうございます。
デッキ紹介と言いながら、後半はデッキ構築の本質や、カジュアル環境の問題点などを取り扱いました。騙された!!!
私はMDから遊戯王を始めた初心者で実績も無く、人を動かす力は無いですが、このnoteがきっかけにもっとカジュアルの環境が改善され、もっとたくさんのカードが研究され、日の目を浴びて欲しいと思っています。

最後にこのnoteの主題に戻りますが、ゴーストリックは弱いです!!!
しかしその中にはこんなに愉快なキャラクター達がたくさいます。是非、その個性的な子たち一人ひとりを活かせるようなデッキを組んでみて欲しいです!

映っているのはほんの一部!

組んでみたくなったと思うので、最後に私がゴーストリックのために溶かしたURを下に貼っておきます。今後スプライトや魔導、アンデットサポートなども増える予定です。絶望した方はRARITY COLLECTION -QUARTER CENTURY EDITION-《ゴーストリックの駄天使》が再録するので紙で組みましょう!

バカじゃん

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