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意識の濃度を薄めて
意識の濃度を薄めて、気散じの状態に身を任せてみることを忘れていた。もっと世界に触れるように、世界の一部だと感じること。自我という世界の外から抜け出して、世界になること。
自分の体温で温められた布団に温められるのが心地よかった。布団に溶け合って同化していった。寝ているだけでも、熱源として機能している自分が存在していた。
朝目が覚め、カーテンを上げると雲一つない空だった。柔らかな日差しが体を温めてくれるのを感じた。太陽にも生きることを支えてもらっていた。自分が熱源として機能しなくても、太陽が温めてくれる。そのことが生きろというメッセージだった。それがわかった気がした。
毎日同じ景色の中に、昨日とは違う風が吹いていた。円環の時間の繰り返しの中で、直線的な時間も確かに流れていた。
少しずつ、少しずつ、変化があって、壊れていく。繁栄の階段を登ることでもあり、破滅への道を行くことでもあった。どこを最終地点として切り取るかという違いでしかなかった。
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