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頭の中に音楽が鳴り響き

頭の中に音楽が鳴り響き、止めることができなかった。感情や思索に関係なく、流れ続けるメロディが、僕を押し流していくのだった。どこに行くのか分からない。どこに行きつくのかもわからなかった。
冗長に、無駄に繰り返しを繰り返し、無駄なことを無駄に繰り返すことが必要なことだった。それだけが必要だった。何故それが必要と言えるのか、確たる証拠などなかった。証立てる必要すらなかった。
それが「存在」という概念に関係があるという予感だけを感じていた。そんな予感が
体にまとわりついて、体の周りの空気だけが何か特別で不思議な温かみがあった。それだけでよかった。生きている。そう実感するということがどういうことなのか頭で理解する遥か手前でわかっていた。
生きているということは「ここにいる」ということだった。ここにいて、時間は流れる。ここにいるから時間が流れる時を重ねる。

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