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長女6歳の願い

長女は保育園で「制作」と呼ばれている活動に熱心で、鞄の中はいつも制作まみれである。くりえいてぃぶな女なのだ。早くも将来に暗雲が立ち込めている。

不気味な動物たち

純粋に作るのが楽しいのだろう。私の見立てでは、コミュニケーションの煩わしさが制作への過剰な集中を助長している面があるように思う。

彼女には彼女の世界があり、いちいちそれを他人に説明したりはしない。家にいれば彼女の兄が言わずとも彼女の意を汲むし、伝わらない相手に伝えようとするようなサービス精神は彼女にはまだ無いからだ。たぶん、長女は同年代の子供を幼いとみなしている。

三体文明を彷彿とさせる荒涼たる世界

彼女は強固な内面世界、尊大な自意識、それと裏返しの自信のなさを抱えている。そして親譲りの吝嗇。「こいつには言っても無駄だから、自分の頭の中を理解させられないならひとことも語る必要は無いから」と、コミュニケーションを省略する癖のようなものがある。

何かが偏って膨らみすぎると、手に負えないモンスターになるだろうと私は思う。というか、モンスター以外にはならない気がする。まったくピーキーな諸元だぜ。私にできるのは、せめて他者と協調し、多少なりとも社会の役に立つモンスターになるよう方向づけることだけだ。

人類に理解できない言語を操るカービィ

昨日、長女が七夕の短冊を持ち帰った。記された願いは、彼女の成長がまずまず順調であることを示唆している。

みんながげんきにそだちますように
(王者の風格)

どういう目線でモノを言うとんねんとは思うものの、他者の幸せを願っている点は好ましい。(お前もそだて?)

周りの人間が自分より下位の存在であることを自明としながらも、それらに対して慈悲深いとすれば彼女は理想的な王になるかもしれぬ。育成失敗のリスクは大きいが、私がやらなければならないのだ。めんどくせえ。

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