ウルトラマンもシンゴジラも好きだけどシン・ウルトラマンが面白く感じなかった話(ネタバレあり)

普段ネガティブ感想に時間を費やすというのは本当に時間の無駄だと思うのであまりやらないんですが、結構周りだと絶賛してる人が多くて疎外感を感じてしまったのと、急に気温が上がってやる気が起きないので書き留めることにしました。

あんまり建設的ではないし、初日のレイトショーで1回しか観てないので見えてないところもあると思います。

ネタバレ全開なのでそのつもりで。

先に結論を書くと、
つまらなかったと言うより期待しすぎた結果思った程ではなかったというのが面白く見れなかった最大の原因だと思っています。


私の視聴者属性

・庵野監督は別にファンではない(リアルタイムでエヴァについていけなかったオタク)
・シン・ゴジラはとても面白くて何度か観た
・ウルトラマンは初代全部見てて後は昭和ウルトラシリーズをつまみ食い
・平成ウルトラマンはほぼ観てないが令和に入ってウルトラマンZとジードを観た
ウルトラオタクと言うほどではないがウルトラマンそれなりに好きという立ち位置。


評価

脚本 ★★☆☆☆

基本的な流れはウルトラマンを踏襲しつつ、他作品からのモチーフや庵野監督の解釈を持ち込んだ感じのシナリオでしたが、特に後半はかなり盛り上がりに欠けたシナリオだったと思います。
最初は異質な存在だったウルトラマン=神永が人間を理解し、人間の為に命を投げ出す覚悟をするというのはウルトラ物の鉄板だとは思いますが、怪獣(敢えてこう書く)のシーンに時間を割きすぎて十分に描かれてたとは言い難いです。
バディものとして見ても、浅見とすれ違いを見せる序盤から徐々に信頼を深めていくという流れだとは思うのですが、神永が浅見にβカプセルを託す気になった心理も分かりにくかったし、浅見も一方的に神永に巻き込まれているだけな感じが強くて、どうしても唐突感がありました。

一応この辺り、浅見は最初からウルトラマン自体を美しい・自分たちの味方だと捉えているので、ウルトラマン=神永なら無条件で神永を信用できたのかもしれませんが、ウルトラマンのテーマというのは宇宙人であるウルトラマンと融合した人間の相互理解の話でもあると思うので、人間である神永との相互理解をすっ飛ばしたように見える描写は正直残念でならなかったです。

また、正直登場した怪獣の数が多すぎて色々描き切れてないなと感じました。
特にザラブ星人は正直いらなかったと思う。一応ザラブ星人によってニセウルトラマンが出たことで、ウルトラマンは敵になりうるということを人類に示す効果はあったと思いますが、そこはメフィラス星人だけでもなんとかなると思いますし、メフィラス星人はかなりいい感じだったので、むしろメフィラス星人をもっと早くから出してメフィラスと彼が背後で操る怪獣vsウルトラマンを中盤の主軸にしてた方がすっきり見れたと思う。
ザラブ星人挟んだせいで、立て続けにメフィラスに騙される政府が無能にしか見えないし、そのせいでメフィラス星人が老獪な宇宙人って感じが薄れてたと思う。
というかぶっちゃけザラブ星人、庵野がニセウルトラマン出したかっただけでしょ?っていう感じ。

ゾフィーが人類の敵対側ってのは好みが分かれるところではあると思います。私は正直嫌だったけど、シナリオとしてはゾフィーが最終兵器ゼットンを連れて来るってのは良かったとは思う。
辺境の未開の地球人が実は兵器の宝庫だったというのも設定としては面白かったです。
ただ、なぜ怪獣が日本にしか現れないかという辺りとかはもっとちゃんと説明して欲しかったな……(メフィラスが起こしてたから?なら何故日本?御しやすいから?)

特撮 ★★★☆☆

特撮部分については私は令和のウルトラマンZを観て今のウルトラシリーズの撮影技術の上がり方に感動していたという背景もあり、ちょっと辛めに見てるところがあるかもしれません。
まず全体的に、駄目だったわけじゃなくてそれなりにきちんと出来てたとは思います。
部分部分では、これはすげーという描写もありました。変身するときにウルトラマンの手が神永を包み込むところとか、ゼットンのアホみたいなデカさとかはなかなか良かった。
ただ……昭和のウルトラマンと比べるならともかく、ここ近年毎年のように新シリーズが作られている本家ウルトラシリーズからすると、正直物足りないなーと感じる部分が多かったです。
特にカメラワーク。ウルトラマンZのカメラワークとか本当にすごかったからね。知らない人は是非7話とか観てみてください。

他にも、ウルトラマンがニセウルトラマンの掌に乗った浅見を蹴り上げて助けるシーンとか、「いやそれ死ぬだろ……」って思っちゃいました。なんか設定があるのかも知らんけど、全然画面からそう言うの分からんかったし。
特に中盤以降の市街地戦は重量級の巨人同士が戦っている感じが薄かったように思います。ウルトラマンの動きも変にぬるぬるしてたし。
もっと最近のウルトラマン撮った人入れれなかったのかな……

巨大浅見とかも巨大フジのオマージュなのでしょうけど、折角やるなら髪の毛がビル壊すとか入れればよかったのに……
スカートの中身が検閲されてたのは笑いましたが……

まあ、CGとかよかったし、変身とかゼットン回りは面白かったので、これは正直悪かったというよりは近年のウルトラシリーズのレベルの上がり具合により期待値が高すぎたということなんだろうなとは思います。
昭和のウルトラマンしか知らなければ十分凄かったかも。

音楽 ★★★★☆

音楽面はなかなか良かったと思います。
過去のウルトラシリーズから持ってきた音楽もなかなかハマってたし、米津玄師の主題歌も良かったです。
ゼットンのシーンとかはなかなか心に来ました。
ただ、結構シナリオとか映像面でテンション下がって観てしまったので、あんまりしっかり入ってこなかった部分はあったかも……
あとワンダバなかった気がする。

役者・演出・その他 ★★★☆☆

ウルトラシリーズの定番としてはくすっと笑えるシーンが多く、今回は割と長澤まさみがその役割だったと思いますが、個人的にはいまいちでした。
巨大化後の動画がアップされたところや一斉に消えところはくすっと来ましたが、匂いのシーンとかはちょっと引いてしまった……
や、別にフェミがどうこうは言うつもり欠片もないんですが、終盤のクライマックスに持ってくるコメディとしてはちょっと下品が過ぎるというか……

あと、ウルトラマンだとマッドサイエンティスト枠も結構あると思うのですが、船縁さんがその枠かと思いきやあんまりそんなことなかったので残念。
全体的に禍特隊はもうちょいクライマックスまでに個々の活躍を見せて欲しかった。

メフィラス星人・山本耕史 ★★★★★

完璧でした。
メフィラス星人・山本耕史を見られただけでもこの映画を見た価値はあったなというくらいに、胡散臭いメフィラス星人を演じてました。
いや、もうむしろ山本耕史自体胡散臭いだろ!(失礼)

「私の好きな言葉出です」絶対流行る。

それだけにもっと早い段階でメフィラス星人を出してたらもうちょっと他の点も評価できたと思います。
メフィラス星人総集編がつべとかに上がったら見たいので公式さんお願いします(無理)


という感じで、割と愚痴ばっかりな評価でしたが、まあ合う合わないありますからね……

どっちかっていうと、つまらなかったというより、シン・ゴジラの徹底したリアリティと近年のウルトラシリーズの映像の凄さから勝手に期待しすぎた結果、期待したほどじゃなくてがっかりしたというのが正解なのでしょう。

私はお話として面白いものがまず何より一番好きなので、庵野監督のような拘りとか考察を求める作品は合わないのだなと実感したのでした。
シン・ゴジラが特別だったんだよ……

シン・仮面ライダーもそんなにハマる気がしないので、様子見かなと思います……あんま仮面ライダーは思い入れないしね。


あ、あくまで個人の感想ですし反対意見批判等はご自由にどうぞ。


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