マガジンのカバー画像

展覧会めぐる記録

8
自分の書いた記事の中からなんらかの展示にいっためぐりめくる記録 未熟でも
運営しているクリエイター

#現代アート

わたしの読む久保田成子と私

 見るってなんだと思いますか。目の前にりんごがあったとして、それを目でとらえたときに、これはりんごだなって思うことでしょうか。それとも、それをりんごだと認識したうえで、このりんごはよく熟していて赤いなあ、などと思うことでしょうか。  先日、国立国際美術館で久保田成子展を観に行きました。少し日をあけてこの記事を書こうとしていて、わたしは何を書こう、と少し迷いながら書きます、書くことと思います。その逡巡の中で、過去を思い出すこと以上に、過去を現在からどう見るのかを、自分の中では

ふたつの宇宙空間をみている

 ピピロッティ・リスト展、わたしはもう行くのをあきらめていたんです。ところが昨日の二限終わり、ふとTwitterを開くとこんなつぶやきがありました。  これを見てわたしは猛烈な行きたいという気持ちに襲われました。平日の昼間から京都に遠出なんて、不安症で電車が苦手なわたしではありえないことです。それでも、行こうと思ったのです。  案の定わたしは地下鉄に乗るのに苦労します。閉鎖空間として地下鉄は最高の空間ではないでしょうか。トンネルに閉じ込められ、さらに電車にも閉じ込められる