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顧客の視点

ケース・スタディ

あなたは9時過ぎに銀行に問い合わせをしました。まず、邦銀のA銀行に問い合わせをすると、「この内容につきましては、支店長の確認が必要ですので、本日12時までにこちらからご連絡致します。」と言われて電話を一旦きりました。そして、約束の時間の10分前に、A銀行から正式な回答がきました。次に外資系のB銀行の場合です。B銀行に問い合わせをすると、「この内容につきましては、支店長の確認が必要ですので、本日の閉店までにこちらからご連絡致します」と言われて、電話を一旦切りました。そして約束(閉店は15時)の2時間前の13時頃、B銀行から正式な回答がきました。さて、あなたは、どちらの銀行を高く評価しますか?

教訓

オーバーコミットメントは止めましょう。契約や約束(コミットメント)をする場合、顧客の期待水準を上げ過ぎると、努力したことがあまり評価されないことがあります。

A銀行は、11:50分に連絡していますので、B銀行の13時より1時間以上早く回答しています。冷静に2つの銀行を比べてみれば、A銀行の方が努力していますし、早く回答していますので、高い評価を得られるはずです。

しかし、問い合わせをした顧客の立場に立って考えると、A銀行の「12時までに」と言われれば、11:30分頃から電話を待つ気分となるのが自然です。ところが、やっと10分前に電話があったわけで、待ちくたびれた気分となるでしょう。B銀行の場合、閉店は15時ですから、2時間前の13時に電話が来れば、早いと感じます。つまり、B銀行の方が顧客からは高い評価を得ることになります。時間的に努力をしたのはA銀行です。しかし、回答までに時間がかかったB銀行の方が高い評価を得る。身の回りには似た話しは良くあることです。計画段階でかなり無理な納期を提示し、結果的に納期遅れとなる。努力したのに顧客から評価されない。オーバーコミットメントは止めましょう。


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