大学生×☁️×🀄️
「これ、今日の負け分だから」
全自動卓上に置かれた1枚の紙。
目に入れないようにしていたのはその紙に書かれていた数字だった。
これで今月はいくら負けたんだろう。考えたくもない数字が勝手に脳裏をよぎる。今日も一人沈みだ。
「なーに、気にするなって、麻雀は運ゲー、運ゲー。いつか取り返せる日も来るさ」
そう肩を落としている俺に声をかける湧原。 この日は大学サークルメンバーとセットをしていたのだ。
「…本当に…本当にそれだけなのかな」
何事に関しても人1番負けず嫌いな俺だが、この時ばかりは張り上げる声も出ない。
「まあ、なぐもは俺らに比べて麻雀歴浅いしなあ。しょうがない部分はあるんじゃないの?」
そういうのはサークルでは女子から人気が高い夜城。本人によると「天鳳」という麻雀オンラインゲームで7段まで到達したことがあるらしいのだが、その凄さはイマイチ俺にはピンと来ない。
「でもそんなに強くなりたいならメンバーすればいいんじゃないの。オンレートのお店で働いたら嫌でも強くなるでしょ。お給料もかかってるわけだし。」
なるほど、早く結果を求めるなら環境から強引に変えればいいという湧原の意見にも一理ある。
とりあえず面接だけでも受けて話を聞いてみよう。
俺はその次の日にモノレールに乗って、面接へと赴いた。
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