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東野良平と小野カズマ

劇団「地蔵中毒」【母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた(原作・カラマーゾフの兄弟)】を観劇、毎度タイトルがうるさいですが非常に楽しませていただきました。
今回地蔵中毒に出演していた東野良平さんと小野カズマさんは、以前僕が所属していた劇団に何度か出ていただいた事があって、2人の事を書いてみたくなりました。

東野良平さん、本当に素敵な俳優さんです。
僕が思う俳優さんに有ると助かる特徴の一つとして「文字に慣れている事」を挙げます、それが抜群に優れているのが東野さんで、これがあると初っ端の読み合わせの段階で細かい言葉のニュアンスや音、間、キャラクター性等を台本から汲み取ってある程度表現してくれるので非常に楽です 笑(楽しようとすんな)
特に僕がやっていたような貧乏コメディ劇団の主宰(僕)は作家・演出・音響・小道具作り・お金の工面・面白ツイートなんかに追われるので、こんな方が居ると正義のヒーローを見てるみたいでとてもウットリします。
一度稽古中に僕の至らなさで1人の俳優さんから「このセリフは何が面白いの?」と言われた事があります(ここまでストレートな言い方でも嫌な感じでもないです 笑)
その時僕は咄嗟に上手く説明出来ず、眉毛をハの字にしてアタフタしてたのですが、東野さんが会話に加わってくれて僕の言葉を捕捉するように説明していただき納得してくれました、あの時は稽古を少し止めてしまったのでみなさんに本当に申し訳なくてかなり反省しました、それと同時に思ったのが、東野さんは自分のセリフだけじゃなく他の方のセリフも読み込んで一つ一つを正確に理解して臨んでるという事。読み込むだけなら誰でも出来ますが「一つ一つ正確に理解する」という点、これは中々出来る事じゃないです。誠実で聡明、俳優さんとしても人間としても本当に信頼出来る人です。


小野カズマさん、今回の公演で個人的に一番輝いて見えました。
自分で言うのもなんですが、普段僕はかなり頭がおかしく口が悪いので気を付けているつもりなんですが、排気口という劇団の公演終わり、出演していた小野さんと初めて会った際に開口一番「ブサイクですね」と言ってしまいました、何の助走も無しにです。
普通なら「はあ?????」だと思うんですが、なんだかこの人笑ってくれるんじゃないかと思って言ったら案の定、というか逆に迷惑なくらいデカい声で笑ってくれました、なんて寛容な人間なんだとそんな事を言っておきながら思ったのを覚えています。
ある日の稽古の休憩中、2人で他愛もない話をしてる時、僕が何の気無しに言った事で小野さんが笑い過ぎてしまい小ゲロを吐いた事があって「ああ、俺は遂に人を吐かせるくらい面白い事を言えるようになってしまった…」と天を仰いだんですが、聞けば時々そういう事があるそう(どういう事?)小野さんは誰の言葉の前でも真剣に向き合っているんだと感じます。そして場の空気を読む事に長けている彼はいつでもどこでも馬鹿を演じれる。本番が近づくとどの劇団も緊張から少なからず殺伐とするものですが、彼が居ると不思議と和らぐ、チームにとって一番重要なムードメーカーになってくれます。
真面目過ぎるほど真面目で仲間の悪口を言われるのが一番嫌い、こんなに愛おしいと思える同性は他にいません。


今回は比較的共に過ごした時間の長い2人の事を書きましたが、地蔵中毒、本当にみんな素晴らしかった。お客様を楽しませたい一心でこんな時代に戦っている彼らや、沢山の劇団に最大の賛辞とリスペクトを贈ります。
皆様もどうかどうか、応援よろしくお願いいたします。

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