出会いはスローモーション

海外ではごはんに苦戦する。

ビールばっかり飲むし、野菜不足になりがち。

便秘と下痢を繰り返すことが多い。

そんな私にもベトナムごはんは優しい。

口に合うし、野菜もたっぷり取れる。

生まれて初めて食べるグルメたちに囲まれて、大満足な食生活だ。

「アート見に行くよ」

啓祐兄さんからLINE電話。

アート!?

ベトナムにはすごいアーチストさんたちがいるらしい。

普通に絵は好きな方だし、
ギャラリーにお供することにした。

ゴイーーーン。

丸太で頭をぶん殴られた。


ように感じた。

ギャラリーの3階で
私は一枚の赤い絵の前から
ショックで動けなくなった。

うおー!うおおおい!
 

全身に鳥肌が立つ。

声は出ない。

しかし涙は出そうになる。

色つき油を乗せただけのキャンバスが
1人のおっさんをフリーズさせる。

これが画力か。
アートのチカラか。

感動という言葉で片付けてしまうのも違う。

この気持ちを何と呼ぶのだろう。

心がじんじんしているが、
うまく言語化できない。


あいみょんならできるのかな。


その後、私は3日で5回この絵を見に行くことになる。


恋と同じ。
出逢ってしまったものはしょうがない。

しょうがないのだ。

日本に帰る飛行機が出る6時間前、
私はこの絵の前に立っていた。

そして


買っていた。


佐賀までの配送の手続きを済ませお支払い。

クレジットカードの限度額不足。。。←マジ


「兄さん、ちょっとお金貸してください」

ベトナムではよく鳥肌が立つ。

つづく

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