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日本百名山「甲武信ヶ岳」と埼玉県最高峰「三宝山」(1/2)

 梅雨の晴れ間、一時的に南岸低気圧が強まったので週末関東近くは晴れるらしい。その代わり昨日一昨日と熱帯夜が続きエアコンをかけないと室温が32度から下がらない。
 標高が1,000m上がると気温は6℃下がるのだから、2,000mオーバーのテント場に行けば12℃下がって涼しく眠れるはず!ということで今回は甲武信小屋(標高約2,400m)にテント泊しに行くことにしました。
 今回は1泊2日で日本百名山「甲武信ヶ岳」と埼玉県最高峰「三宝山」に登るコースをご紹介します。

時期

7初旬月 梅雨

アクセス

 東京から中央線で山梨市駅まで2時間20分(新宿から特急利用で約1時間40分)
 山梨市駅から山梨交通バスで西沢渓谷入口まで約1時間
※塩山駅からもバスが出ていて早く着きますが平日は夏季特定期間のみ運行なので注意しましょう!

紹介ルート

 1日目 西沢渓谷入口バス停~甲武信ヶ岳登山口~木賊山~甲武信小屋(テント設営)~甲武信ヶ岳~木賊山~甲武信ヶ岳~甲武信小屋(テント泊)
距離:10.5km 登り:1,714m 下り:467m

西沢渓谷入口バス停~甲武信ヶ岳登山口

 山梨市駅からのバスだと西沢渓谷入口には10時到着します。自動販売機はありませんがバス停横の東沢山荘内のレトロな冷蔵庫で飲料等も買えます。ついでに、ここのよもぎ餅は名物ですので行動食に何個か買っていきましょう!
 少し先に歩けば登山口近くに最後の公衆便所があるのですが、本日はバスの中からトイレに行きたい気分だったので国道140号の方に少し戻ります。左手に駐車場と公衆便所があるので立ち寄っていきます。
 さて、それでは登山を開始しましょう。と言ってもしばらくは舗装路歩きです。東沢山荘前を真っすぐ歩いて行くと高架をくぐった先に車止めのゲートがあります。こちらに登山届ポストもありますので、登山届を出していない方はこちらで提出しましょう!。私は山梨市駅でCOMPASSを使って提出済!

 この時点で既に標高は約1,100mあります。木蔭が多く沢沿いのせいか下界より意外と涼しく歩けました。そもそも西沢渓谷自体が綺麗な滝の名所で、この道をそのまま歩いて滝を観て歩くだけでも十分楽しめます。お勧め(混雑)は秋の紅葉時期です。
 暫く歩くと最後の公衆トイレがあります。結構立派です。近くに大嶽山那賀都神社(だいだけさんながとじんじゃ)のお社があります。大山祇神ですので安全登山をお参りしていきましょう!

最後の公衆トイレ

 公衆トイレの少し先に甲武信ヶ岳の登山口がありますが、最初の登山口は「近丸新道」の登山口です。こちらの方が面白いらしいのですが、ここでいう「面白い」は「スリルがある」という意味なので初心者・初級者は止めておきましょう。私も本日は甲武信小屋のテント場を予約した際に「徳ちゃん新道で来てくださいね」と念押しされたので、近丸新道をパスしてもう少し先に進みます。
 少し先の樹林帯に旧山荘跡と思われる建物があります。その手前に「徳ちゃん新道」の看板があるので本日はここから登っていきます。

甲武信ヶ岳登山口~木賊山

 樹林帯を進んでいきます。最初非常になだらかなイメージですが「ちょっとだけ急」と「なだらかに戻る」を繰り返しているうちにいつの間にか急坂になっていることに気づきます。
 息が弾んできた頃に今度は本格的な急登が現れます。とはいえこの辺は急登といっても岩や木の根等の段差がほとんど無く、自由にステップ幅を決めて歩けるのでゆっくり登って行けば何とかなります。
 その後もなだらかな区間と急登区間が繰り返されますが下りはほとんどありません。樹林帯でビューポイントもなくひたすら修行の様な登りが続きます。

新芽が明るい緑

 やや尾根が細くなり右下に近丸新道が近づいてくると岩が増えて段差が目立っ様になります。近丸新道分岐の看板で標高約1600m程、まだ半分弱しか登っていまえんが既に結構バテバテです。東沢山荘で買ったよもぎ餅で力をつけながら登っていきます。
 近丸新道と合流した場所かっらは「戸渡尾根」になります。急登が始まると、ここまでは未だウォーミングアップだったことを思い知らされます。季節(6月頃)が良ければハクサンシャクナゲの名所なので綺麗な花に癒されながら登れるのですが、残念ながら今回は花は落ちてしまっていたのでこの区間も厳しい修行が続きます。既に夏まっさかりの新緑に覆われているため木蔭に守られている反面、振り向いても景色を楽しむことができません。先は長いので修行と割り切り焦らずゆっくりと登っていきます。
 艱難辛苦を乗り越えて標高2,350mまで到達すると苦しい登りも終了です。道がなだらかになり一か所だけですが稜線上で木々が開け、左側に国師ヶ岳、金峰山、大菩薩嶺、そして富士山などの展望が楽しめます。

中央右側、国師ヶ岳と金峰山

 標高2,440mでやっと破風山・雁坂峠方面分岐に到達。ここから右に少し下って木賊山を迂回して巻き道で行った方が楽なのですが、本日は久しぶりなので木賊山経由で甲武信小屋に向かいます。
 木賊山までの道はなだらかで楽々。木漏れ日を感じて楽しみながら歩いて行きます。
 左から上級者バリエーションの鶏冠尾根からの道と合流した少し先で木賊山の山頂が現れます。以前はもっと地味だった気がしますが、新しい標柱などが増えて山頂らしくなっていました。三等三角点やベンチはありますが展望は全くありませんので記念写真だけ撮って甲武信小屋に向かいましょう!

木賊山山頂

木賊山~甲武信小屋

 なだらかに下った先で木々がパッと開けて砂地にでます。正面には今回の目的地である甲武信ヶ岳と三宝山を綺麗に見ることができます。左の方には八ヶ岳の連なりが見え、思わず足を止めて写真を撮ってしまうでしょう!

とんがりが甲武信ヶ岳、右の丸いのが三宝山、奥の方が八ヶ岳

 この展望地からは下りが急になります。砂地でもあるので足を滑らせない様、慎重に降りていきます。
 一旦森の中に入って暫く下ると小屋があります。本日の宿泊地、甲武信小屋に到着です。この日は平日で、塩山駅からのバスがまだ出ていないせもあって予想通りテン場はガラガラでした。余裕をもってテントを張ることができそうです。
 店頭設営前に先ずは小屋で受付です。テントは1000円/張。水=100円/Lでした。夜中にトイレに行きやすい上段の良い場所にテントを設営することができました。

甲武信小屋のテント場の様子

 さて寝床を確保したところで未だ15時頃。雲も多くなってきた様で、梅雨時は天候も急変しやすいので登頂を明日にせず、天気の良い今日のうちに登っておきます。サコッシュの行動食とナルゲンの水1Lを持って山頂へと向かいます。

甲武信小屋(テント設営)~甲武信ヶ岳~木賊山~甲武信ヶ岳~甲武信小屋(テント泊)

 甲武信小屋の左側から登っていきます。ここまでで疲れているせいかちょっと急坂に感じますが、山頂までの距離は大したことがなくすぐに甲武信ヶ岳に登頂できました。石垣で一段高い場所に建てられた立派な山頂碑が立っています。

甲武信ヶ岳山頂

 国師ヶ岳や金峰山の向こうには北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳の山頂もひょっこり見えていて非常に良いビューでした。
 ちなみにここから見える三宝山山頂は結構遠そうに見えます。コースタイムでは片道30分の様ですが、本当に往復1時間ほどで帰って来れるのか?と心配になりながらも三宝山へ向かいます。
 甲武信ヶ岳からの下りは結構急ですが40mほどでなだらかになります。その先はうねりながら2700mほどまで下った後、登り返します。道は結構整備されていた様ですが雨の浸食で木段が崩れたりしていて最近はあまり手入れされていないのかな?という感じでした。
 暫く登りかえして縞枯れ地帯に出たら山頂はすぐそこです。広場があり、左手に埼玉県最高峰の山頂碑と一等三角点がありました。

埼玉県最高峰の三宝山

 残念ながら展望はなく、小さな羽虫がやたらと飛んでいるのであまり長居はせず来た道を戻ります。
 甲武信ヶ岳直下まで戻ると甲武信小屋へ直接戻れる巻き道分岐がありましたが、雲が晴れて景色が良くなっている可能性も考えてもう一回甲武信ヶ岳に登りました。
 2度目の頂上でも残念ながら雲はあまり晴れていませんでしたが、富士山だけは少し雲から出て大きくなったように見えます。ちょうど山頂に来ていた方とお話ししながら、夕日がきれいに見えるか?と西方向の雲の流れを暫く観察しましたが、本日は地平線に雲が多く綺麗な夕日やアーベントロートは期待でき無さそうでした。
 仕方がないので明るいうちにご飯を食べるためテン場に戻ることにします。

テン場飯と星空

 テン場にも小さな羽虫が多く煩わしかったので甲武信小屋でビールを買い(350mlで600円)、持ってきたトリスの小瓶と共にシェラカップに注いで楽しんでいるうちに虫も気にならなくなりました(単なる現実逃避)。幸い蚊の様に刺すわけでもなく、シェラカップや食べ物に突っ込んでくるタイプの虫じゃなかったので、飛んでいるのを気にしさえしなければ無害の様です。
 本日のご飯は「まいばすけっと」で見つけた冷凍チーズインハンバーグや味付けカルビでしたが、どれも美味しくて大満足でした。ちなみに、冷凍状態で100円ショップの保冷袋に入れて持ってきましたが、夕食時にはすっかり解凍されていました。

疲れをとるためにも肉が良い山のテン場ご飯

 食後はテントに潜り込んで寝ようと思いましたが湿度が高いのが原因なのか?よく眠れませんでした。気分転換にトイレに行こうとテントから抜け出ると満天の星空が輝いていました。梅雨なので夜空は期待していませんでしたが、久しぶりに素敵な星空が堪能できました(タイムラプスで取りましたので動画をご視聴ください)。

動画

https://youtu.be/KmOIQiKf1wk


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