2023年 6月 副住職だより【好青年】

 最近ある方から「〇〇さんは好青年ですよ」という紹介を受けました。私は「好青年」という言葉にとても違和感がありました。好青年の基準とはいったい何なのでしょうか。続けて話を聞いていると、好青年という言葉はどうも「自分にとって都合の好い」青年という意味合いで使われることもあるのではないかと思った次第です。

 私たちは自分にとって都合の良い希望や願いを持ち、自己中心的に生きる存在です。ですが私の都合の良い希望や願いを持ち、行動ばかり続けていくと、お互いに衝突、果てには戦争などが起こってしまうと思います。

 しかし、いま阿弥陀如来さまのおさとりのはたらきをお聞かせいただきこの私は、煩悩を抱えるものであると気づかせてくださいます。こうした煩悩のある自分を知らされていく姿とは阿弥陀如来様の教えに出会っていく私の姿でもあります。

 西日本のお寺ではご門徒さまが小さいお子さんに「阿弥陀さんがみているよ」と仰ったりしますが、このわたくしが阿弥陀様の願いに出会ったとき、はじめて阿弥陀様の物差しではなく自分の物差しで人を比べたり区別していたことに気づかされます。そして命終えたと同時に煩悩が滅せられ浄土の仏となる身と、仕上げて下さいます。
 
 今後ともに浄土真宗のみ教えを聞かせていただき、真実を依りどころとして、お念仏申す人生を歩んでいきましょう。

サポート頂きましたお布施は全てみ教えををお伝えするための、日々のお寺の活動に還元させて頂きます。