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RASCAL CLAN 2nd ONE-MAN LIVE

開催概要

2022/6/26 RASCAL CLAN 2nd ONE-MAN LIVE@代官山UNIT 
OPEN 13:00 START 13:30

まとめ

デビュー8か月にして驚くべき楽曲のバラエティと数、そしてパフォーマンス力の高さを見せるグループの集大成としての大ボリュームの2ndワンマンライブ。想像以上の内容の濃さにまだ余韻さめやらない感じがする。

もともとボリュームの多さが予告されていたが、その時点での曲数は直前に発表された "ずきゅぴ” を含めて15。デビューからの時間を考えるとこれでもすごいことだが、個人的な感覚としては盛りだくさんで長尺のワンマン、というと20曲超、2時間超というあたりの印象がある。それには5曲ほど足りず、これがすべて新曲で追加されるというのはやっぱり難しそうだった。だが思わぬところに可能性が潜んでおり、生誕オリジナル曲として主にソロ曲として披露された6曲をここでグループ曲化するという予想外の展開で20曲をクリアしてくる。とはいえ "ずきゅぴ" の使われ方だったりいくつかの伏線やヒントはあったので、予想できた選択肢だったかもしれない。この日の7曲目として "ゾンビパフェア・ラ・モード" が流れることでこの仕掛けが明らかになった。6曲全部が入ってくるのはほぼ確実であり、この時点でこのワンマンへの期待度はさらに上昇した。

この日グループ曲化された生誕オリジナル曲は下記の6曲と発表済みの "ずきゅぴ"。
"Alstroemeria" (作詞:雫月ノア / 作編曲:KUMA)
"ミカンセイ" (作詞:一ノ瀬いまり / 作編曲:ゆよゆっぱ)
"ゾンビパフェア・ラ・モード" (作詞:柏木椎名 / 作編曲:RYO-P)
"moon" (作詞:榎本りょう / 作編曲:TJ♭)
"True Color" (作詞:日菜森めぶき/Jun Kuroda / 作編曲:Jun Kuroda)
"Yeppy World" (作詞:陽向にとり / 作編曲:Füga-Füca)
"ずきゅんvsきゅぴるん=進め!" (作詞/作編曲:ミナミトム)

改めてグループ曲として聴く生誕曲の数々は、これまで再演される機会がほとんどなかったため新鮮さがあり、さらに全部作曲者が異なるという特徴からもジャンルの幅広さや、それぞれが単体の曲としても既発曲と比べて遜色ないかそれ以上の名曲であることが示されていく。中には生誕本番以来初披露のものもあり、改めて聴き入ってしまった。この6曲のグループ曲化によりただでさえ多かった楽曲の数やバリエーションがさらに増えるということになった。

本編中は生誕曲と既存の曲を交えながらのセトリが展開されていったが、全くといっていいほど違和感なく流れができていて、楽曲の持つ力もそうだしメンバーのパフォーマンス力もライブ経験を重ねることで相当に上がっていることがうかがえた。1stワンマンのピューロランドはひとつの特別な遊び場、ショーを作り上げたという感じで通常のライブと比較対象にはなかなかならなかったが、今回代官山UNITで開催したことで、同様のライブハウスでの他のワンマンライブと初めて並べることができ、ライブの力としてはやはり(世の中すごい人たちはたくさんいる中でも)トップクラスにいるということが確信される出来だったように思う。実際下記に示すような2021の優秀なワンマンライブと比べてどちらが良いかといわれてもすぐには結論が出ない、というくらいには一線級と肩を並べている。

2021年のベストワンマンライブ集
2021/10/16 Kolokol ONE MAN SHOW「Universe」
2021/12/21 クロスノエシス 4th one man live「 blank 」
2021/12/24 ヤなことそっとミュート バンドセットワンマン 「DEPAYSEMENT」
2021/12/27 situasion 2nd one man「I would prefer not to」

そして今回オープニングで最初のSEとしては1stワンマンと同様に "RINNE" ではない独立したSEが使われており、これはその後に "SETSUNA IN MY BLOOD" の原型になったインスト曲。メロディも雰囲気もとても美しい広がりを持ち、それに合わせての歌のないパフォーマンスがライブへの期待感を盛り上げる。改めて "SETSUNA IN MY BLOOD" 公開後に聞くと初出時とは印象も変わって聞こえてくるのが不思議なところ。続いて "ゼツ" の時に音源(オケ)が違うことも明らかになった。一聴、代官山UNITの音響がすばらしいことで印象が違うのかと思ったが、その後聴いていくと音自体が違っていることがわかる。バンドサウンド風になっていて格好良く、さらには会場の特性もあいまって低音もよく効いている。リズムラインがなかったところに入っていたりという違いもある。オケのグレードアップというのは再録やリミックスした場合にはあるが、この短期間で起こるのはなかなか珍しい気がした。新音源は今回の代官山UNITという会場の性質とも合っているしライブの完成度という点でも素晴らしいグレードアップといえる。

全員化された生誕曲の話に戻ると、(直後のスペースなどで)歌割りが大変だったという話もあったが、もともとがソロ曲ということで各メンバーがそれまであまり歌っていなかったようなパートを担当するなど新鮮さがあった。各メンバーいろいろな歌い方を使い分けていたり音の高さも普段と違ったりして、特に "True Color" における関根紬さんは印象に残った。それから何度か入ったMCの内容については特に何も決めてなかったとのことで、その分それぞれのその場の感情がそのまま伝わってくるものになっており、特にワンマンという場ではよかったのではないかと思う。ことMCにおいてはあらかじめきっちり作り上げられた綺麗さでなくても良いのではというのは普段から思っていることでもある。

そして代官山UNITのフロアの様子としては、完売はならなかったものの最近のここではよく埋まっていた方ではないかと思う。この会場で結構入ってるな、と思ったライブと似た印象があり、その様子は集合写真でも伺えると思う。もっと大きいライブハウスとかホールなどでも見てみたいところである。総合してこのライブを振り返ると、20曲超2時間超という長尺で現在の集大成としての内容の濃いワンマンを実現した、ということになり、これは実績あるグループでは見ることができるものだが、1年足らずでここまできているというのがこのグループの持つ力のすごさを物語っている(しかも音源や映像も限定的にしかない状態)。いわば武器をまだ隠している状態といえるかもしれない。いったん集大成を見せた後、展開がどうなっていくかはわからないものの、今後も大いに期待しつつ追いかけたいと改めて思ったライブであった。素敵なステージをありがとうございました。本当にお疲れ様でした!

セットリスト

1 SE (21:58)
2 ゼツ (24:42)
3 クロスファイア (28:20)
MC (32:06)
4 ずきゅんvsきゅぴるん=進め! (35:18)
5 ユーアンドミー (38:54)
6 春より青い夏 (43:36)
7 ワンフレーズ (47:59)
8 ゾンビパフェア・ラ・モード (51:40)
MC (55:14)
9 Yeppy World (58:56)
10 SEASONS (1:03:20)
11 ミカンセイ (1:07:53)
12 Show me light (1:11:32)
MC (1:15:47)
13 moon (1:18:56)
14 True Color (1:23:00)
15 IRIS (1:27:12)
16 Alstroemeria (1:31:07)
MC (1:34:44)
17 SETSUNA IN MY BLOOD (1:41:36)
18 夜更けRTA (1:45:30)
19 Phoenix (1:49:43)
20 アウトサイドボックス (1:53:31)
MC (1:56:16)
21 No Border (1:57:48)
EN1 RINNE (2:06:42)
EN2 ゼツ (2:08:41)
EN3 クロスファイア Side-B (2:12:22)
MC (2:16:07)
EN4 ずきゅんvsきゅぴるん=進め! (2:19:25)

https://note.com/guitauge/n/ne586eec4cec3

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