指のタコはギタリストの勲章なのか
街で紳士に声をかけられる。
「お兄さん、さてはギタリストですな?その指先を見ればわかりますよ。私のヴィンテージを授けましょう。」
夢みたい。まあ、夢でしかないが、ギタリストのあるあるとして左手の指先の皮膚が分厚く硬化している事がある。考えてみれば、指にとって細い金属線を木の板に押し付け、何ならそれを押し曲げるなんて行為は拷問でしか無い。やっているにつれて皮膚が硬くなるのは自然なことだと思う。がしかし、これには問題がある。厚くなりすぎた皮膚が剥がれはじめると、弦に引っかかって弾きづらい。特にベンドやスライドがかなりやりづらくなる。
私も一時期、中指や薬指の指先が剥がれてきて支障をきたしていた。どうしたもんかと悩んで色々調べてみたところ、上手い人は案外指先がガサガサしていないことに気づいた。私と上手い人の違いはなんだろう・・・と考えてみたところ、押さえるときに力が入りすぎてるんじゃないか?ということに気づいた。ギターをやっていて、数年に一度盲点に気づくことで伸び悩みがすっと解決される時がある。今回もまさにそれ。
考えてみれば当たり前のことで、指をなめらかに動かしたいと考えたときに、ガチガチに力が入っていると逆にその動きを縛ってしまう。そもそもギターの音程は金属の弦が金属のフレットに当たることで振幅が決定される。つまりはフレットにさえ当たっていれば良いわけで、指板の木材にギチギチに押し付ける必要なんて無いのだ。力んでしまうと指が動かないだけではなく、ビブラートが上手くかからないし、フレットの摩耗が早く進む。毎回のウォーミングアップの時に脱力を意識するだけで、だいぶ力が抜けるようになってくるはず。
いくら脱力を意識しても、ライブ前などに長い時間練習していると指の皮もだいぶ厚くなってくる。そういうときは、私は爪用のヤスリの持っている中で一番細かいもので指の表面を削ってしまっている。これをやると指先を程よい柔らかさに保つことが出来るし、厚くなりきったものが剥がれてリセットされてしまうこともなくなってすこぶる調子が良い。おすすめです。
ということで、ギタリストあるあるに切り込んでみた。自分で調べていた限りではあまり言及されていなかったので、この悩みが共有できれば嬉しい。ではまた。