図書館で遊び狂う子供を眺めながら

仕事の合間に府立図書館に子供を連れて行った。

ステイホームが長かったので、図書館の頻度も減った。1歳の子供の記憶はすぐに消えるため、図書館の記憶もないのだろう。今日は児童書の本棚に囲まれた次男が興奮し、走り回っては本を出し、読んでは次の本を読み……と、図書館を満喫していた。

絵本や図鑑に囲まれるという体験が子供の中に特別な何かをもたらしたのなら、返却の時はまた連れて行こう。個人的に、本を読むのは子供の嗜好に任せようと思うのだが、どうやら子供たちは概して本が好きなようだ。

子供が本から遠ざかるのは、メディアの多様化を別にすると、本を読むという行為に付随する社会的な記号に関係しているようにも思う。これはおそらく音楽やスポーツにも当てはまる。ある意味で規範となる行動との不一致が、特定の文化からの離脱へと繋がっていく。その果てに僕が教室で対峙する学生がいる。彼らが学問を前にしたときの反応に、どんな社会的な記号が関係しているのだろうか。図書館で子供が興奮するように、学びにも享楽があるとすれば、教師の働きかけはいかなるものだろうか。静かな図書館に響く子供の叫びは、様々な問題の象徴として存在する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?