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2023.05.07 美味い酒の飲み方

昼に起きて『スキップとローファー』第5話を観る。自分に嫌なことをしてきた人の名前を覚えるミカと、自分にとっていいことをしてくれた人の名前を覚える美津未。自分はどうだろうと考えてみるも、思い出すのは良い人ばかりで圧倒的に後者の人間なのだろう。と、主人公側だ〜〜なんて一瞬思ったが、考えてみれば人の名前なんてすぐに忘れてしまうような人間だった。小さな脳みそを最大限活用するために、不要と判断したことを瞬時に忘れる僕の記憶システム。つまり思い出せるのはみんな良い人たちだけなのだ。(へけっ)

「出版社が香水を売る」の記事を読む。本質は「人口が減る日本において、たくさん売るのではなく高く売ることが大事」ということ。言わんとすることはわかる。色々な工夫がされて、本がたくさん流通する世の中に戻れば良いと思う。だが「香水がついてるから本を買う」人は、買ったその本を最後まで読むのだろうか。本を最後まで読むって結構大変なことだと思う。本に込められている価値は高いと分かっていても、「本を読み通す」こと自体にはどこか非合理的なことを強いられているときの気だるさがあって、途中で投げ出してしまうことも多い。それでも一冊の本を読み切る原動力は買った時の「(内容が)面白そう!」のワクワクだ。一方で香水付きの本を買った時のワクワクは、「どんな匂いが届くのか」だから、買うだけで満足しちゃいそうだなって思った。持続するワクワクと、しないワクワク。

今日は声優さんの取材。同居人のカメラマンから「荷物重いからタクシーで行こう」と提案があったが、経費はもちろん出ないので電車でよろしくと伝える。家で作業して、さて家を出ようとすると、雨が降っていて、さらに走らないと間に合わない。「あー、これはタクシーでいこう」ということで配車。集合場所に身軽な編集者だけがタクシーで参上する一幕が出来上がった。

インタビューはうまくいった。唯一と言っていい“好きな声優”なので、なんだかとてもいい気持ち。取材中に涙ながらに語る場面もあり「いい話が聞けたナー」なんて思ってた。取材終わりに「泣いちゃってすみません。驚きましたよね。私、この作品の取材はよく泣いてしまうんです」という言葉さえ聞かなければ、気持ちよく有頂天になれていたはずだったのに。内容的には大成功だから気にしない。気にしない。気にしない。同居人との初現場が今日でよかったと思う。

同居人カメラマンと仕事カメラマンと酒を飲む。思えば自分を仲介として知らない人同士を会わせるって、昔は苦手だったけど最近はしっかりと楽しめているなと思う。そしてそう思えるということは、なんだか本格的に自分は陽キャになってきているような気もしてしまう。えー、なんかいやだな。陰キャって言われていたい。いや、「陰キャだよね」って言われたら「そこまでではないと思うよ」って言ってしまう気もするし、「陽キャだよね」って言われたら「二面性があるからね〜」とか言ってそう。なんだ、レッテル張りが嫌なだけではないか。

嘘を言わないこととブランディングをすることについて。話したけど、眠いからまた今度。いい仕事をした日の酒は美味い。

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