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◆12月◆ 年末を大好きな機種で締めくくる

【12月12日(火) 曇り】

 平成18年もいよいよ残り1ヶ月となったわけだが、本来ならばスロ収支の上乗せを目指してラストスパートをかけるべきこの時期に、自分は相性の良い鬼武者には全く目もくれず毎日のように『めぞん一刻』を打っている。

 事の発端は先月末のデータ取りだった。自分は元々が高橋留美子先生の大ファンということもあって、編集部から依頼のあっためぞん一刻のデータ取りを二つ返事でOKしたのだが、実際にホールで打ってみると面白いの何のって…。

 正直、5号機に対して自分はこれまでほとんど期待していなかった。信長の野望やクラッシュ・バンディクー等はそれなりに打ち込んだけど、いずれも4号機との勝負に敗れた後や長時間勝負が出来ない時に狙うという、極めて後ろ向きなスロに過ぎなかった。当然のことながら朝イチから気合いを入れて打つことは皆無であり、台の方もそれを察してか勝負の方は可もなく不可もないチャラのライン。また、それが5号機だからと自分も納得していた。

 ところが、めぞん一刻に触れた瞬間に自分の中で何かがはじけた。重複役成立時のボーナス期待度や液晶演出の強弱バランスが絶妙で、そして何よりマシン内部でストーリーが進行するドラマチック・エピソードの完成度が神業と呼べるほど素晴らしいのである。原作に思い入れがあるぶん、この個人評価は少々割り引いて考える必要があるかも知れないけれど、パチスロを打つ際にコインロスを極端なまでに嫌う自分がロスが出るのを承知の上で、周囲を全く気にせず涙目になって「エピソード4・約束」に感動しているのは自分でも信じられないくらいだった。

 ともあれ、そんなわけで自分はデータ取りの翌日からひたすらめぞん一刻ばかりを打ち続けた。通ったのは自宅から最も近場にあるめぞん設置店だ。しかし、新装直後はそれなりに高設定と思われる台を掴んで11月の収支に上乗せすることができたが、導入から日数が経過するにつれて設定状況は目に見えて悪化。出玉の波が穏やかな5号機は負けてもせいぜい1~2万円程度で済むとはいえ、これが積み重なるとまるでボディーブローのように後からジワジワ効いてくる。気がつけば今月の収支はマイナス10万円を超え、またもや年間収支をマイナスに叩き落とす可能性が出てきたから笑えない。

 時すでに遅しという気がしないでもないが、かくなる上は優良店を探して打つしかないな。そう考えたのが今日の朝のことだった。ただ、困ったことに自分の行動半径内にめぞん一刻をシマ単位で導入しているホールは皆無。多い店でも2~3台で、ひどい所になるとバラエティーコーナーにぽつんと1台だけ…なんて店もある。しかし、もはや後戻りは出来ないので、今日は以前に猪木自身を打つ目的で通ったことのあるP店(1年ほど前は結構な優良店だった)に行ってみようと思う。家を出る時に妻から「もうクリスマスも近いし、響子さんにばかり貢いでないで娘や私にも何かプレゼントを買ってちょうだい」と、冗談とも本気とも取れる嫌味を言われたのは、この際だから聞かなかったことにしておこう。

 P店に到着したのは朝9時50分。この店はネットで検索した限り3台ほどめぞん一刻を設置しており、少なくとも台選びの余地はあると考えていたのだが…開店と同時にトップでめぞんのシマに走り、ポチポチとボタンを押して液晶画面の「前日大当り情報」を呼びだした瞬間に諦めた。何とまぁ全台のボーナス出現率が「設定1」の内部出現率を下回っているじゃないか!

 それでも一縷の望みを託して一番マシな履歴の台を打ち、お約束の結果に終わったのは自分の心の弱さから出たサビなのだけど、家に帰って妻と娘の顔を見るのが今日は本当に辛かった。

本日の収支
マイナス1万9千円

【12月13日(水) 雨/曇り】

 今日は17時からMAX2月号の企画会議が行われる。ならばその前に、周辺のめぞん設置店を見てみようと朝イチからあちこちを歩き回ったが、どこも台数が少なすぎて話にならない。まぁ、同時期にデビューしたサンダーVスペシャルの人気が高すぎるから、めぞん導入を見送らざるを得ないホール側の事情はよくわかる。わかるがしかし、めぞんのゲーム性は決してサンダーに劣らないと思うのだが…どうだろう?

 設置店の店長さんにお願いしたい。例の設定でほったらかしではなく、せめて中間設定くらい使って下さいな。そうすれば、会議の時刻まで打つつもりだったのを早めに切り上げて喫煙所で時間を潰す必要もないだろうから。

本日の収支
マイナス2万3千円

【12月14日(木) 曇り/雨】

 先月、凄まじい勢いで勝ち続けていたのは何だったのだろう…と思うほど今月は負け続けているが、原因についてははっきりしている。4号機と違って5号機にはマグレ勝ちがないのだ。低設定を掴んでしまうとほぼ確実に負けてしまうわけで、楽しい楽しいと喜んで打つのにはさすがに限度があるだろう。現実問題として年間収支もかなりヤバくなってきたことだし、そろそろ鬼武者に戻った方が良いかも知れないな。

 そんな話を昨日の会議後に喫煙所で担当編集と話していたら、それを横で聞いていたガイドの最古参ライター・N氏が話に割り込んできた。

「めぞん一刻を打つのなら水道橋のM店がいいと思いますよ。あの店は、4号機の検定が切れる来年を見越して今の内から5号機を大量に導入していて、客をつけるために高設定を使ってるから…」

 えっ、そうなんですか? と、思わず聞き返してしまった。自分が数日前にネットで検索した時は、確かM店にめぞん一刻はなかったような…。

「ああ、それは11月の頭くらいからずっと更新されてないんですよ。最終更新日を確認しなかったんですか?」

 返す言葉がみつからなかった。いやはや、さすがにN氏の情報網は凄い。N氏はガイドの覆面ライターであり誌面には滅多に登場しないが、人気機種からレア機種まで世にリリースされる大半のマシンを打っている強者だ。もちろん、それはスロライターとしては当然の努力なのだろうが、自分はまだまだN氏の足下にも及びませんわ。

 惜しげもなく有益な情報をくれたN氏に丁重にお礼を述べ、翌日、すなわち今日は朝からM店に直行である。そして、9台ほど設置されてあるめぞん一刻のデータを見ると…なるほど、確かに高設定台があるっぽい。それらの中から前日にREG出現率が設定6の内部数値を上回っており、なおかつ差枚数でマイナスを叩いている奥のカド台にタバコを置いた。ただし、これは高設定の据え置き狙いなどでなく、N氏に「入り口付近は自動ドアがあって寒いから、なるべく奥の方で打った方が良いですよ」と言われたからだ。まぁ、いい加減といえばどうしようもなくいい加減な台選びだが、まさかそのアドバイスに従った結果が凄いことになろうとは予想だにできなかった。

 打ち始め、2Kの投資でドラマチックエピソードが発動して赤7ビッグ。そして消化後のRT中に赤7、さらに赤7。怒濤のRT連チャンはまだまだ続き、気がつけばエピソードが一周半。わずか一時間かそこらでドル箱が満タンになっているのである。むろん、この爆発は単なるヒキ強に他ならないが、RT連チャンを抜けた後も致命的なハマリを喰らうことなく順調に両ボーナスを引き続け、6489Gほど回して赤7が27回+白7が11回、REG11回で5158枚ものコインを獲得したから凄い(設定6の内部確率を遥かにオーバー)。

 全てはN氏のお陰なのだけど、とりあえず12月の負債を半分以上取り返したので、明日は妻と娘に贈るクリスマスプレゼントを買いに行こう思う。

本日の収支
プラス10万1千円

12月のトータル収支
マイナス7万4千円

【平成18年を振り返って】

 1年間で百万円のプラス収支を目標に闘ってきた浮草家計簿も、今回で丸1年となりました。家族を養うための生活費の足しにする…なんていう、別に崇高でもない目論見は木っ端みじんに打ち砕かれて、結果はご覧の通り。目標達成率22・5%といったら、営業マンなら目標の設定に誤りがあったと追及されて上司に大目玉を喰らうか、下手をすると能力に疑問符をつけられて閑職に飛ばされるところでしょう。

 おそらく、自分の場合はその両方に当てはまると思うのだけど、1年が経過してわかったことが一つだけある。やっぱり、自分には「楽しむスロを我慢して勝つためのスロに徹する」なんてことは無理…というか不可能です。

 この24年間ずっと年間トータルで勝ち越して来たのも、実のところ「楽しみながら打っていたら結果的に勝ってしまった」だけに過ぎないし、そもそも自分はパチスロが大好きなんです。妻と娘には大変申し訳ないけれど、おそらくは平成19年もまた、自分はパチスロを思い切り楽しみながら打ち続けるでしょう。苦労をかけますが、これからも共に人生を歩んで下さい。

平成18年トータル収支
プラス20万円


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