見出し画像

そして在来線の旅は熊本から鹿児島へ。「かわせみ やませみ」「いさぶろう・しんぺい」を味わえる贅沢路線の肥薩線。①

 福岡を出て2日目、熊本市内を楽しんだ僕たちは次なる目的地・鹿児島に向かいます。この熊本から鹿児島への路線は「肥薩線」といいます。肥薩の肥は肥後国、肥薩の薩は薩摩国を指し、現在の熊本県と鹿児島県を結ぶ鉄道の呼称となっています。ちなみにこの肥後国ですが、6世紀頃までは肥前(長崎県)とあわせて肥国(ひのくに)と呼ばれていたと伝えられています。7世紀頃に持統天皇によって肥前、肥後に分かれたという説が有力のようです。

 2日目の今日は、まずは人吉駅に向かいます。全長約90kmの道のりです。そこで乗り換えをして一気に鹿児島駅まで南下します。

 今回僕たちは、JR熊本駅からD&S列車と呼ばれる電車に乗ります。デザイン&ストーリーという意味があるそうです。まずは「かわせみ・やませみ」という青い特急列車に乗り、その後に「いさぶろう・しんぺい」という赤い列車に乗ります。この日はなぜか「やませみ」がついていなくて、「かわせみ・やませみ」の2号車に「いさぶろう・しんぺい」がくっついての運行となりました。

 同列車は熊本・人吉区間を走ります。人吉駅で乗り換えです。

 いさぶろう・しんぺいのロゴマークです。

 こちらは1号車のかわせみです。

 雰囲気がとても素敵でこの段階で既に旅を満足してしまった部分もあります。こんな素敵な列車が九州の大自然の中を走ると考えると心がワクワクしてきます。さあ、列車内に乗り込んでみましょう。

 ウッド調の車内ですが金色に見えませんか。青色がウッドカラーとミックスされるとこんなにも綺麗な色になるものなのですね。照明も素敵ですし、本当に列車なのかと思ってしまう車内です。

 指定席ですが窓際に面した席もあります。この席に座って外の景色を眺めながらゆっくりお酒を飲む1人旅も素敵です。

 電車旅で心配事の1つであるお手洗いも心配無用。素敵で綺麗なお手洗いが1号車に備え付けられています。

 こちらは2号車で使われていた自由席の「いさぶろう・しんぺい」車両のやませみ車両です。一昔前の居酒屋の雰囲気があると感じるのは僕だけでしょうか。昭和の香りと共に幕末から明治維新の頃の雰囲気が伝わってくる、歴史をうまくミックスさせたようなレトロな車両です。

 向かい合わせの椅子の間には机もあり、飲食を楽しむことができます。座り心地もよかったです。

 車内には売店もあります。お弁当や飲み物、お菓子、お土産が販売されています。せっかくなのでお弁当は外で買わずに車内で買う事をお勧めします。僕は勿論買いました。

 さんぽカフェの玄米おにぎり弁当、600円。

 美味しかったです。この後乗り換え後にも別のお弁当が販売されるので、ここはこのくらいのボリュームがちょうど良いかもしれません。(駅で買える駅弁はボリュームがあるので)

 辛子蓮根チップスもとても美味しかったですよ。

 地元名産の飲み物が沢山ありました。

 車内にはスタンプ台もあります。スタンプ用の台紙も無料で置いてありますので記念にスタンプを押して帰りましょう。

 かわせみとやませみの2つのスタンプがあります。

 スタンプ台の所には、この路線の見所が手書きで書かれています。これがないとむしろ楽しめないかもしれません。それくらいありがたいプチ情報です。

 そしてこの列車の「隠れコマンド」がこれ。SNSにハッシュタグ付き「#かわせみやませみ」で投稿することで素敵なプレゼントがもらえます、

 「かわせみ やませみ」のクリアファイルです。これはかなりレアですね。そして使い勝手が良いサイズで仕事でも使えるので嬉しかったです。とても良いO2O企画ですね。

 車内も楽しみましたのでしばらくは景色を楽しもうと思います。列車は球磨川と平行してしばらく進みます。

 素敵な景色ですね。球磨川は熊本県最大の河川で、山形県最上川、静岡県富士川と並んで日本三大急流に数えられています。

 山間の綺麗な渓谷という言葉が似合う雰囲気の中、列車はJR一勝地駅に到着しました。

 一勝地駅は1908年開設で100年の歴史を持つ古い駅です。かつては無人駅だったようですが現在は簡易委託駅として管理人のいる駅になっています。なお今年の3月からは鹿児島本線直通の快速列車が廃止になっています。

 当駅では駅のホームで見送りをしてくれる売店の売り子さん達がいます。映像を撮りましたので以下のURLからご覧ください。

 この鉄道は沿線自治体によって大切にされていることがよくわかります。この先の駅でもまた紹介しますが、本当に沿線住人達がこの鉄道を盛り上げていきたい、この鉄道を楽しんでもらいたいと思っている様子がよく伝わってきます。おもてなしの度合いが他の鉄道に比べて抜群に高く、日本有数のおもてなし鉄道だと感じます。

 ちなみにこの一勝地駅にはキャラクターがいます。

 くまんたろう(球磨太郎)という球磨村のマスコットキャラクターのようです。せっかくですので球磨村のWEBも以下に紹介します。球磨太郎の事はそちらでご覧ください。

 駅構内には地元の球磨村の紹介コーナーがあります。停車時間はそれほど長くはないですが写真を撮るなどして保存して、列車内で楽しむのもありでしょうね。僕は時間もないので室内の写真を沢山撮影して列車内で楽しみました。

 そして再び列車は終点・JR人吉駅を目指して走り出します。JR人吉駅に近づいてくると車内放送でも紹介されますが、色んな方々が手や旗を振って迎えてくれています。僕は2箇所だけ撮影できましたが、もう1箇所か2箇所、手を振っている人がいたようです。

 スポーツセンターでしょうか、入口部分の2階で旗を振ってくれている人が2名いるのがわかりますか。毎日ここで待っていてくれているようです。頭の下がる思いです。そして素晴らしい沿線と鉄道の連帯です。

 続いては市役所でしょうか。5名ほどの人たちが手や旗を振ってくれています。時間は丁度13時頃、お昼時なのに有難いことです。人吉市の皆さんの優しさが伝わってきました。

 そして列車は無事JR人吉駅に到着しました。

 SLの旅でも有名な人吉駅は、熊本県南部の主要都市・人吉市にあり、この鉄道の列車のほとんどの始発・終着駅になっているようです。この駅の名物は栗めし弁当で「第11回九州駅弁グランプリ決勝大会」で第9位になったほどの実力派弁当です。この後の列車内でも購入できますのであとでレポートします。

 この人吉駅では「かわせみ やませみ」と「いさぶろう・しんぺい」の共演を見ることができます。僕たちが乗ってきた電車が「かわせみ やませみ」であるものの、後部車両が「いさぶろう・しんぺい」だったので赤い車両のコラボになりましたが、実際は右側の列車が青い列車で並ぶようです。

 これは「いさぶろう・しんぺい」がホームに入ってくる際、「かわせみ やませみ」の1号車の青車両と並ぶタイミングで撮影した写真です。そういえば人吉温泉はとても有名でしたね。丁度このシーンを動画でも撮影していますので、こちらからご覧ください。駅構内放送も聞こえて素敵です。

 人吉駅では様々な車両を見ることができます。これは田園シンフォニーと書かれた白列車です。これから通る風景がイメージできます。

 田園シンフォニーの赤、ブラウンカラーの車両です。とてもお洒落です。人吉駅構内では、時間帯が良いと色々な列車を見る事ができ、写真撮影にはとても良い場所です。撮影を楽しでいるうちに時間はあっという間に過ぎてしまうので乗り換え列車の発車時刻があっという間にきてしまいます。僕たちもいつまでもここにいることはできませんので、今度は人吉駅発の「いさぶろう・しんぺい」に乗って鹿児島を目指します。

 次号ではJR人吉駅発「いさぶろう・しんぺい」の列車旅を紹介いたします。

G1でした。どうもなー、だんだんなー!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?