見出し画像

芦田愛菜の「信じる」と『サイコだけど大丈夫』の「大丈夫」の言葉の深さに目からウロコポロリ

Netflixの韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』最終16話まで完走しました。

知り合いが「『愛の不時着』とも『梨泰院クラス』とも違うのは、ストーリーが予測出来ないこと。」と言っていましたが、本当にそう。

ぼくが第3話を観終わった頃に会った、かなりたくさんの韓流ドラマを観ている女性が、「『愛の不時着』より『梨泰院クラス』より『サイコだけど大丈夫』の方が好き。」と言っていて、そうなんだ〜と思って、その後を観たら、たしかに止まらなくなって、まんまと沼に。

観終わった時に、以下のようにインスタのストーリーズに感想をアップしました。

画像1

これを読んだ友人女性が、「観はじめた時には、こんなにほっこり幸せな気持ちで観終われるドラマとは思ってもみなかったです。」と、インスタのDMに感想を送ってくれたのですが、たしかに前半はみんながギスギスしていたのが、後半にかけて出ている人全員の心が成長していってほっこり。

また別の友人が、「英題が『 It's ok not to be ok』なのに、日本だと『サイコだけど大丈夫』になってしまうのはなんかニュアンスが違くて残念です。」とDMをくれたので、英語が弱いのでGoogle翻訳で『 It's ok not to be ok』を調べたら、「大丈夫じゃなくても大丈夫」とのこと。

たしかに、その言葉がドラマの精神病院の院長室の壁に訓示としてかけてありました。

画像2

「大丈夫じゃなくても大丈夫」って、言葉としてはとっても素敵だけど、ドラマの邦題としては弱いっちゃあ弱いから、『サイコだけど大丈夫』になったんでしょうね。2〜3話で離脱する人が多いそうですが、サイコという言葉に引っ張られて、ギスギスずーっと辛いまま終わるのかと、観るのを辞めちゃってるんだと思います。

このドラマの本質は「大丈夫じゃなくても大丈夫」なんですよね。

ここに出てくる自閉症スペクトラムの兄も、健常者の弟や他の人たちもトラウマを抱えていて、みんな大丈夫じゃない部分を持っているけど、それを大丈夫だよと支えあっていくうちに、お互いを信じあえる必要な存在になっていく、本当に素晴らしいドラマでした。


芦田愛菜さんの「信じる」ということに対しての持論が、最近話題になっています。

「映画のテーマが“信じる”だったことから、司会者から『芦田さんにとって信じるとは?』と振られると、芦田さんは『なんだろうな…』と言葉を選びながら、こう語ったんです。『裏切られたとか期待していたとか言うけど、その人が裏切ったわけではなく、その人の見えなかった部分が見えただけ。見えなかった部分が見えたときに、それもその人なんだと受け止められることができる、揺るがない自分がいることが信じることと思いました』。さらに続けて『揺るがない軸を持つことは難しい。だからこそ人は〈信じる〉と口に出して、成功したい自分や理想の人物像にすがりたいんじゃないかなと思いました』と、予想をはるかに超える答えを出してみせたのです。

この中の「見えなかった部分が見えたときに、それもその人なんだと受け止められることができる、揺るがない自分がいることが信じること」この部分にとても共感しました。

『サイコだけど大丈夫』では出てくる人たちそれぞれの大丈夫じゃない部分が浮き出てくるのを周りの人たちが受け止めて、信じる。この「大丈夫じゃなくても大丈夫」の精神は、芦田愛菜さんが言っている「信じる」にも共通すると思いました。

目からウロコポロリ


人の「大丈夫」「信じる」が、別の人を支えているんですね。


9月8日の『ほぼ日刊イトイ新聞』の「今日のダーリン」で、糸井重里さんも「信じる」について書いていました。

・ハイジャック(航空機乗っ取り)事件について、どういう番組でだったか、鶴田浩二という俳優さんが、「あの犯人というのも、他人を信じてるんだ」という言い方をしていたことが記憶に残っている。乗っ取り犯が、まったくなにも信じていなかったら、そもそもハイジャックは成立しないというのだ。それは、たとえば、飛行機を操縦している機長は、最後まで乗員や乗客の安全に配慮するであろうこと。そのことを、犯人は信じているというのだった。犯人自身は「なにをするかわからない人間」としてじぶんたちを表現しているけれど、彼ら自身は他人を信じているというわけだ。
どういう文脈で言ったのかは憶えてないけれど、ぼくの知っていた「信じる」ということばに、また新たな意味が加わったような気がしたので、このことはずっと憶えている。

乗っ取り犯が「信じる」ことで、ハイジャックが成立するなんて、考えてもみませんでした。

「信じる」について、しばらくいろいろ考えてみようと思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?