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オンラインライブは「ライブ」を観ているようで、みていない。

はじめに書いておきますが、こちらはオンラインライブを否定するものではなく「ライブは生だろ!生!」ということを書きたいわけではありません。オンラインライブにもいいところはたくさんあります。ただ、オンラインライブを何本も観ているうちに覚え始めた違和感があったので、それを紐解くためのメモとなります。

こんな世界になった影響で、これまでのような生のライブはめっきりと減り、一気にライブもオンラインの世界にやってきた。私も、自分の好きなアーティストが出演しているオンラインライブを無料・有料、長時間・短時間を問わないと、10数本はみているがオンラインライブを何本も観ているうちに、どこか違和感を覚えるようになった。

それは、「たしかに今行われているのはライブなわけだが、おれはこのオンラインライブを観ているようで、みていないのではないか?」という違和感だ。

・・・自分が「みているのか」それとも、ただ「みせられているだけなのか」というのは、どんな事象をみるときにも付きまとう問題であり、特にエンターテインメントを享受するときには大きくぶち当たる壁ではあるのだが、「オンラインライブ」はその最たるものなのではないか、と思うように今なっているのだ。

なぜか。それは、オンラインライブでは「観る」という行為における「選択」が(ほとんど)できないからだ。

オンラインライブを宣伝するキャッチコピーとしてよくみるのが、「オンラインライブだから、全員最前列!」というやつだ。生のライブで最前列を獲得できる人は本当に一握りだ。実際にライブを最前列で観ることができた時の感動は本当にすごい。そんなすごい感動をオンラインライブだったら全員享受できるわけだ。最高!本当に、これはオンラインライブならではだろう。

しかし、逆に言えば、私たち視聴者は、「最前列」以外の選択肢がない。言い換えるならば、映像を撮っている映像スタッフ・配信スタッフたちの視点でしかそのライブを観ることができないのだ。

もちろん、生のライブでも、例えばスタンディングで入るライブハウスでのライブでは整理番号順で入場できることが主流で、その番号によって、前後の位置が決まってしまうことが多い。ホールなど、全席指定の場合は、指定された席の位置からの視点という制約がある。しかし、そんな制約の中においても「どこを、どのように観るのか」という選択権は常に自分が持っている。アーティストの動きをみる、舞台美術をみる、なんか隣ですごい応援の仕方をしている観客をみる、アンコール時トロッコにのって会場全体を回っているアーティストとトロッコをみる、トロッコがよく見えない位置に自分がいるときは、舞台上にいるバンドの演奏を映し出されているトロッコにのるアーティストの映像とともに観る、などなど、観るという行為において、自分の選択をもつことができていたわけだ。しかし、今のところ、私が観てきたオンラインライブは、撮影者の視点という選択肢しか、もつことができていない。ここに、私は今、違和感をもっているのだ。

だから、「映像演出」「世界同時性」といったことで「オンラインならでは」という言葉がオンラインライブ・レポートでは頻発しているが(私自身も使いまくってる)、”それらだけ”を実現するのであれば、別に生放送である必要はない。作りこんだライブ映像を構築し、録画して、映画のように配信すればいいだけだ。1発撮りで行えば、「ライブであろうが、録画であろうが」映像そのものとしては、ほぼ全く同じものになると思う。

やっぱり、オンラインライブを否定してるじゃねぇか!と思われそうだが、オンラインライブは、やっぱり「ライブ」ではあるのだ。なぜなら、ここには生ライブと同じ「1回性」があるからだ。

〇月〇日〇〇時~オンラインライブスタートというそのスタート時間に向けて、予定をたてたり、ご飯を食べたり、トイレに行ったり、気分をもりあげるためにグッズを用意したり、と生ライブに向けたときと同じような行動を行う。そして、ドキドキしながら、その時間を待つ。たとえオンラインであっても、「その瞬間瞬間」は「1回」しか起きない。アーティスト側も、きっと、顔は直接見えなくても、その「1回」を楽しみに待ってくれているファンのことを思うことで、「1回性」の力をガツンと発揮し、「その場でしかできない演奏・パフォーマンス」をする、という、ライブを行う側と観る側の「環」があるからこそ、オンラインライブは、ライブとして、機能することができるのだ。これは、生であろうが、オンラインであろうが、かわらないと私は思う。

だから私はこの「環」の中における感動を味わいたいがために、「たしかに今行われているライブなわけだが、おれはこのオンラインライブを観ているようで、みていないのではないか?」という違和感と持ち続けてはしまうだろうが、これからもオンラインライブを観ることだろう。

ただ、オンラインライブがライブの「ネイティブ」になったら、この違和感自体もなくなってしまうのかもしれないが・・・。あるいは、人類がマジで電脳化に走ったりしたら・・・。これは、マジでわからん。

ちなみに、

映像・ヴァーチャル上において、一応自分の視点をもって、パフォーマンスを観られるものがある。それは、VR(ヴァーチャル・リアリティ)だ(そのままだな!)。

↑こちら、私が大好きなKPOPアイドルグループ 여자친구(ヨジャチング・GFRIEND)の360度カメラで撮影された360度ダンスパフォーマンス映像である。2Dでも観られるが、VRヘッドセットでみると、ヨジャチングのメンバーが私だけを囲って、ダンスパフォーマンスをしてくれている映像になって、もう感動しっぱなしで、何度も観てしまうのだが、私を囲って踊っているので、1つの視点で全員のダンスパフォーマンスをみることはできない。VRヘッドセットをつけて、自分がみたいメンバーに視点をうつさないと(首を動かさないと)、そのメンバーのダンスをみることはできないのだ!つまり、ここでは、映像でありながら、一応「自分の選択肢」をもつことができるのだ!(2Dでみても、なんとなくわかるかと思います)。

この映像の中には、残念ながらオムジはいないのだが、ソウォンだけを、ユジュだけを、イェリンだけを、ウナだけを、シンビだけを、観る、という選択を自分ですることができるのだ!(ちなみに私は一番好きなメンバーのシンビを見がち)

なので、VRがもっと発展して、みんながVRヘッドセットをもつようになって、オンラインライブ+VRが当たり前になれば、なにか、ちがう、変化が、うまれるかもしれない!

とも思っている。。。いかがだろうか。。。(結局私はこれを書きたかっただけなのかもしれない・・・)

あと、8月に行われたTWICEのオンラインライブが最高で、レポートも書いているので、よかったら、読んでくださいませ。。。

上に載せたヨジャチングの、너 그리고 나のMVも最高だから観て。。。

以上です!