情熱をとりもどせ

みなさんは情熱を持って取り組んでいることがありますか?

自分はここ最近、何に対しても情熱を失っており、常に無気力な状態が続いていました。どこに情熱を注げばいいのかがまるでわからなくなっていたのです。

今やっとその状態から抜け出す糸口を掴めた気がするので、思考の整理と自戒の意味を込め、今に至るプロセスを言語化しておこうと思います。

なぜ情熱を失ったのか

そもそもなぜ情熱を失ったのかというと、一緒に起業しようとしている友人と集まる機会が減ったからではないかと考えています。

ここ数年は毎週のように集まってサービスを開発したり、事業案を話したりしていたのですが、最近は予定が合わないことが多く、以前と比べて集まる頻度が低くなっています。

今までは「友人と一緒にやること=やりたいこと」だったのでそこに情熱を注いでいました。しかし、その頻度が低くなったことで、その情熱をどこに注げばいいのかわからない状態が続き、無気力になってしまったのだと思います。

やりたいことが見つからない焦燥感

どこに情熱を注げばいいのかがわからなくなっていた自分は、早くやりたいことを見つけようと焦っていました。

やりたいことに情熱を注いでいる人たちの話を聞いていると、
・めちゃくちゃ好きなものがあり、その好きを追究したい
・社会課題を感じる原体験があり、その課題を解決したい
といったきっかけからやりたいことに辿り着いたというパターンが多いと感じました。

そこで、自分も思い当たる好きなものや課題についてあれこれ考えようとしました。しかし、無気力状態が続いていたせいで感情の動きが乏しく、自分が何に興味を持っているのかもわからなかったのです。

そんな折、ちょっとしたインタビューを受ける機会があり、やりたいことについて質問をされました。

そのとき自分は、考えても何も思い浮かばず、苦し紛れにこう答えました。

「何をやりたいかは自分にとってあまり重要ではなくて、誰とやるかを大切にしている。」

「やりたいことがあるけど実現する手段がなくて困っている人の力になれたらいい。」

これらを答えたとき、心の内では逃げの回答だと思いました。

自分ではどこに情熱を注げばいいのかわからないから他者に依存しているのではないか。一緒にやる相手がいなくなったら一体どうするのか。そんな考えが頭をよぎっていました。

そこからはマイナス思考が進んでいきました。周りの人はみんなやりたいことに向かって進んでいく中で、やりたいことも見つけられない自分はなんてつまらない人間なんだろうと思うようになりました。

そんなことばかり考えていたらどんどん無気力になっていき、さらに負のスパイラルは進んで思考はがんじがらめになってしまいました。

やりたいことを見つけるきっかけ

そんな中、自分と近い考えを持つ人と話す機会がありました。

その人も、自分の力を他者のために使いたいという考える人でした。そういう考えを持った人と話をしていると、必ずしもやりたいことの主体が自分である必要はないと考えられるようになってきました。

自分が力になりたいと思う人の役に立つ。それもまたやりたいことの一つだと言えるのではないか。

そんな考えが生まれるようになってきました。

しかし、それでもまだ前を向くことはできませんでした。もう一つ解決しなければいけない悩みがあったのです。

それは、自分に何ができるのかを考えることです。

自分に何ができるのか

自分が力になりたいと思う人の役に立つ。それをやりたいことにするのは良いと思いましたが、実際に自分が力になれるのかというのはまた別の問題です。

自分はエンジニアなので基本的にはプログラミングやITに関わる分野で力になりたいと考えていましたが、最近は自分のプログラミングスキルに自信がなくなりつつありました。

自信がない理由としては、
・システムエンジニアとしては働いていたが、Web業界で使われる技術に関する業務経験と実績が乏しいこと(システムエンジニアとWebエンジニアでは使う技術が結構違ったりします)
・ここ最近は忙しさと無気力感を理由に勉強をサボっていたこと
などがあります。

また、世の中にはもっと凄いエンジニアがたくさんいるので、今更自分が勉強したところで追いつけないだろうという思いもありました。

そういったことを考えていたので、自分がエンジニアとして勉強する意味を見出せなくなっていました。そうやって勉強をしないでいると、他のエンジニアとの差がどんどん大きくなっている気がしてさらにマイナス思考になり、これまた負のスパイラルに陥っていました。

その結果、自分なんかが周りの凄い人たちと一緒にいていいんだろうかという引け目も感じるようになっていました。

情熱をとりもどすきっかけ

そんな状態の中、今度は以前とあるイベントで仲良くなった大学生起業家のメンバーたちと会う機会がありました。そこで、自分は最近やりたいことが見えず悩んでいるという話をしました。彼らはその話を聞いたあとで、もし良ければエンジニアとして力を貸してほしいと言ってくれました。

こんな自分に力を貸してほしいと言ってくれたのがとても嬉しくて、ぜひとも彼らの力になりたいという思いが溢れました。そして、そのためにはもっと努力しなければならないとも思いました。

その日の夜、家に帰って最近観始めた『シリコンバレー』を観ていると、こんなシーンがありました。※ちょいネタバレ注意

投資家にプレゼンする事業計画を作成する際、共同創業者の持ち株の配分を決めるにあたって代表がメンバーそれぞれと面接をしました。その中で、代表の親友といえるメンバーは突出したスキルがなく、代表以外の周りのメンバーからは不要だと言われてしまいます。その後、代表は他のメンバーをクビにしてでも親友を共同創業者に加えると主張しましたが、その親友は他の会社のオファーを受けて去ってしまうのでした。

このシーンを観て、一緒にいたい人と一緒に居続けるためには同じ舞台に立っていられるだけのスキルが必要だと感じました。また、親友の視点で考えると、一緒にいてもいいと自分で認められるだけの自信が必要だったとも感じられます。

そして、そのシーンを観てから、ふと『ワンピース』でルフィが初めてギア2を使ったときに言っていたことを思い出しました。

「...おれには強くなんかなくたって一緒にいて欲しい仲間がいるから......!!俺が誰よりも強くならなきゃそいつらをみんな失っちまう!!!」

この言葉から、さらに最近あったとある出来事を連想しました。

それはプロジェクトの失敗という出来事でした。それによって、大切な人たちに大きな迷惑をかけることになりました。全ての原因が自分にあったわけではないかもしれませんが、自分にもっと力があれば違う未来があったかもしれないと思ってしまいます。

良いことも悪いこともありましたが、これらの経験や思いを通して、自分の中で新しい情熱が生まれつつあることを感じました。

新しい情熱

その新しい情熱とは、「力になりたい人の力になるため、一緒にいたい人と一緒に居続けるために己を高める」というものです。

周りの凄い人たちと一緒にいるためには、力になれるだけのスキルと、一緒にいてもいいんだと自分で認められるだけの自信が必要だということが今回の気づきでした。

それらを得るためには、向上心をもって努力し続けるしかないと思っています。大変なことではありますが、そのための情熱はとりもどしたのですから、これから精一杯頑張っていこうと思います。

ところで、やりたいことの主眼を他者に置いた結果、その人たちに対する自分の思いに気づくことができたというのは面白いと思いました。

自分を知るために他者を介さなければいけないのは難儀なものですが、自分とは他者との関係性の中でしか存在し得ないものなのかもしれません。

それともう一つ、今回の試行錯誤を通じて自分の好きなものを見つけられた気がします。それは、力になりたい、一緒にいたいと思う「人」です。自分はそういう「人」のためなら頑張れる、そんな気がしてきました。

いつも自分と一緒にいてくれる皆さんに、改めて感謝の気持ちを述べたいと思います。ありがとうございます。

皆さんのお力になれるよう頑張りますので、これからも一緒にいてくれるととても嬉しいです。

イイ感じに話がまとまったので、今回はこの辺りで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?