ハナブサの相手は
彼より幾分年上の訳ありな後家だった

彼女は名を「紗雪」といい
追い出しを掛けている長屋の奥で
蝋燭の絵付けをして生計を立てている

彼は密かに女を「さっちゃん」と呼び
遠くから静かに眺める日々を重ねた
一目惚れだった

だが、彼は自分の思いに気づいてさえいない
血痕2

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