おすすめの1冊

今回は私が「これは読んで良かった」と思う本を紹介したい。

何冊も紹介するのは単純にめんどくさいし、肝心のおすすめ感も出ないため却下。これだけは!という本のみを紹介する。

気が向いたらまたやるかもしれないけど、今回はあくまでも1冊に限定させて頂きたい。

おすすめの1冊|『孫子』

今回紹介するのは『孫子』だ。

孫子は戦略について記された兵法書で、言わずと知れた名著。

戦略に関する実践的な理論が計十三篇に渡って収録されており、それが次の通りである。

  • 計篇:まず初めに、戦争を始める意義について述べている。

  • 作戦篇:次に、戦争の準備・計画について述べている。

  • 謀攻篇:次に、戦いにおける心構えや戦略の基本について述べている。

  • 形篇:次に、戦いにおける理想的な勝ち方について述べている。

  • 勢篇 :次に、軍の勢いが如何に重要かを述べている。

  • 虚実篇 :次に、戦争において如何に主導性を発揮すればいいかについて述べている。

  • 軍争篇:次に、敵の機先を如何に制するべきかについて述べている。

  • 九変篇:次に、戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立てについて述べている。

  • 行軍篇:次に、軍を進める上での注意事項について述べている。

  • 地形篇:次に、地形によって戦術を変更することを説いている。

  • 九地篇:次に、9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を説いている。

  • 火攻篇:次に、火攻め戦術について述べている。

  • 用間篇:最後に、情報の重要性について述べている。

以上の十三篇が孫子の全容となる。

実際に読めば分かるが、非常にコンパクトにまとめられているものの、どこを切り取っても戦略に対する深い洞察が顕されている。

孫子の何が凄い?

私が本書を初めて読んだのは今よりももっとずっと若い頃で、当時はこの本の良さがまるで分からなかった。

そもそも、「なぜこんな平和な時代に戦争について学ばなければいけないのか?」と疑問だったし、また「なぜ多くの人間がこの本をおすすめしているのか」も理解出来なかった。

しかし、社会に出て、世の中の仕組みや人間の心理を深く知っていく内にこの本の重要性を強く実感することとなる。

綺麗事を抜きにして言えば、社会とは銭を奪い合う戦場であり、また人間関係は常に騙し合いを含んでいる

つまり、孫武(孫子の作者)の生きていた時代(春秋時代)と変わらず、現代社会も弱肉強食を前提としているわけだ。

であるならば、その競争に勝つための極意が書かれた本書の価値はすこぶる高い。

ビル・ゲイツが愛読しているのは有名な話だが、トップ層の経営者でさえ参考にしているという点を踏まえても、その有用性はもはや疑いようがないだろう。

特に私が好きなのは、戦わずして勝とうとする一貫した態度

おそらく孫武という人物は戦争を好まない平和主義者だったのだろう。だからこそ戦争という手段を可能な限り避け、最小の努力で最大の成果を上げることを目指した。

その結果として、『孫子』が生まれたんじゃないかと思う。

徹底した合理性に裏打ちされながらも、意外にも平和主義的な思想が垣間見える、そんな『孫子』が私は好きだ。

まとめ

というわけで今回のおすすめの1冊は『孫子』である。

私自身、過去に色んなジャンルの本を読んできたが、振り返ってみると本書の内容を思い出す機会がとても多かったように感じる。

それはつまり、本書が多様な場面において応用できる有益な1冊と言えるからではないか。

今回はそういった理由から本書を紹介させてもらった。気が向いたらまたやろうと思う。

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